現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 中古車“10年10万km”は目安じゃない?1000人調査で見えた購入基準の変化とは

ここから本文です

中古車“10年10万km”は目安じゃない?1000人調査で見えた購入基準の変化とは

掲載 33
中古車“10年10万km”は目安じゃない?1000人調査で見えた購入基準の変化とは

カーライフ [2025.12.03 UP]


中古車“10年10万km”は目安じゃない?1000人調査で見えた購入基準の変化とは
 埼玉県中古自動車販売商工組合 JU埼玉(所在地:埼玉県さいたま市)は12月3日、中古自動車を保有している一般ユーザーと自動車整備士を対象に、「中古自動車の購入と販売に対する意識変化」に関する調査を実施、その結果を公表した。

5人に1人が愛車に不満アリ?独身・夫婦・子育て世帯で違う愛車へのホンネを調査


保有している自動車の経過年数は「10年以上」が最多
 はじめに、中古自動車を保有している一般ユーザーに「現在保有している自動車は初度登録年月からどれくらい経過しているか」と聞いたところ、10年以上が35.1%で最も多かった。

 車両の性能向上とメンテナンス技術の発達が影響していると考えられ、従来であれば10年を超えると買い替えの検討時期とされていたが、近年は車体・エンジン・安全装備の耐久性が高まり、長期保有が一般化していることがうかがえる。

 「現在保有している自動車の走行距離」についての質問では、21.8%が10万km以上と回答。10万km以上が約2割という結果から、多くの人が走行距離の多い自動車でも乗り続けている現状が見て取れる。

 背景には、整備・点検体制の進化や保証制度の充実があり、「距離よりも状態」で自動車を評価する考え方が浸透してきた可能性があるとしている。


「10年10万km走行」という条件をどのように捉えている?
 次に「自動車の耐用年数や買い替えの目安として、『10年10万km走行』という数字を聞いたとき、どのように感じるか」聞いたところ、約半数が「とても妥当だと思う(8.9%)」「やや妥当だと思う(45.5%)」と回答した。

 過半数が「妥当」とする一方で、「妥当ではない」と回答した人も一定数おり、認識がわかれる結果となった。この背景には、車種や整備状況によって車両寿命が大きく異なることや、電装系トラブルの多様化などの影響があると考えられる。

 また、自動車の耐用年数が技術革新により延びている現代では、「10年10万km走行」という条件に対して肯定的な意識が広がりつつあるとしている。

 次に「昔の中古自動車と比較して、今の時代に販売される『10年10万km走行保証』中古自動車はどのような印象か」を聞いたところ、「きちんと整備・管理されていればまだまだ乗れる(68.7%)」が最も多く、「耐久性が昔より改善されており、そこまで不安要素がなくなっている(23.0%)」「維持費や税金が高くなりそう(自動車税、排出ガス規制等)(16.4%)」となった。

 約7割が「整備・管理されていればまだ乗れる」と考えている点から、整備技術の向上や保証制度の充実が中古自動車に対する安心感を高めている様子がうかがえる。一方で、税金や維持費など、劣化による出費を懸念する声も一定数あり、耐久性の改善と費用負担の不安が併存していると言える。


中古車購入時の重視ポイントは「価格」「走行距離」「年式」
 「中古自動車を購入する際に、どのようなポイントを重視するか」について質問したところ、「価格(84.2%)」が最も多く、次いで「走行距離(74.7%)」「年式(59.2%)」となった。

 購入時に特に重視するのは「価格」と「走行距離」で、費用対効果を判断軸にする人が多いことが示された。一方で、「年式」「外装・内装の状態」「メンテナンス履歴」といった“状態の可視性”に関する項目も一定の支持を得ており、安さだけでなく安心して使える条件を重視する意識も高まっていると考えられる。


自動車整備士に聞いた!“10年10万km走行”でも現役で走行できる理由
 整備の専門家は自動車の耐用年数の目安について、どのように考えているのだろうか。自動車整備士に「10年10万kmを超えても、適切にメンテナンスを行えば引き続き安全に走行できると思うか」と質問。9割以上が「強くそう思う(44.9%)」「ある程度そう思う(50.6%)」と回答した。

