1年越しに改良版ジムニー・ノマドがお目見え
静岡県富士宮市の朝霧高原にて、『スズキ・ジムニー・ノマド』のオンロードとオフロードを同時に体感できる試乗会が開催されました。2025年1月30日の発売からわずか数日で受注停止になるほどの反響があったモデル。その後、増産体制を整え、1年越しの初試乗となりました。
【画像】5ドア化で広がる可能性!唯一無二の魅力を持つ『スズキ・ジムニー・ノマド』 全75枚
商品の特徴としては、既に一部仕様変更が行われています。安全面では『デュアルセンサーブレーキサポートII』へ変更し、作動を自動二輪車や自転車まで拡大。パーキングセンサーはフロントにも搭載されました。
ADAS系では『アダプティブクルーズコントロール』が追加され、長距離移動も快適になっています。全車速追従はATのみの対応で、MTは30km/hから作動。こうした細やかなアップデートを重ね、より快適性を増しているそうです。
また、5ドア化されたことで、既存の3ドアとは異なる層を取り込めているようです。従来の3ドアはひとりかふたりでの乗車を前提に、性能を思う存分発揮したい層、いわばプロ仕様といった印象の強いモデルでした。後席の快適性はそこまで重視された作りではなかったと思います。
一方でノマドは、5ドア化により後席へのアクセスもスムーズになり、ジムニーへの憧れはありつつも、実際の使い勝手を考えて踏み切れなかった層を取り込めているのではないでしょうか。
後席にお子さんを乗せて使うファミリーユースも、ノマドなら十分に選択肢に入ってきます。後部座席の背もたれを前に倒した際にフルフラットにならず少し斜めになってしまうのは惜しいですが、快適性を考えれば致し方ない部分でしょう。
静粛性の高さは各段に向上
ジムニーは自然がよく似合うクルマです。今回試乗した色鮮やかなレッド(シズリングレッドメタリック・ブラック2トーンルーフ)は、どちらかというと落ち着いたトーンやアースカラーのイメージが強かったジムニーに新鮮な印象を与えつつ、意外にも草木の緑とマッチします。
今回オンロードで走ったのは、筆者の地元にも近い朝霧高原。
ドライブにちょうどよく、新緑や紅葉など四季折々の景色が楽しめるので大好きな場所です。富士山がものすごく近くに見え、とあるクルマのカタログ撮影地になったと聞き、取材で訪れたこともあります。
近くには牧場がたくさんあり、広大な草原と富士山、パラグライダー体験施設なども充実していて、レジャーも楽しめます。
盛夏の緑が美しいそんな場所をジムニーで駆け抜けるのは、想像以上に気持ちのいい体験でした。室内の乗り心地もよく、以前中古のジムニーに乗った際は『少し車内がにぎやかだな』という印象を持っていましたが、今回はかなり静かで静粛性も高く感じました。この静かさなら、後席の同乗者との会話も弾みそうです。
改めて振り幅が広いクルマだと実感
開発者の方にこの感想を伝えたところ、「以前試乗したという中古車の年代にもよりますが、吸音材を追加したり、車両改良の副産物として静粛性が向上したりしています」とのことでした。
これなら車内での音楽を楽しむのにも良さそうです。内装は道具感のあるインテリアでまとまっていますが、快適性も兼ね備えているのが嬉しいポイントです。
一般ユースをしっかり取り込みつつも、ジムニーに求められる走破性はもちろん忘れていません。
オフロードのテストコースでは、左右に小山のような凹凸が連続するモーグルと呼ばれる路面を走行しました。こうした場面でも、本格的なジムニーらしい走りを披露。水を得た魚のようにすいすいと悪路を抜けていく様子に、改めて振り幅が広いクルマだと実感しました。
今回体験したようなオフロードを実際に走行するユーザーの割合について尋ねてみました。すると、スキー場があるような積雪の多い地域では、日々の厳しい環境の中でジムニーを普段の生活の足として使う人が多いとのこと。一方で社員さんの中には、わざわざオフロードコースへジムニーを持ち込み、悪路走破を楽しむことを趣味にしている人もいるそうです。
共に乗り越えることで愛着が一段と深まる
これは筆者の体験談ですが、真冬の北海道で大雪が降る中、とあるクルマで稚内から東京まで自走で帰るという、無謀な企画に挑んだことがあります。地元の人でさえスタックするほどの雪でしたが、ジムニーがすいすいと走っていくのを目にし、雪国に住んでいたら絶対に購入しているだろうと強く思った記憶があります。
こうして悪路を共に乗り越えることで、クルマへの愛着が一段と深まっていくのかもしれません。
日常の足として頼りになる一方で、普段の道では味わえない限界までクルマの性能を引き出すためにオフロードへ持ち出して、とことん遊ぶこともできる。そんなクルマとの付き合い方を受け止めてくれる懐の深さこそ、ジムニーの大きな魅力なのではないでしょうか。
『ジムニー is ジムニー』。これからも、ほかの何にも代えられない唯一無二の魅力を持ったクルマとして、そして、クルマをとことん楽しみたい人たちの相棒として、いつまでもあり続けてほしい。今回の試乗を通じて、そんなことを強く願いました。
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