クルマに限ったことではないが、人気のウラには必ず「アンチ」が存在する。クルマでいうなら、日産やホンダ、そしてトヨタには、常に厳しい目が向けられる。
クルマに限っていえば、「そのメーカーが嫌い」というよりも、自分が好きなメーカー以外は許さない、という人も多いような気がするが、しかし、そんななかでも、唯一、スズキだけは、オーナーでなくても批判する人が少ないように思える。
クラスを超えた乗り心地!! VIPカー顔負けの快適性を持つ意外な実力車 4選
ジムニーにスイフトスポーツにアルトワークス……、コンパクトカーを中心にクルマをつくり続けてきたスズキが愛されるワケとはいったい!?
文/吉川賢一、写真/SUZUKI、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】自動車メーカー随一の愛され力!! スズキが送り出す愛されるクルマたち
■趣味性の強いクルマから、幅広く愛されるクルマまで!!
デフやドライブシャフト、プロペラシャフトの強度が高く設定されているため、基本的なメンテナンスをし続ければ、ずっと長く乗ることができる。車体が頑丈で維持費がかかりにくい
ジムニーやスイフト、アルト、ハスラー、スペーシアなど、比較的リーズナブルで便利なクルマがたくさんある、というのがスズキのイメージだろう。
なかでも、ジムニー人気の底力は凄い。日本のみならず欧州でも人気沸騰しており(欧州ではJB74型ジムニーシエラを「SUZUKI JIMNY」の名で販売)、コンパクトなボディサイズと特有のキャラクターで、高く評価されている。
本格的なオフローダーを手に入れようとすると高価格なモデルしかないなか、ジムニーは、JB64ジムニーが148万円~(XG-4WD・5MT)、JB74ジムニーシエラが179万円~(JL-4WD・5MT)と、本当に令和のクルマの価格か!? と思うほどに安い。
スズキは、走りを楽しむクルマ好きのココロも上手くくすぐってくれる。日本を代表するコンパクトスポーツ「スイフトスポーツ」。現行の4代目スイフトスポーツは、140ps/23.4kgmを発生する1.4リットルのガソリン直噴ターボを搭載、970kgという軽量ボディを、6MTもしくは6速ATで走らせる。
このスイフトスポーツも、シンプルな車両構成のおかげか、車両価格は187万円から、という圧倒的な低価格。トヨタ86やマツダロードスターといったスポーツモデルが、250万円を超える中、際立ってコスパが良い。
走りを愛するクルマ好きの人にとっては、アルトのスポーツバージョンの「アルトワークス」も胸アツであろう。
また、こうした趣味性の強いクルマだけでなく、幅広く支持を集めるクルマも、スズキには多くある。
たとえば、2014年に登場した、クロスオーバーSUVタイプの軽自動車「ハスラー」。
同社の軽ハイトワゴン「ワゴンR」をベースに、丸型ヘッドランプ、大径タイヤ、高い車高といったSUV要素を融合させる、という斬新なアイディアで登場したハスラーは、発売前から事前予約が殺到。一時は生産が追い付かないほどの人気ぶりだった。
■「ユーザーが求めるクルマ」を、圧倒的な企画力と実行力とスピード感で
スイフトスポーツの場合、『速く走る楽しさ』よりも『手足のように操る楽しさ』を求めて作られている。ユーザーが何を求めるかを的確に判断した結果だろう
スズキが愛される理由、それは、業界をリードするような技術をたくさん取り入れた最先端をいくクルマをつくる、というよりも、時代の流れはキャッチしつつ、「ユーザーが求めるクルマ」を、圧倒的な企画力と実行力、そしてスピード感でつくっていることにあるのではないだろうか。
例えば、スイフトスポーツの場合は、純粋に「操る楽しさ」を求めたクルマつくりがされている。
速いタイムや、加速度の高さを提供することよりも、決してハイテクではないけれど、クルマを期待通りに操ることができ、いつも走っている道なのに、なぜか楽しく感じることができる、そういった感覚を目指しているという。
絶対的なエンジンパワーを上げ、それに見合った高剛性サスペンションや強靭な車体で武装し、ほぼレーシングカーのようなマシンに仕上げるよりも、適度なエンジンパワーに見合ったコンパクトなボディ構造と、シンプルで軽量なサスペンションを使う。
いま国産メーカーでこのような割り切ったクルマづくりをしているメーカーが他にあるだろうか。
ハスラーのヒットは、「マーケティングの勝利」であろう。
豊富なボディカラーや可愛らしいデザインもさることながら、「クルマに遊び心が欲しいけど、ジムニーではハードすぎる」という、オフロード風味が欲しいユーザーの需要をキャッチし、いち早く実現させたことが、この爆発人気につながったと考えられる。
ほかのメーカーももちろんこのような需要はキャッチしていたであろうが、このスピード感と実行力は、スズキならではだ。
■インドでは圧倒的な人気!!
インドにおけるスズキの生産販売子会社、マルチ・スズキで販売されているアルト800
すこし話がそれるが、インドでは、スズキの新車販売シェアが50%を超えている。インドといえば、新車販売台数において、中国、アメリカ、日本、ドイツについで5位にランクイン(2019年)する、世界的にも大きな市場。
スズキのインド子会社のマルチスズキの販売するクルマは、そんなインドの乗用車市場で、およそ277万台(2019年度)の販売台数のうち51%を占めている。ちなみに、トヨタのインドにおけるシェアは7-8%程度(2019年)だ。
マルチスズキの出すクルマは、価格と性能のバランス感覚に優れ、そしてなにより、「ジャパンブランド」だという点も、インド人の顧客の心を掴んでいるようだ。
また、インドでは全長4メートル以下の車は税金を安く抑えられるため、主要なモデルの多くがその大きさに収まるように製造されてきた。
「コンパクトカーが得意」「急成長中のインドで支持されるコスパの良さ」「ジャパンブランド」これらが支持され、スズキはインドで、シェア50%という圧倒的な強さを手に入れたのだろう。
■まとめ
もちろん、スズキのクルマにも、気になる点はたくさんある。しかし、「いいクルマは高い」を覆すクルマづくりは、他メーカーがマネ出来ない、スズキだけの特徴だ。
このコロナ禍で、日本市場のみならず海外市場でも新車が売れず、スズキも大きな打撃を受けてしまっているようだ。すべてが落ち着いて、また以前のように、モーターショーなどで新型車を発表し、我々を驚かせてくれることを祈っている。
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みんなのコメント
要らん装備で価格を吊り上げ、ドライバーにメンテナンスもさせないような車設計をするトヨタとは異なる。
スズキの車は構造が単純故に自分でメンテナンスしやすいから維持もしやすい。