もてぎで速さを見せるトヨタ勢。スーパーGT最強コンビ坪井翔＆山下健太は2週連続で主役に？｜スーパーフォーミュラもてぎ

　モビリティリゾートもてぎで行なわれるスーパーフォーミュラ第3戦・第4戦は初日フリー走行が終了。開幕の鈴鹿大会はホンダ勢がポールポジション・優勝を奪ったが、今大会はトヨタ勢も元気の良い走りを見せている。

　まず午前中のFP1ではSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの阪口晴南がトップタイムを記録。セッション後のインタビューでは「今回のコンディションには合っているような気がします。タイムが出ているから言っているだけかもしれませんが……」としつつも、「この調子を崩さないように初優勝目指して頑張りたい」と意気込んでいた。

　FP2でトップに立ったのもトヨタ勢。KONDO RACINGの山下健太が一番時計だった。山下は昨年のもてぎ戦もポールポジションから2位表彰台を獲得するなど、サーキットとの相性も良い。「去年の流れで、もてぎで速いセットアップはなんとなく見られています。去年に近いところ（セットアップ）で走った結果、昨年からタイヤが変わっていても速さを見せられました」と満足感を口にした。

　しかも山下が満足げなのは、昨年苦しんだロングランでも良い傾向が見られているからだ。山下はFP2でこの日誰よりも長い10周超のロングランを行なってレースシミュレーションを入念に行なったが、同じタイミングでロングランをしていた太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）の真後ろにつけるという悪条件ながら良い感触があったという。

「去年に関しては予選が良かったですが決勝はすごく遅かったので、今年はそこを重点的にやっていて、長めのロングランをしましたが、去年に比べるとかなり良いです」

「ずっと前で格之進選手がロングランをしていて、他人の後ろをついて走ることになりました。（ダウンフォースが）だいぶ抜けていたと思いますが、それでもあまり（タイヤが）タレなかったし、結構期待できるんじゃないかと思います」

　太田が目の前にいながらロングランを続けていた理由については「なんか自分が引いたら負けたような気がして……（笑）。今考えるともうちょっと開けてちゃんと（ペース）見ておけば良かったですね」とヤマケン節も全開。ともかく予選・決勝に向けて特に調子の良さそうな1台だ。

　そして昨年のスーパーフォーミュラ王者であり、スーパーGTではTOM'Sで山下とコンビを組みシリーズを席巻する坪井翔（VANTELIN TEAM TOM’S）も、全体的にはFP2でトラブルがありながらも4番手に入るなどまずまずの滑り出しとなった。

　FP2ではホームストレート上で突如失速し、ピットレーン出口にマシンを停めた坪井。ギヤがニュートラルに入らずマシンを動かせなかったため、駆動輪のあるリヤをジャッキアップしてピットまで運ばれる姿が映像にも映っていた。坪井はセッション後、「突然メーターがシャットダウンして、エンジンが切れてしまいました」と説明した。

　ただその後再びコースに出た坪井は好タイムをマークした。もてぎは昨年坪井が表彰台を逃したふたつのレースの内のひとつということで、苦手意識があったようだが、今回のFP2で良い手応えが得られたようだ。

「もてぎは苦手としていて、去年もあまり良いイメージがありませんでした。FP1もやっぱり良くなかったのですが、FP2にかけてやってきたことの辻褄が合ってきて、タイムも悪くなかったです。初めてポジティブな形でもてぎのレースウィークを迎えられるかなというくらい、手応えを感じられています」

　坪井にとっても山下のパフォーマンスは印象的に映っているようだが、「十分射程圏内にいるのかなと。あとは予選に向けた合わせ込みが大事だと思いますが、そこがうまくできれば十分チャンスあるかなと思います」と自信をのぞかせた。

　1週間前のスーパーGT開幕戦岡山では、大荒れのレースを無風の強さで制したau TOM'Sの坪井／山下組。今回のスーパーフォーミュラでも主役となれるか。