現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > タナックが首位快走、43秒リードで最終日へ。オジエが一矢報いる2番手浮上/WRC第7戦ギリシャ

ここから本文です

タナックが首位快走、43秒リードで最終日へ。オジエが一矢報いる2番手浮上/WRC第7戦ギリシャ

掲載 更新
タナックが首位快走、43秒リードで最終日へ。オジエが一矢報いる2番手浮上/WRC第7戦ギリシャ

 6月28日、南ヨーロッパのギリシャにて、2025年WRC世界ラリー選手権の第7戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ3が行われ、スペシャルステージ13を終えた時点で、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)がトップをキープしている。日本の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はデイリタイアとなった。


■2番手フルモーにまたも試練

勝田貴元、土手にスタックしデイリタイアに「自分のミス。チームに謝罪します」/WRCギリシャ デイ3コメント集

 激しい起伏や尖った岩で荒れたグラベルと、暑い気温がハードな戦いを要求するアクロポリス・ラリー。デイ3は、3本のループステージを午前・午後で走るアイテナリーとなり、舞台は道幅の狭い峠道だ。

 前日のデイ2では、総じてクリーナーの役目を背負わされたトヨタ勢を横目に、タナックとアドリアン・フルモー(ともにヒョンデi20 Nラリー1)がワン・ツー体制を築いた。そこに、2番目出走ながら食らいついたセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が加わってトップ3が形成された。

 デイ2終了時点では、タナックとフルモーの差は3.0秒、フルモーとオジエの差は13.9秒だった。迎えたデイ3からは出走順が総合順位の昇順となり、出走順の影響が減少するなか、3台はこの日1本目からトップ3を席巻した。

 午前8時にスタートしたSS8にて、まずはタナック、フルモー、オジエの順で上位タイムをマーク。なかでも、ステージウインのタナックのペースは頭ひとつ抜けていて、リードは早くも13秒に広がる。

 そして、続くSS9でもタナックはステージウインを飾り、さらにリードを6秒広げた。2番手のフルモーは、ヒョンデのワン・ツー体制を守るためにもオジエの追随を振り切りたいところだが、オジエも近いタイムで食らいつく。

 そんななか迎えたデイ3午前最後のSS10で、フルモーに試練が襲い掛かった。彼のペースノートに記載されていなかった岩が、リヤのサスペンションアームにヒットし破損。これで1分以上のロスを喫し、2番手をオジエに奪われて3番手に後退した。ここ数戦、上位を走りながらもアクシデントによる後退が続いていたフルモーにまたも悲劇が起きたが、ここではオジエがタナックを0.1秒上回るステージウインを飾った。


■トヨタの2台が相次いでストップ

 ミッドデイサービスを経て迎えた午後ループ。午前のフィードバックが奏功したか、ここからはティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)もペースが向上。ヒョンデの勢力が増すなか、午後1本目のステージでトヨタは2台のGRヤリス・ラリー1を失うこととなった。

 ギリシャの餌食となったのは、カッレ・ロバンペラと勝田のふたり。ロバンペラは、崖際を走るステージ前半でブレーキトラブルが起きたとのことで、リズムが乱れてオーバーラン。そのままアウト側の斜面に乗り出してスタックしてしまった。その後、観客の助けもあってステージに復帰したが、ドライブシャフトにダメージがあったとのことで、マシンを停めてデイリタイアとなった。

 そして勝田は、峠を下っていくステージ後半のヘアピンコーナーでオーバーラン。アウト側の土手に乗り上げ、スタックしてコース復帰が叶わず、こちらもデイリタイアとなってしまった。

 そんななか、タナックが午前に続いて1本目をステージウイン。しかし2走目ということもあり、2番手オジエとのタイム差は2.5秒と僅差だった。3番手タイムは、デイ2で首位に立つ場面も見られたヌービルがマークした。

 続くSS12あたりからは、空模様に若干の不安が残るなかのアタックとなったが、大きく路面コンディションが変わることはなかった。オジエはここでクリーンな走りに努めた一方、タナックは安定してハイペースを維持して連続ステージウインを飾り、2番手にはヌービルがつけた。

 そして、デイ3ラストのSS13を走る頃には霧が立ち込め始めたが、上位陣は惑わされることなく完走し、タナックがこの日5度目のステージウインで締めくくった。その結果、総合でのリードは43.6秒に広がった。そして2番手オジエは、午後にペースを控えていた3番手フルモーとの差を2分8秒に広げた。

 上位陣の差は、タイムアタックで埋めるのは難しいように見受けられる状況。ただ、このアクロポリス・ラリーは、最速よりもノントラブルの走りが勝利を引き寄せるラリーとしても知られている。待ち受ける結末はヒョンデの今季初勝利か、オジエの連勝か。ウイナーが決まる明日デイ4は、2つのループステージで計4本の走行が行われる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年06月29日]

