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そのスポーツカーはクルージングフィールまで手に入れていた

デビュー当時はクイックなハンドリングが持ち味のスポーツカーであるという印象だったヴァンテージ。ところが、高速道路が中心の京都までのロングドライブで、洗練されたグランドツーリングカーになっていることを確信した。一体、何が変わったのだろうか? そのハンドリングパフォーマンスは? 京都の北と南の山間を駆け巡り、ヴァンテージの“今”を検証した。

以前より洗練されたグランドツーリングカーに

スポーティへと変化した2代目コンパクト

ヴァンテージという語感から、何やらつい勇ましい存在を思い浮かべてしまいそうになる。確かにアストンマーティンの車名には、征服を意味するその名も“ヴァンキッシュ”という猛々しいネーミングもあったけれど、ヴィラージュやヴォランテといったラテン語系の名前もいくつかあって、意味するところはさほど厳ついわけじゃない。

ヴァンテージもまたフランス語の“アヴァンタージュ”が語源であり、簡単に推測できるようにテニスで使う“アドヴァンテージ”と同じような意味で、優勢であることを示す名詞だ(フランス語で~ageとなれば名詞である)。アストンマーティンラインナップの中では最も小さなボディサイズのクーペ&スパイダーにV8を積んだモデルをヴァンテージと呼び始めたのは05年デビューの先代モデルからだが、GTカーとしてのみならず、スポーツカーとしても“優生”であることをアピールしたかったのであろう。

実際に最新のヴァンテージは、ラグジュアリィGTが本流本筋のモダンアストンシリーズにあって、スポーツカー的テイストがことのほか強く出ているモデルではあった。少なくとも18年のデビュー当初は…。

以前、アストンマーティンの歴代モデルを乗り継いでイギリスからフランスまでドライブしたことがあった。その時もヴァンテージだけはクイックなハンドリングが持ち味のスポーツカーであるという印象が強く残った。トランスアクスルレイアウトとしたことで、フロントミドシップながら前輪が遠すぎず、手の内にフロントアクスルがちゃんとあって、それゆえ多少シャープに過ぎたとしても遠慮なく攻め込んでいけたものだった。

京都までのドライブは高速道路が主で、ハンドリングを楽しむなどという場面はほとんどない。せいぜい京都で過ごす間にいつものホーム“ワインディング”コース(嵐山高雄パークウェイ)に繰り出す程度である。クイックに動くという印象が強く残っていたので、道中の長距離ドライブには少し不安があった。

ところがどうだ。予想に反して、というか、以前に比べて、ずっと洗練されたグランドツーリングカーになっていた。海老名SAを越えたあたりで、「これなら京都まで快適だ」と確信したのだった。

クルージングフィールは兄貴分たちに見劣りしない

一体何が変わったのだろう。生産台数をこなしていくなかで車体の造り込み精度が上がり、初期よりも開発の目標レベルにうんと近い製品になる、というのはこの手のスポーツカーや高級車の場合、よくある話。けれども、それだけではなさそうだ。発表されていないランニングチェンジがあったのは確実で、おそらく足回りのセッティングも変わっているのだろう。

デビュー当初に比較的スパルタンな印象だったモデルは、年々マイルドになっていく傾向がある。モデルキャラクターのイメージが確立するのはデビューしたての頃。それゆえマーケティング上で狙ったキャラクター、このヴァンテージであればリアルスポーツカーとGTの融合、を強調したアレンジのモデルが登場することは珍しくないのだ。

高速道路をヴァンテージのなかでは最も穏やかなドライブモード“スポーツ”で走る。はっきりと分かるような継ぎ目を越える時、以前のヴァンテージならボディ骨格の“硬さ”をダイレクトに感じてしまうようなところがあった。ところが今回、京都にお持ち帰りした個体では、クルマ全体から一切の力みが抜かれていた上で、ショックをしなやかに吸収するだけの懐の深さがあった。

つまり、そのクルージングフィールは兄貴分たちに決して見劣りしないレベルにあると言っていい。

スリリングなハンドリングパフォーマンスも捨ててはいない

フロントタイヤも落ち着きはらっている。パワーステアリングのフィールも自然な感覚で中立付近を抑え込んでおり、安心してクルーズできる。ドライバーの操舵入力に対するクルマの動きも自然な反応というべきもので、思いより先にノーズが動くようなことがない。

ならば単なる快速ツアラーに成り果てたと言っていいのか。そうでないことは、京都の北と南の山間を駆け巡って確認できた。スポーツ+、もしくはトラックモードでは、ヴァンテージらしいニンブルさが蘇るのだ。ドライバーがヤル気になっていてはじめて対応できる類のスリリングなハンドリングパフォーマンスを、決して捨ててはいなかったのだった。

V8エンジンのパフォーマンスそのものに何の不満もない。今となっては驚くほどのスペックでないことがかえって、ドライバーに踏む勇気を与えてくれる。トランスミッションの変速がもう少し迅速であれば、と思う場面もあったが、大トルクバンドの広いターボエンジンがその瑕疵を少なからずバックアップしてくれた。

FRのスポーツカーでありながら、見事な重量バランスとパッケージのおかげで、さほど苦労なく振り回して攻め込める。ヴァンテージ本来の魅力もまた健在というわけだった。

文・西川 淳 写真・橋本玲 編集・iconic

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