現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > フォード・マスタングが躍動。ペインが2勝、モスタートも今季初勝利/RSC第3戦NZ

ここから本文です

フォード・マスタングが躍動。ペインが2勝、モスタートも今季初勝利/RSC第3戦NZ

掲載
フォード・マスタングが躍動。ペインが2勝、モスタートも今季初勝利/RSC第3戦NZ

 恒例のF1グランプリ併催イベントを経て、海を渡ったRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの一行は、ニュージーランドのタウポ・モータースポーツパークに上陸。4月11~13日に第3戦『ITMタウポ・スーパー440』が開催され、フォード陣営の第7世代マスタング“Gen3”が躍動する週末に。

 予選から“伏兵”マット・ペイン(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)と、古豪ディック・ジョンソン・レーシング(DJR)移籍の2023年王者ブロディ・コステッキ(シェルVパワー・レーシング・チーム/フォード・マスタング)が先行すると、初戦レース1と最終レース3はそのペインが。レース2ではチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)が今季初優勝を飾っている。

F1併催戦は王者T8の鉄壁1-2に対し、伏兵が応酬。最終ヒートは中止に/RSC第2戦

 前戦3月中旬にアルバートパークで開催されたF1併催スプリントでは、名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)が週末4戦中2ヒートでワン・ツーを達成する盤石の強さを披露。来季のフォード陣営スイッチを前にGMシボレーとの勝利数を積算する結果となったが、そのGMシボレーは第3戦ニュージーランドでのレースウイークに、RSCに於ける新たなホモロゲーションチームとしてチャーリー・シュワルコート率いるチーム18を正式に指名した。

「本日はこのチーム18にとってエキサイティングな新たな章の始まりだ。大きな責任を担うことは間違いないが、我々にはそれを成し遂げるチーム、マシン、そして才能が揃っていると信じている」と決意表明したシュワルコート代表。

「GM(ゼネラルモーターズ)とシボレー・レーシングが強力な組織であるのには理由がある。あらゆるレベルの関係者が、我々のチームを温かく迎え入れてくれたことを心から感謝している」

 そのチーム18は2015年からGMの車両を投入しており、現在は2台のカマロZL1で選手権に参戦している。

「世界中で展開するGMのモータースポーツ活動は3つの要素によって支えられている。情熱的なカスタマーとファンの皆様、最先端の技術革新、そして素晴らしい人材だ」と続けたのは、GMのグローバル・モータースポーツ・コンペティション部門でエグゼクティブディレクター職にあるエリック・ウォーレン。

「スーパーカーであろうと、シボレーが世界中で参戦する他のレースシリーズであろうと、我々は勝利だけを目指している。チーム18、そしてシボレー・カマロを駆るすべてのチームとあらゆる形態で協力し、その目標を達成できることを楽しみにしている」

 そんなGMシボレー陣営の意気込みとは裏腹に、ここタウポの週末はフォード陣営が優位性を見せつける展開となり、土曜のレース1とレース2に向けた予選では、ペインとコステッキがそれぞれトップ10シュートアウトを制し、週末最初のポールポジションを獲得した。

「ああ、2回の予選セッションはどちらもかなり良いタイムで、どちらもほぼ同じタイムだったから、僕らペンライト・レーシングのフォード・マスタングはなかなか調子が良かったよ」と、昨年のここタウポ以来、自身3度目のポールポジションを獲得したペイン。

 一方、フォード移籍後初のポール獲得となったコステッキも「この結果には興奮している」とマスタングへの手応えを口にした。

「最後のラップはクリーンではなかったが、タイヤが2セットしかない分、少しは良くなったと思う。予選に向けタイヤセットを温存できたのは良かった。今週末はディック(・ジョンソン御大)とドクター(ライアン・ストーリー代表)がここにいないから、皆きっとソファで観戦しているだろう。今日は良いグリッドポジションを獲得できたし、それを活かしていきたいね」

 そのままオープニングヒートで先頭発進を決めたペインは、リードを維持して背後のセーフティカー(SC)発動の混乱にも動じず。キャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)とライアン・ウッド(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)を率いて“マスタング表彰台”を完成させることに。


■「ああいう結末にはなりたくなかった」

 続くレース2では、スタートでポールシッターのコステッキに先行したモスタートが地力を見せると、ピットストップではドラマが勃発。コステッキはピットイン時にタイヤバリアに接触し、モスタートはクルーの意図しない角度でダイブしたため、両者とも貴重なタイムを失ってしまう。