文:AUTOSPORT web
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

母国初優勝のノリス「タイトルに次ぐ素晴らしい出来事」独走状態から2位のピアストリはペナルティに強い不満
母国初優勝のノリス「タイトルに次ぐ素晴らしい出来事」独走状態から2位のピアストリはペナルティに強い不満
AUTOSPORT web
フォルナローリがFIA F2初優勝。FIA F3未勝利王者が4年ぶりのトップチェッカー/第8戦レース1
フォルナローリがFIA F2初優勝。FIA F3未勝利王者が4年ぶりのトップチェッカー/第8戦レース1
AUTOSPORT web
メルセデス、判断ミスの連続で1点にとどまる。4番グリッドのラッセルは10位、アントネッリはアクシデントでリタイア
メルセデス、判断ミスの連続で1点にとどまる。4番グリッドのラッセルは10位、アントネッリはアクシデントでリタイア
AUTOSPORT web
首位パロウがまさかの単独コースオフ。ピット戦略的中のディクソンが今季初優勝/インディカー第10戦ミド・オハイオ
首位パロウがまさかの単独コースオフ。ピット戦略的中のディクソンが今季初優勝/インディカー第10戦ミド・オハイオ
AUTOSPORT web
ノリスが母国初優勝。37歳ヒュルケンベルグ、239戦目で悲願の初表彰台【決勝レポート/F1第12戦】
ノリスが母国初優勝。37歳ヒュルケンベルグ、239戦目で悲願の初表彰台【決勝レポート/F1第12戦】
AUTOSPORT web
初日苦戦のフェルスタッペン、低ダウンフォースに変更しポール達成「アンダーステアを修正してプッシュ可能になった」
初日苦戦のフェルスタッペン、低ダウンフォースに変更しポール達成「アンダーステアを修正してプッシュ可能になった」
AUTOSPORT web
セットアップの賭けが外れたフェルスタッペン、スピンで5位「今はもうタイトルは関係ない。また次戦頑張るだけ」
セットアップの賭けが外れたフェルスタッペン、スピンで5位「今はもうタイトルは関係ない。また次戦頑張るだけ」
AUTOSPORT web
「新アップグレードは正しい方向への小さな一歩」「天候がチャンスをもたらしてくれるかも」/F1第12戦予選コメント(1)
「新アップグレードは正しい方向への小さな一歩」「天候がチャンスをもたらしてくれるかも」/F1第12戦予選コメント(1)
AUTOSPORT web
アストンのストロール、アグレッシブな戦略で3番手に浮上も、タイヤに苦しみ7位。アロンソは悔いが残るレースで9位
アストンのストロール、アグレッシブな戦略で3番手に浮上も、タイヤに苦しみ7位。アロンソは悔いが残るレースで9位
AUTOSPORT web
好調だったフェラーリ、予選で輝けず。ハミルトン「最終コーナーでの乱れが響いた」ルクレールは自分に苛立ち
好調だったフェラーリ、予選で輝けず。ハミルトン「最終コーナーでの乱れが響いた」ルクレールは自分に苛立ち
AUTOSPORT web
VDSパニス、イモラでル・マンの雪辱果たす。LMGT3は小泉組コルベットが初優勝/ELMS第3戦
VDSパニス、イモラでル・マンの雪辱果たす。LMGT3は小泉組コルベットが初優勝/ELMS第3戦
AUTOSPORT web
アストンマーティン育成クロフォードが雨の一戦を制し、今季3勝目を掴む/FIA F2第8戦レース2
アストンマーティン育成クロフォードが雨の一戦を制し、今季3勝目を掴む/FIA F2第8戦レース2
AUTOSPORT web
ホームレースのハミルトンが首位発進、ノリスが2番手。好調レーシングブルズがレッドブルを上回る/F1イギリスGP FP1
ホームレースのハミルトンが首位発進、ノリスが2番手。好調レーシングブルズがレッドブルを上回る/F1イギリスGP FP1
AUTOSPORT web
見事に立ち直ったノリス/絶好のタイミングで実力を証明したローソン【独自選出:F1第11戦ベスト5ドライバー】
見事に立ち直ったノリス/絶好のタイミングで実力を証明したローソン【独自選出:F1第11戦ベスト5ドライバー】
AUTOSPORT web
「しっかりまとめられたと思う」「今週末は間違いなくマシンにいい感触を持っている」/F1第12戦予選コメント(2)
「しっかりまとめられたと思う」「今週末は間違いなくマシンにいい感触を持っている」/F1第12戦予選コメント(2)
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが6戦ぶりのPP獲得。角田裕毅はQ3進出に0.115秒届かず【予選レポート/F1第12戦イギリスGP】
フェルスタッペンが6戦ぶりのPP獲得。角田裕毅はQ3進出に0.115秒届かず【予選レポート/F1第12戦イギリスGP】
AUTOSPORT web
他を圧倒した大竹がMCCの連勝継続。平川も初グラベルで無事完走/JRCラリーカムイ
他を圧倒した大竹がMCCの連勝継続。平川も初グラベルで無事完走/JRCラリーカムイ
AUTOSPORT web
赤旗時クラッシュのベアマン、予選ベスト8番手も10位降格に「愚かなミスをした自分に腹が立つ。時間を戻したい」
赤旗時クラッシュのベアマン、予選ベスト8番手も10位降格に「愚かなミスをした自分に腹が立つ。時間を戻したい」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村