■「スカイライン GTの集大成」完売 次はどうなるのか
日産は2024年8月23日に、新型「スカイラインNISMO Limited」を発売しました。「スカイラインGTの集大成」とする特別なモデルだといいます。
登場から11年を迎えてもなお販売が継続されるスカイラインですが、果たして今後も続いていくのでしょうか。
【画像】超カッコいい! これが日産 新型「スカイライン」です(85枚)
スカイラインは1957年の登場後、走り向けの味付けとしたエンジンや長距離ドライブに適した足回りを採用したことで、GT(グランドツーリング)カーの代名詞として長らく愛されています。
現行型(V37型)は2013年11月に発表された13代目。躍動的なボディやFRレイアウトなど歴代の特徴は踏襲しながら、インテリアの質感向上やインテリジェントクルーズコントロールなどの先進技術を搭載し、プレミアムセダンとしての側面を強めました。
以後、異例ともいえる11年のモデルライフを送っており、内外装デザインの変更だけでなく、ハイブリッドモデルの設定や先進運転支援システム「プロパイロット2.0」の採用、高出力の3リッターV型6気筒ツインターボエンジン新搭載といった改良が度々実施されてきました。
そして2023年8月、特別仕様モデル「スカイラインNISMO」を発表しました。
「The Skyline GT よみがえれ、羊の皮を被った狼」をコンセントとし、NISMOブランドによる「スカイラインGT」原点への敬意を示し、グランドツーリングカーとしての集大成を目指したといいます。
ハイパフォーマンスグレード「400R」をベースに、パワーユニットの出力を向上。最大出力420馬力・最大トルク550Nmを発揮します。さらに、スーパースポーツ「GT-R NISMO」と同様のフロントウインドウ接着剤の使用によりボディ全体の剛性を向上。
専用チューニングサスペンションやスタビライザーの装着し、ミッションなど各種制御も専用としています。
エクステリアでは歴代スカイラインをオマージュした意匠を取り込んだ専用バンパーなど、特別感のある仕上げとし、ボディカラーは「NISMOロードカー」シリーズに共通するステルスグレーを設定。各部にはNISMO共通のレッドアクセントを施しました。
これをベースに、さらにこだわりと作り込みを行ったスカイラインNISMO Limitedは日産としても特別な場所である横浜工場「匠ライン」で、特別な資格を持つ匠が一基ずつ手組みで作り上げる高精度なエンジンを搭載。
エンジンは、バルブクリアランスを20マイクロメートル差まで抑え、性能のバラつきを極限まで低減。エンジンカバーには組み立て担当者を記した匠ラベルが貼付されました。
エクステリアでは、ボンネットに専用デカールが貼付されたほか、艶消しガンメタリック塗装のホイールを特別装備。インテリアもレカロ製スポーツシートとカーボンパネルを標準装備し、20kgの軽量化を実現。専用シリアルプレートや専用エンブレムも装着しています。
その後、出荷検査でも特別走行メニューが追加され、ATの変速精度が調整された状態で納車。これまでにない特別な価値が付加された貴重なモデルとなっています。
100台のスカイラインNISMO Limitedが完売となった現在、スカイラインの去就についても注目が集まっています。
そんななか、国内のセダン車は相次いで生産を終了しており、セダン車の不人気ぶりが顕著になっています。各社の売れ筋モデルはSUVに集中し、販売台数ランキングにおいても上位はSUV・ミニバン・コンパクトカーといったものが占め、セダンはランク外です。
スカイラインも登場当初はハイブリッドモデルや最新の先進運転支援技術「プロパイロット2.0」搭載モデルなどを設定していましたが、すべて廃止され、400Rおよび標準モデル「GT」のみのラインナップとなっています。
現行型発表から11年が経過した2024年11月現在も、新型スカイラインに関する情報は一切アナウンスされておらず、また現行型の終了、あるいは一部改良といったことすらも不透明な状態です。
スカイラインは日産だけでなく国産セダンの代表的存在ともいえ、非常に長い歴史を持つモデルです。セダン不況のなか、新たな姿で登場するスカイラインへ期待したいユーザーも少なくないかもしれません。
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