 それでも残り17周でトップを奪取したモスタートがDJR艦隊を従えてチェッカーを受け、カーナンバーもカラーリングも、ドライバーも異なる連続“マスタング表彰台”を継続させた。

「今日は本当に特別な日だ! 予選は好調で、決勝に向け充分なスピードがあることは分かっていた」と、昨年7月のタウンズビル以来の優勝を果たしたペイン。

「良いスタートを切るだけで充分だった。そして、それができたんだ。最初のスティントは本当に好調で、SCが出ないことを願っていたのだけど、他のみんながピットインしたときに自分ひとりしかいなくて、ちょっと怖くなった。『ああ、こんなことが起こるなんて』ってね」

「でも、インラップで観客が拍手喝采しているのを見て、本当に信じられなかったよ。今日のペンライト・フォード・マスタングはかなり速かった」

 一方、激しい首位攻防の末にシーズン初勝利を手にしたモスタートは、対照的に「すごくタフな戦いだった」と振り返った。

「スティントの開始時と中盤はペースがすごく良かったんだけど、ちょっとタイヤのグリップが足りなくなってしまったんだ。ピットストップ後は、彼(コステッキ)と本当に激しく戦わなければならないことは分かっていた」と続けたモスタート。

「ターン4に進入しようとした際、彼が急激に右に出てくるとは思っておらず、こちらはすでにノーズが出ていた。ああいう結末にはなりたくなかったが、その後、彼がノーズを僕にぶつけてきたので『よし、これでフェアだ』と思った(笑)」

「もちろん、彼はリヤ周りに少しダメージを受けていたし、あんな風にレースをするのは避けたいところだが、粘り強く勝利を掴むことができてうれしいよ」


■人生で最高の週末に

 明けた日曜も予選トップ10シュートアウトでは「チーム全員がようやくまとまり始めたところだと思う」と語ったコステッキが連続ポールポジションを獲得。移籍後の初勝利が期待されるなか、6番グリッドからスタートしたペインが波乱に満ちたオープニングラップで力強い進捗を見せることに。

 コステッキはポールポジションからアントン・デ・パスカーレ(チーム18/シボレー・カマロ)を抑えてターン1に進入するも、両者ともにミスを犯して後続のドライバーに翻弄され、コステッキは3番手発進のウッドにもヒットされてしまう。

 これで4番手スタートのキャメロン・ヒル(マット・ストーン・レーシング/シボレー・カマロ)とペインが先頭に躍り出ると、8周目にペインがヒルをかわして首位へと浮上。ピットストップが完了する時点でペインは余裕のリードを保ち、3秒差で週末2度目の勝利を収めた。

「本当に特別な……信じられない気持ちで、言葉が出ないほどだ」と自身のキャリアでも“ブレイクスルー”と言える結果を残したペイン。

「自信を持って言えるのは、間違いなくモータースポーツ人生で最高の週末だったということだ。個人的な意見だが、おそらくもっとも充実した週末だったと言えるだろう」と安堵の笑顔を浮かべたペイン。

「本当に長いレースだった。先頭を走っている時間も長かったし、これは絶対にやり遂げなければならないことだと分かっていたが、言葉が出ないほどだ。本当にクールだ。チームはこのラウンドの前に本当に懸命に準備を整え、そして本当にうまくやり遂げた。おそらく明日には実感が湧いてくるだろうね」

 これでペインがランキング首位と46ポイント差の3位に躍り出た2025年のRSCシーズンは、オーストラリアに帰還しながらも引き続き島部開催となるタスマニア州へ。5月9~11日にシモンズ・プレイン・レースウェイにて第4戦『タスマニア・スーパー440』が開催される。

