フォーミュラEの2021-2022シーズン第10戦マラケシュePrixの決勝レースが行なわれた。優勝したのはエドアルド・モルタラ(ベンチュリ)で、今季3勝目となった。
全16戦で行なわれる今季のフォーミュラEも既に後半戦に突入しており、第10戦の舞台はモロッコのマラケシュ。予選ではアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチータ)が今季初ポールポジションを獲得し、ランキング3番手のモルタラが2番グリッド、ランキング2番手のジャン-エリック・ベルニュ(DSテチータ)が3番グリッドを確保した一方で、ポイントリーダーのストフェル・バンドーン(メルセデス)が20番手に沈む波乱の展開となった。
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レース距離は45分+1周。今回はその中で3分のアタックモードを2回使用する義務がある。
スタートではポールシッターのダ・コスタが順当にトップをキープし、モルタラ、ベルニュがグリッド順通りに続いた。一方で4番グリッドスタートのパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)はペースが上がらず、必死の防戦を見せるもののポジションを落としていった。
レースは序盤から動きを見せた。開始5分を過ぎたタイミングでDSテチータの2台、ダ・コスタ、ベルニュが早くも1回目のアタックモードを発動。ただ時間差でモルタラもアタックモードを起動したため、トップ3のポジションが変わることはなかった。なおレース序盤には、8番手スタートのニック・キャシディ(エンヴィション)がコースアウト側のアタックモード検知ゾーンを通過しようとしてスピンを喫する場面もあった。
そしてレース時間が35分残っている段階で、ダ・コスタは2度目のアタックモードに入った。発動に際して一旦モルタラに首位を譲ったが、アタックモード中にポジションを取り返すことはできず、これでレースリーダーはモルタラに変わった。
モルタラを先頭にレースが進んでいく中、ライバルよりもアタックモード発動のタイミングを遅らせたミッチ・エバンス(ジャガー)が一気に2番手までジャンプアップ。レースが折り返しを迎えたタイミングでは、モルタラ、エバンス、ダ・コスタ、オリバー・ローランド(マヒンドラ)、ベルニュというトップ5となった。
しかし、ここまでエネルギー残量をうまくコントロールしていたDSテチータ勢がギヤを上げていく。ダ・コスタはエバンスを抜いて2番手浮上、ベルニュも接触の影響でフロントのフェンダー、ノーズなどにダメージがありながらも、3番手までポジションを取り戻してきた。
そして残り10分が迫るタイミングで、DSテチータはドライバーズタイトルを争うベルニュを、ダ・コスタの前に出すことを決断。ポジションスワップのチームオーダーを出し、ベルニュが2番手に上がってモルタラを追いかけたが、今ひとつペースが上がっていかない。そのため、残り5分で再度ポジション入れ替えを行ない、ダ・コスタがモルタラを攻め立てる展開となった。
しかしモルタラはダ・コスタを寄せ付けず、トップでチェッカー。昨年はランキング2位で惜しくもタイトルを逃したモルタラが、今季3勝目、4戦連続の表彰台で選手権リーダーに浮上した。2位はダ・コスタ、3位は最終盤にベルニュをパスしたエバンスだった。
ポイントランキングはモルタラが139ポイントでトップに浮上。2番手は128ポイントのベルニュ、3番手は125ポイントのバンドーン、そして4番手は124ポイントのエバンスと、上位4人が僅差で続く中、ニューヨーク、ロンドン、ソウルでの終盤3大会(6レース)を迎える。
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