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ライトウェイトスポーツの極地! ロータス 3-イレブンのポテンシャルをサーキットで測る 【Playback GENROQ 2018】

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ライトウェイトスポーツの極地! ロータス 3-イレブンのポテンシャルをサーキットで測る 【Playback GENROQ 2018】

LOTUS 3-ELEVEN

ロータス 3-イレブン

ライトウェイトスポーツの極地! ロータス 3-イレブンのポテンシャルをサーキットで測る 【Playback GENROQ 2018】

究極のロータス

2017年4月号で行った田中哲也選手によるFSWアタックでは、プロトタイプモデルということもあり、本来の性能を出しきれなかった3-イレブン。全世界で311台となる限定モデルの納車がスタートしたところで、改めて量産バージョンでのFSWアタックを行い、そのポテンシャルを確かめた。

「再びFSWで3-イレブンをテストするチャンスがやってきた」

昨年の4月号で掲載した3-イレブン・テストドライブ。試乗を終えた、田中哲也はこう締めくくっている。

「3-イレブンの生産型が入ってきたら、もう一度FSWを走らせてみたいですね。できればXトラック製シーケンシャルシフトが付いたレース仕様がいい」

彼がそう言ったのには理由がある。実はこの時の試乗車は、2016年にニュルブルクリンクで市販車最速タイムを記録した個体そのもので、Hパターンの6速MTをもつロードバージョンを基本としながらも、レース仕様と同じ466psのエンジンなどを搭載したプリプロダクションモデルだったからだ。しかも周回数も限られていたため、タイム計測を行うまで走りこむこともできなかった。

あれから1年。ようやく生産型のデリバリーが始まったこともあり、再びFSWで3-イレブンをテストするチャンスがやってきた。用意されたのは最高出力416ps、最大トルク410Nmを発揮する3.5リッターV6スーパーチャージャーを搭載したロードバージョンで、タイヤはオプションで装着されるミシュラン・パイロットスポーツカップ2を履く。

「比べものにならないくらいシャシーもエンジンも2-イレブンから進歩」

余談ながら、466psユニットにXトラック製の6速シーケンシャルシフト、フルロールケージを組み込んだレース仕様は日本に1台しか上陸しない予定だという。ロータス 3-イレブンは2015年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで発表された311台限定のスペシャルモデルだ。そのベースとなったのはエキシージだが、その根底には2007年にデビューした2-イレブン同様「ロータス・イレブンのような本格的なクラブマンレーサーを造ろう」というロータス開発陣のエンスージアズムが色濃く流れている。

「これまで色々なロータスに乗ってきましたが、3-イレブンも昔からのロータスと挙動が同じですね。ハコとフォーミュラの中間というのかな。乗り味はKTM クロスボウより俄然シャープ。誰が乗っても楽しいクルマじゃないけど、ロータス好きにはたまらないでしょうね。これに似たものはロータスしかないって感じです」と、田中のファーストインプレションは上々だ。今回はタイヤの空気圧を調整した以外、足まわりやリヤウイングまでまったくの市販仕様のセッティングでテストを行ったのだが、手元の計測で1分53秒5のベストラップを記録した。これはエキシージのカップ仕様と同等のタイムである。

「基本的な印象は、前回と大きく変わりません。ものすごく改造して煮詰めた2-イレブンと3-イレブンのストックの状態が同等という感じで、比べものにならないくらいシャシーもエンジンも2-イレブンから進歩しています」

「メーター読みで260km/h。416psでもツキはいいし、これで十分」

一方、ロード仕様のエンジンの印象はどうだろうか。

「確かに466ps仕様は吹けも鋭くて良いエンジンでしたが、これでもメーター読みで260km/h出ていますからね。416psでもツキはいいし、これで十分だと思います。今このクルマを楽しんでいくなら、エンジンパワーよりもシャシーのセッティングを煮詰めていったらもっと面白いだろうなという印象です」

そこで田中が口にしたのは、攻め込んだ際の3-イレブンの挙動だ。

「100Rとか高速コーナーでアクセルを踏んでいくと、リヤが急に出るんです。その動き自体はエリーゼとも似ているんですが、なにせ速度域が速いので、足のセッティングを煮詰めたいところですね。あともうひとつ難しいのはABS。プリウスコーナーとか最終コーナーなどでブレーキを奥で踏んで残していこうと思うと、ABSが介入して真っすぐいってしまう。例えばこの状態でレースをすると、コーナーでインを差した時にABSが介入して、本人にその気がなくても曲がらずに当たってしまうことも考えられます。実際458チャレンジではそういうケースが多かったですから」

「セッティングを変えていけばFSWで1分50秒台が見えてくる」

ただし、これはあくまでサーキットを攻めた時の話であって、3-イレブンで公道を走ることを考えると、ABSやトラクションコントロールは必要な装備だと付け加える。

「個人的にはない方が楽しく走れるけれど、アクセルを踏むとリヤが出るんでトラコンを入れた方が安全に走れます。また調整の幅がかなりあるので、自分や路面のコンディションに合わせて上手く調整して使うのが有効でしょう」

その上で田中は、3-イレブンのポテンシャルをこう結論づける。

「直進安定性もいいですし、ダウンフォースに関しては2-イレブンより遥かに大きく、前後のバランスも問題なくフロントが浮く感じもない。セッティングを変えていけばもっと良くなる。ABSがなければ素の状態でも52秒前半はいくと思いますし、タイヤなども替えていったら確実に50秒台が見えてくるでしょう」

TESTER/田中哲也(Tetsuya TANAKA)
TEXT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
PHOTO/田村 弥(Wataru TAMURA)

【SPECIFICATIONS】

ロータス 3-イレブン(ロードバージョン)

ボディサイズ:全長4120 全幅1855 全高1201mm
ホイールベース:2370mm
トレッド:前1493 後1539mm
乾燥重量:925kg
エンジン:V型6気筒DOHCスーパーチャージャー
ボア×ストローク:94×83mm
総排気量:3456cc
最高出力:306kW(416ps)/7000rpm
最大トルク:410Nm(41.8kgm)/3000rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(リム幅):前225/40ZR18(7.5J) 後275/35ZR19(9.5J)
最高速度:280km/h
0-100km/h加速:3.4秒
車両本体価格:1495万8000円

※GENROQ 2018年 5月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。

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みんなのコメント

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  • 1956年、その後のロータス車のネーミングの語源にもなった「Eleven」
    2007年、エリーゼシリーズから発展したトヨタエンジン搭載の「2-Eleven」
    そして2015年、トヨタV6エンジン搭載のエキシージから発展した「3-Eleven」
    ロータスの激走の歴史を彩ってきた3代のオープンコクピットマシン

    …しかし、今やEVハイパーカーの開発に大きく舵を切ったロータス
    こうしたクローズドボディのクルマにない、限りない解放感と刺激に満ち溢れた
    マシンは、もう造ることは無いのかもしれませんね…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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