[オートスポーツweb 2025年04月17日]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フェルスタッペンとの勝負に弱すぎるノリス。対ピアストリでは明るい兆し【独自選出:F1第6戦ベスト5ドライバー】
フェルスタッペンとの勝負に弱すぎるノリス。対ピアストリでは明るい兆し【独自選出:F1第6戦ベスト5ドライバー】
AUTOSPORT web
“内輪揉め”の末にビョーク先勝も、ホンダで最速ポール奪取のグエリエリが連勝発進/TCR WT開幕戦
“内輪揉め”の末にビョーク先勝も、ホンダで最速ポール奪取のグエリエリが連勝発進/TCR WT開幕戦
AUTOSPORT web
新世紀SUVシリーズが幕開け。復帰ミツビシの『エクリプスクロス』席巻でフラーガ完勝/SCB開幕戦
新世紀SUVシリーズが幕開け。復帰ミツビシの『エクリプスクロス』席巻でフラーガ完勝/SCB開幕戦
AUTOSPORT web
BJRが来季トヨタ陣営へのスイッチを表明。強豪T8のフィーニー連勝で選手権首位浮上へ/RSC第4戦
BJRが来季トヨタ陣営へのスイッチを表明。強豪T8のフィーニー連勝で選手権首位浮上へ/RSC第4戦
AUTOSPORT web
ラーソンが自身初のフルポイント完全制覇。予選最速から61点を稼ぎ出し今季3勝目/NASCAR第12戦
ラーソンが自身初のフルポイント完全制覇。予選最速から61点を稼ぎ出し今季3勝目/NASCAR第12戦
AUTOSPORT web
アルゼンチンでもSUV新時代が始動『カローラクロス』が予選を制し1-2で初勝利/TC2000開幕戦
アルゼンチンでもSUV新時代が始動『カローラクロス』が予選を制し1-2で初勝利/TC2000開幕戦
AUTOSPORT web
6号車ポルシェが逆転勝利で7号車の連勝ストップ。BMWの連続ポールは継続中/IMSA第4戦
6号車ポルシェが逆転勝利で7号車の連勝ストップ。BMWの連続ポールは継続中/IMSA第4戦
AUTOSPORT web
レクサス初ポールへの貢献/“最遅”ロッシの言い分/シューマッハーにプレッシャーetc.【WECスパ予選日Topics】
レクサス初ポールへの貢献/“最遅”ロッシの言い分/シューマッハーにプレッシャーetc.【WECスパ予選日Topics】
AUTOSPORT web
俊足ファントールを欠くマグヌッセン陣営。スパは「実力を示すチャンスになる」
俊足ファントールを欠くマグヌッセン陣営。スパは「実力を示すチャンスになる」
AUTOSPORT web
6戦目でラッセルを超えた18歳アントネッリ。その抜群のスピードセンスへの見解【中野信治のF1分析/第6戦】
6戦目でラッセルを超えた18歳アントネッリ。その抜群のスピードセンスへの見解【中野信治のF1分析/第6戦】
AUTOSPORT web
迫るアルピーヌに動じず、フェラーリがチーム力で連勝伸ばす。トヨタは戦略駆使し予選下位から挽回【WECスパ決勝レポート】
迫るアルピーヌに動じず、フェラーリがチーム力で連勝伸ばす。トヨタは戦略駆使し予選下位から挽回【WECスパ決勝レポート】
AUTOSPORT web
失意の“失格処分”から不死鳥の復活“撃”。ロガーノが起死回生の今季初勝利/NASCAR第11戦
失意の“失格処分”から不死鳥の復活“撃”。ロガーノが起死回生の今季初勝利/NASCAR第11戦
AUTOSPORT web
大量得点のチャンスを逃し「あってはならないミス」と苛立つプジョー。新車の必要性は意見割れる
大量得点のチャンスを逃し「あってはならないミス」と苛立つプジョー。新車の必要性は意見割れる
AUTOSPORT web
中上貴晶、6位獲得とザルコの勝利に歓喜「全く予想外の結果だけど最高のご褒美」/第6戦フランスGP
中上貴晶、6位獲得とザルコの勝利に歓喜「全く予想外の結果だけど最高のご褒美」/第6戦フランスGP
AUTOSPORT web
【角田裕毅を海外F1解説者が斬る】フェルスタッペンのナンバー2を務めるのは楽じゃない
【角田裕毅を海外F1解説者が斬る】フェルスタッペンのナンバー2を務めるのは楽じゃない
AUTOSPORT web
逆襲のBMW、王者ヒルがライト・トゥ・フラッグ達成。僚友2名も初優勝/BTCC第2戦
逆襲のBMW、王者ヒルがライト・トゥ・フラッグ達成。僚友2名も初優勝/BTCC第2戦
AUTOSPORT web
開幕5連勝目指すトヨタWRC。夏用に新導入のシルバーカラーは「温度が下がり快適性も向上するはず」
開幕5連勝目指すトヨタWRC。夏用に新導入のシルバーカラーは「温度が下がり快適性も向上するはず」
AUTOSPORT web
ブエミの決断はル・マン後に/代役候補は中山雄一?/50号車フェラーリの敗因etc.【WECスパ決勝後Topics】
ブエミの決断はル・マン後に/代役候補は中山雄一?/50号車フェラーリの敗因etc.【WECスパ決勝後Topics】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村