2025年F1第10戦カナダGP。比較的静かなスタートを迎えたカナダGPは、10周を過ぎたあたりからタイヤ戦略をめぐるやり取りが増えた。アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)はミディアムタイヤで引っ張る戦略に不満を漏らし、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は戦略の見解が一致せずにいた。カナダGP前半を無線とともに振り返る。
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新人アントネッリが3番手を守り抜き初表彰台「ずっと欲しかった。みんなありがとう」【F1第10戦無線レビュー(2)】
カナダGP決勝レースは、路面温度が50度を超えるコンディション下で始まった。ポールシッターのジョージ・ラッセル(メルセデス)がホールショットを決め、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリがオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を攻略して3番手に上がる。後方では9番手スタートのアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がフランコ・コラピント(アルピーヌ)に押し出される形で、12番手まで順位を落としてしまう。
ジェームズ・アーウィン(→アルボン):タイヤの内圧は問題ない。しばらくチェックを続ける。
その間隙を縫って、ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)が11番手からふたつ順位を上げた。
スティーブン・ペトリック(→ヒュルケンベルグ):いいぞ、ニコ。P9だ。前はルクレールとノリス。ふたりともハードタイヤだ。すぐ後ろはコラピントだ。
3周目、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を珍しいトラブルが襲った。
ガスリー:ブリッジから水が降ってきた。誰かがふり撒いたみたいだ。カレル・ルース:了解。
確かにリプレイ映像では、何か水が降ってくるのが見える。
ミディアムタイヤでスタートした上位6人は、タイヤの変化に最新の注意を払いながら周回を重ねていた。
9周目ピアストリ:フロントのデグラデーションはFP2よりいい。リヤはそれより悪いね。
オーバーステア傾向になっているということだ。
7番手ランド・ノリス(マクラーレン)は、先行するフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にみるみる迫っていた。
10周目クリス・クローニン(→アロンソ):DRSを失った。後ろはみんなハードだから、もうちょっと引っ張る必要があるね。
そのやり取りの直後、ノリスがアロンソを抜いて6番手に上がった。
ウィル・ジョゼフ(→ノリス):いいぞ。次のターゲットは(ルイス・)ハミルトン、3秒5前方だ。
8番手シャルル・ルクレールは、ハードタイヤの感触が気に入っていない。
ルクレール:このタイヤ、よくない。ブライアン・ボッツィ:ミディアム勢も、同じデグラデーション状態だよ。
そのミディアムを履く2番手マックス・フェルスタッペン(マクラーレン)は、タイヤマネージメントに手こずっていた。
ジャンピエロ・ランビアーゼ:タイヤはどうだ。フェルスタッペン:よくない。すごく壊れやすい感じだ。
10周目を過ぎたあたりから、アルボンのパワーユニット(PU)に問題が出始めた。
12周目アーウィン(→アルボン):バルセロナと同じくPUをモニターしている。あの時ほど悪くないが。
12周目以降、ミディアム勢が続々と最初のピットインに向かった。17番手を走る角田裕毅(レッドブル)はトレインから抜け出せずにいた。
13周目リチャード・ウッド(→角田):君のハマってる渋滞の先頭は(アイザック・)ハジャーだ。ミディアム勢は、苦しみ始めてる。
ローラ・ミュラー:バランスはどう?オコン:すごくいいね。
そういうと、オコンはアジャを抜き去っていった。
ミディアム勢のピットインで、ノリスは14周目には3番手まで順位を上げていた。
ジョゼフ:(首位の)ラッセルがピットインした。プランAで行く。凄いレースを期待しているぞ。ノリス:わかった。でも左フロントにささくれが出始めてる。
プランAはハード→ミディアム→ハードの2ストップ戦略か。ノリスは直後にルイス・ハミルトン(フェラーリ)を抜いて、2番手まで上がった。
ミディアムを引っ張っているアルボンは明らかにペースが落ちていた。
21周目アルボン:どうして僕のいうこと聞いてくれないんだ。イラつくんだけど。
アルボンは23周目まで引っ張ってピットイン。その代償は大きく、最後尾まで後退した。この時点で2番手まで上がっていたルクレール陣営も、ドライバーとエンジニアの間でなかなか見解が一致しない。
24周目ボッツィ:プランBだ。ルクレール:プランCだよ!ボッツィ:了解。
28周目ボッツィ:チャールズ、ボックスだ。ボックスして、ハードに替える。(フロントウイングの)フラップも調整する。ルクレール:この選択、理解できないよ。タイヤは大丈夫だよ。
その後、ルクレールは、こう文句を言い出した。
31周目ルクレール:どうしてボックスしたんだ。ボッツィ:プランBだ。ルクレール:でもタイヤは大丈夫だって言ってたじゃないか。
28周目のピットインタイミングが、ルクレールには明らかに不満げだった。
アロンソはようやく入賞圏内の10番手まで順位を戻し、同国人のカルロス・サインツ(ウイリアムズ)を猛追していた。
クローニン:ターン3と8は、もっと優しく入ろう。アロンソ:俺たちはレースをしているんだ。テストじゃない。
タイヤの性能劣化が気が気でない担当エンジニア。アロンソはおかまいなしに攻め続け、33周目にはサインツを抜き去っていった。
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F1第10戦無線レビュー(2)に続く
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