5月3~4日に富士スピードウェイで2025年シーズンの開幕を迎えるFIA-F4選手権は、土曜日と日曜日で3レースが開催され、エントリー台数は49台に上る。今季もワンメイクレースならではの接戦が予想されるシリーズに挑む3名の女性ドライバーに話を聞いた。
■三浦愛がFIA-F4初参戦「自身とチームMを成長させるため」
開幕戦3台マルチクラッシュの修復状況と第2戦富士でのGT500クラス注目ポイント【第2戦プレビュー】
まずひとりめは、2014年から2019年まで全日本F3選手権Nクラスに参戦し、2014年第2戦で女性ドライバー初優勝を挙げ、2020年にはVITA/KYOJO CUPでダブルチャンピオンを獲得している三浦愛だ。意外なことに、彼女にとって今季が初めてのFIA-F4挑戦となる。
「ドライバーだからという理由だけではなく、自分の『チームM』を立ち上げたので、チームをステップアップさせて、成長させるために参戦を決めました」と経緯を語る三浦。
「とくに今年はKYOJO CUPの車両がフォーミュラマシンに変わりました。私は昨年に引き続き斎藤愛未選手のアドバイザーを行っていますが、私自身がヘイローの装着されたF4くらいのフォーミュラカーに乗ったことがありませんでした(ヘイローなしのF3経験はあり)」
「フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(2020年スポット参戦)の車両には乗ったことがありますが、F4マシンとは全然違います。そういった部分で、彼女たちにより的確なアドバイスをしたいのと、若いメカニックのためにも、フォーミュラレースに参戦したいという目標がありました」
ただ、現在のFIA-F4は台数が多いため参戦枠に限りがあることに加え、資金面の問題もあり、まず今季はBIONIC JACK RACINGで三浦自身がマシンのステアリングを握って「クルマとレースのことを理解する」ことを目指す。ちなみに参戦は「私が遅すぎてクビにならなければ(笑)」と冗談を言いつつ、フルシーズンを予定しているとのこと。
本戦に向けては「仕上がりとしてはそこまで悪くないと思っていますが、マシンに対する自分の理解度がまだ追いついていないことなど、自分がドライバーとして補わないといけない部分が、まだ課題になっています」と三浦は言う。
「ただ、フォーミュラカーに乗ると私自身もすごく楽しいですし、セットアップの部分でも勉強になることが多いです。金曜日はウエットになってしまいましたけど、全然悪くはなかったので、しっかりと良かった部分をまとめて走ることができれば、それなりに良い順位に行けるはずなので頑張ります」
■おなじく初参戦の翁長実希「お姉さんも速いんだぞ!」というところを見せたい
ふたりめは、2022年のKYOJO CUP王者であり、2024年シーズンも最終戦まで斎藤とチャンピオンを争った翁長実希。彼女もJAF-F4へのスポット参戦経験はあるが、FIA-F4への参戦は今季が初めてだ。
今季OTG Motor Sportsの80号車をドライブする翁長は「もともと移籍は決まっていたのですが、私の目標であるスーパーGT参戦を伝えたとき、チームがしっかりと受け止めてくれて『まず一緒にFIA-F4から頑張っていこう』ということでシートをいただきました」と参戦への経緯を語る。
そのOTG Motor Sportsから、今季はFIA-F4に加えてTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupの両カテゴリーに参戦する翁長。F4マシンとはいえフォーミュラカーと、ほぼ市販車であるGR86/BRZカップ車両では「めちゃくちゃ違います。それこそクルマのロール、ピッチ、パワーが違いますし、操作系もパドルシフトとHパターンで違います」と言うも、クルマを操ることに違いはないと前向きに捉えている様子。
「ただ、そのなかでも“セオリーどおりの運転”はあるので、基礎をしっかりとしていれば乗り分けられることができるでしょうし、まったく違うカテゴリーに参戦するからこそ、得れるものが大きく異なります。引き出しやスキルを上げていくという意味では、今年は本当にいろいろな経験をさせていただけると思っています」
そう語る翁長は、やはり今季のFIA-F4でライバルになる2名の女性ドライバーは意識している様子。しかし、得るものも多いと続ける。
「下野選手はずっとKYOJO CUPで戦っていますし、今年はKYOJO CUPに加え、このFIA-F4でのライバルとして戦うことになります。三浦選手は全日本F3の優勝経験者ですし、フォーミュラカーではベテランと言ってもいいくらいの経歴を持っています」
「ふたりのドライバーから勉強することは非常に多いと思います。そのなかでも自分の良さを出して、ふたりの前でのチェッカーフラッグを受けることは、もうマストの目標です。そして勢いのある若手たちにも負けずに『お姉さんも速いんだぞ!』というところを見せたいと思います」
■参戦4年目の下野璃央はセットアップに不安も「絶対に完走」を目指す
FIA-F4初参戦の三浦と翁長に対し、今季で参戦4年目を迎えるのがDr.Dry Racing Teamの下野璃央。フォーミュラカーにマシンが変わったKYOJO CUPの合同テストでは、やはり“フォーミュラ慣れ”していることもありトップタイムを連発する速さをみせている。
年齢は3人のなかで24歳といちばん若いが、FIA-F4ではいちばんの先輩になる下野。今季に向けてもスプリングトレーニングなどで準備を進めたが、ここまでの感触は「あまり良くないですね」とひと言。
「ここまで雨が多かったのでセットアップがあまりできていないことと、今回だったら本戦は晴れ予報ですけど、ドライ用のセットアップが決まっていないので、少し不安があります。できれば10位以内に入りたいですけど、昨年より台数が増えたので、もっと頑張らないといけないと思っています」
「できれば予選で12番手、13番手あたりにいれば、決勝でシングルフィニッシュを狙えるはずなので、そのあたりを目指して頑張りたいです。ただ、FIA-F4はすごく僅差なので、コンマ2~3秒タイムを上げたら10台くらいの前に出ることができるので、まず予選を失敗しないようにしたいですね」
最後に下野は「たぶんレース内容は荒れると思います。でも、絶対に完走できるように頑張りたいです」と抱負を語った。49台が参戦する2025年のFIA-F4開幕大会。3名の女性ドライバーはどの位置でレースを戦うことになるのだろうか。
[オートスポーツweb 2025年05月02日]
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