 前の質問で「強くそう思う」「ある程度そう思う」と回答した人に、「メンテナンス次第で年式・走行距離にかかわらず安全に走行できる理由」について聞いたところ、「劣化の早期発見・早期対処ができる(60.0%)」が最も多く、「摩耗や劣化の進行を遅らせることができる(47.4%)」「潤滑・密閉・冷却などの機能を維持できる(29.2%)」となった。

 「劣化の早期発見・早期対処」や「摩耗の進行抑制」が上位に挙がったことから、予防整備が中古自動車の安全性を支える重要な要因であることがうかがえる。車両トラブルの多くは小さな異常の蓄積によって発生するため、早期対応が安全性と寿命延長の両立につながると考えられる。

 また、「自動車整備士という立場から、中古自動車はどうあるべきだと考えるか」について質問。「適切な整備を行うことで、ユーザーに信頼や安心感を与えるべき(46.8%)」が最も多く、「安全性の担保をしっかりと行うべき(41.3%)」「自動車の故障・劣化を少なく長持ちさせるべき(40.7%)」となった。

 単に「自動車を動かす」だけでなく、「安全」と「信頼」を維持することを重視する姿勢が明確に示された。また、中古自動車が市場での価値を保つためには、整備の品質の安定と可視化が不可欠であり、それがユーザーとの信頼関係を築く要になっていると言える。


安心して利用できる中古車販売店に求められることとは?
 「安心して利用できる中古車販売店に求められるものは何だと思うか」と聞いたところ、中古自動車を保有している一般ユーザーの回答は「保証や整備体制が充実している(69.9%)」「車両状態や履歴がわかりやすく開示されている(52.3%)」「万一のトラブル時にも迅速に対応してくれる(37.4%)」が上位となった。

 一方で自動車整備士の回答は「車両状態や履歴がわかりやすく開示されている(47.2%)」「接客や説明が丁寧で信頼できる(36.4%)」「保証や整備体制が充実している(36.0%)」が上位に並んだ。

 一般ユーザーと自動車整備士の双方が「車両状態・履歴の開示」を重視しており、透明性が信頼形成の中心になっていることがうかがえる。中古車販売店には「情報開示」「アフターサポート」「丁寧な対応」という複合的な対応が求められていると考えられる。

 最後に「中古自動車を“長く安心して乗り続けられる”社会を実現するために、中古車販売店や業界にはどのような取り組みや工夫が必要だと思うか」を聞いたところ、中古自動車を保有している一般ユーザーの回答は「整備履歴や車両状態の“見える化”を進める(透明性の強化)(62.2%)」「長期保証・アフターサポートの拡充(40.4%)」「第三者機関による車両検査・品質認定の導入・普及(31.1%)」が上位となった。

 一方、自動車整備士の回答は「第三者機関による車両検査・品質認定の導入・普及(32.6%)」「長期保証・アフターサポートの拡充(32.4%)」「整備履歴や車両状態の“見える化”を進める(透明性の強化)(31.8%)」が上位に並んだ。

 どちらも「見える化」「長期保証」「第三者機関による認定」を重視しており、中古自動車市場における信頼性向上が共通課題であることが示されている。これらの結果から、中古自動車を長く安全に利用するためには、業界全体で情報の透明性を高める仕組みや、保証・品質認定の標準化を進めることが重要になるとしている。


「中古自動車の購入と販売に対する意識変化」に関する調査概要
調査期間:2025年11月13日(木)~2025年11月17日(月)
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1,011人
調査対象:調査回答時に(1)中古自動車を保有している一般ユーザー/(2)自動車整備士と回答したモニター
調査元:埼玉県中古自動車販売商工組合 JU埼玉
モニター提供元:PRIZMAリサーチ

