8月23日に三重県・鈴鹿サーキットで行われた2026スーパーGT第5戦は、レース終盤の42周目に52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が130Rでコースアウトし、車速が高いままスポンジバリアに激突し横転するクラッシュの末、セーフティカー(SC)ランでチェッカーを迎えた。
第4戦富士で今季初勝利をあげ、選手権リーダーとして第5戦に臨んでいたGreen Brave GRスープラは、予選13番手から決勝レースをスタート。第1スティントの野中がライバルよりも長いスティントを走って首位に立ち、迎えた29周目のピット作業で前2輪交換を実施。6番手からポイント圏内を争う展開を迎えていた。
PACIFICウマ娘BMWがチーム&ドライバー初勝利。レースはGreen Braveスープラの横転クラッシュでSC終了【GT300決勝レポート】
しかし、終盤に差し掛かる41周目のデグナーカーブでふたつめのブレーキングで背後から、イゴール・オオムラ・フラガが乗るModulo HRC PRELUDE-GTの接触を受けてハーフスピン。グラベルに飛び出したのちすぐにコースに復帰できたものの、ヒットされた右リヤから振動が出始めたために緊急でピットインを行った。
右リヤタイヤのみを交換してコースに復帰したが、吉田はアウトラップの130Rでクラッシュを喫することに。 現場にはすぐにオフィシャルとFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)が到着し、52号車Green Brave GRスープラをドライブしていた吉田を救出。中継映像でも吉田が自分の足で歩く姿が確認されており、その後のメディカルチェックもクリアしているが、マシンは深刻なダメージを負った。吉田が状況を振り返る。
「(Modulo HRC PRELUDE-GTから)接触を受けた後にクルマのフィーリングが変わり、マシンとタイヤのどちらにダメージが及んだのかは分かりませんが、とにかく振動がひどい状態で、右リヤタイヤを交換してもらいました」
「アウトラップで振動は落ち着いたのですが、それでも1輪交換でバランスが変わってしまったようで、まっすぐ走るのが難しい状態になっていると気づきました」
「まだ詳細なオンボード映像を見られておらず、マシンの状態も確認できていないので詳細は分からないのですが、それでもマシンの状態を考慮して自分なりに気をつけながら走っているつもりではありました」
「ただ、右リヤタイヤの内圧が足りない状態ではあったと思うので、右リヤの車高が下がるような姿勢でコーナー(130R)に入っていったと思います。ターンインからもうコントロールできない状態になってしまい、何もできずに右フロントからスポンジバリアに突っ込んでしまいました。縦にひっくり返ったような状態で、途中からはもうどうなったのかまったく分かりません」
吉田自身、ここまで大きなクラッシュは初めてだったというが「身体は全然無事です」とのこと。マシンのGセンサーが反応したため、メディカルチェックで診察を受けて数分間の安静を経て、チームのもとに戻って元気な姿を見せた。それでも、「無理して走っていたわけではないのですが、すでに後退してポイント争いから脱落していたわけですから、(今回のクラッシュは)自分で防げる部分もあったのではないかと思います」と肩を落としていた。
気になるマシンのダメージだが、右前からスポンジバリアに衝突し、反動で横転してルーフから落下、1回転して着地したことで、マシン全体に衝撃が加わった。
回収された車両は破損の影響でエアジャッキが上がらず、底を擦ってタイヤを転がしてガレージに運ぶことも難しい状態となってしまったため、チームにとってもすぐには確認が取れずにいた様子。完走車両のパルクフェルメが解放された後ガレージに戻され、18時ごろから確認が進められている。
それでも、クラッシュから回収された段階のマシンを確認した時点でメカニックらの空気は重く、チームからは今季のシーズン参戦が危ぶまれるほどの深刻なダメージの可能性を話す声も聞こえてきていた。
GT300のGTA GT300クラス車両は、ほとんどのパーツがワンオフで作り上げられていることもあり、モノコックやフレームなどの基幹部品に損傷が及べば廃車となってしまう。GT500のようにモノコックの無事とメーカーからのパーツ供給があれば復旧できるというものではない。
さらに埼玉Green Braveのマシンは、全体にわたってチームの開発部品が使用されているため、スペアパーツの余裕がほとんどないワンオフ車両と言っていい。Green Brave GRスープラの外板にはすでに大きな衝撃が加わっており、内部にもダメージが及んでいるため、その修復は決して簡単な仕事ではない。次のレースは9月19~20日にスポーツランドSUGOで行われる予定だが、チームからの続報を待ちたい。
[オートスポーツweb 2026年08月23日]
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