埼玉県中古自動車販売商工組合 JU埼玉:
https://ju-saitama.com/

【あわせて読みたい】

https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/256111/

文:グーネット

関連タグ

【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

5人に1人が愛車に不満アリ?独身・夫婦・子育て世帯で違う愛車へのホンネを調査
5人に1人が愛車に不満アリ?独身・夫婦・子育て世帯で違う愛車へのホンネを調査
グーネット
「日本の小型車 = 本当にカワイイ」 トランプ発言が仕掛けた「軽」ショック! 5万ドル米国市場の価格高騰を止める特効薬は何か?
「日本の小型車 = 本当にカワイイ」 トランプ発言が仕掛けた「軽」ショック! 5万ドル米国市場の価格高騰を止める特効薬は何か?
Merkmal
「環境性能割2年停止」で自動車は本当に甦るのか? ピーク比4割減の国内市場、税軽減の効果を問う
「環境性能割2年停止」で自動車は本当に甦るのか? ピーク比4割減の国内市場、税軽減の効果を問う
Merkmal
まさかの新車価格超え!? カワサキ「Ninja ZX-10R」中古相場が高騰 SNSでも話題に
まさかの新車価格超え!? カワサキ「Ninja ZX-10R」中古相場が高騰 SNSでも話題に
バイクのニュース
「すぐ劣化する」「使い物にならない」 中古EVは本当に“二束三文”なのか? 北欧1366台調査で明らかになった「バッテリー寿命の真実」
「すぐ劣化する」「使い物にならない」 中古EVは本当に“二束三文”なのか? 北欧1366台調査で明らかになった「バッテリー寿命の真実」
Merkmal
不具合多発… 「中国製・EVバス」なぜ今リコール? 2年前から把握? 「ブレーキ欠陥」と現場が震える実態、何が起こっているのか
不具合多発… 「中国製・EVバス」なぜ今リコール? 2年前から把握? 「ブレーキ欠陥」と現場が震える実態、何が起こっているのか
くるまのニュース
日産「エクストレイル」25周年! なぜ「手頃SUV」は姿を消したのか? 高価格化と電動化の影響を考える
日産「エクストレイル」25周年! なぜ「手頃SUV」は姿を消したのか? 高価格化と電動化の影響を考える
Merkmal
中古車買取店の査定・商談を代行、MOTAが新サービス「車買取サポート」を東京都で開始
中古車買取店の査定・商談を代行、MOTAが新サービス「車買取サポート」を東京都で開始
レスポンス
2025年《冬》注目モデル購入情報『ヴェゼル』
2025年《冬》注目モデル購入情報『ヴェゼル』
グーネット
「トラクターの運転」実は命がけだった! 死亡事故率を下げる「シートベルト義務化」の現実とは
「トラクターの運転」実は命がけだった! 死亡事故率を下げる「シートベルト義務化」の現実とは
Merkmal
2025年《冬》注目モデル購入情報『フォレスター』
2025年《冬》注目モデル購入情報『フォレスター』
グーネット
メルセデス・ベンツ Cクラス(W205)前期と後期でどう違う?|輸入車の前期後期を比較
メルセデス・ベンツ Cクラス(W205)前期と後期でどう違う?|輸入車の前期後期を比較
グーネット
2025年《冬》注目モデル購入情報『セレナ』
2025年《冬》注目モデル購入情報『セレナ』
グーネット
どうなる? 軽EVウォーズ【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
どうなる? 軽EVウォーズ【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
タイヤ脱着不要でブレーキパッド残量診断、専用カメラで見える化…アドヴィックスらが新サービス開発
タイヤ脱着不要でブレーキパッド残量診断、専用カメラで見える化…アドヴィックスらが新サービス開発
レスポンス
2025年《冬》注目モデル購入情報『シエンタ』
2025年《冬》注目モデル購入情報『シエンタ』
グーネット
なぜ冬に「タイヤ脱落事故」が増える? 安全運転していても発生!? 12月が「要注意」な理由とは
なぜ冬に「タイヤ脱落事故」が増える? 安全運転していても発生!? 12月が「要注意」な理由とは
くるまのニュース
普通のカタログモデルなのに買えたら奇跡とまで言われる「ランクル70」! 最近買った人から「入手方法」を探ってみた
普通のカタログモデルなのに買えたら奇跡とまで言われる「ランクル70」! 最近買った人から「入手方法」を探ってみた
WEB CARTOP

みんなのコメント

33件
  • poc********
    新車から乗りもうすぐ20万キロです。
    見た目はモール類とワイパーアームがくたびれてたのと、ヘッドライトの黄ばみが嫌で10万キロすぎて交換しました。
    17万キロ台の時燃料ポンプ交換。
    それ以外は消耗品と定期交換部品のみです。
    最近サスペンションはヘタってきたなと素人でも分かるくらいになりました。
    しかしエンジンは相変わらず絶好調で、パワーロスも感じられなく、燃費も変わらずです。
  • a&k
    昔に比べて高額になりすぎたからだろ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村