現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > BYDが中型電気バス『J7』を発表…日本専用に開発、2024年1月から予約受付をスタート

ここから本文です

BYDが中型電気バス『J7』を発表…日本専用に開発、2024年1月から予約受付をスタート

掲載 3
BYDが中型電気バス『J7』を発表…日本専用に開発、2024年1月から予約受付をスタート

BYDジャパンは11月14日、都内で記者発表会を開催し、日本市場向けに専用設計とした中型電気バス『J7(ジェイセブン)』の予約受付を2024年1月1日より開始すると発表した。すでに開発を終えており、デリバリーは2025年秋を予定する。

◆日本市場向け2300mm幅対応の専用アクスルを投入
同社は2015年に中国自動車メーカーとして初めて日本国内に電気バスを納入を開始。これまでに京都を皮切りに沖縄や福島など全国27都道府県のバス会社や自治体などに153台を納入し、すでに電気バスとしてのシェアは70%となっている。

大阪で20台が稼働するEVバス:EVモーターズ…ジャパンモビリティショー2023

コミュニティバスに最適な小型電気バス『J6(ジェイシックス)』や日本の路線バスに最適な10.5mサイズの大型電気バス『K8(ケーエイト)』を相次いで市場投入したことも大きい。さらに23年末からはこの両車にブレードバッテリーを搭載した新型のデリバリーを開始する見込みともなっている。

そんな中、これまで空白であった中型電気バスのゾーンにJ7を導入する。これにより、BYDジャパンは、小型・中型・大型のフルラインナップで日本市場の電気バスのニーズにも応えていく。J7はリン酸鉄リチウムイオンバッテリ(LPF)を使用した独自開発の「ブレードバッテリー」を搭載することで、車室内空間の拡大によるフルフラット化と高い航続距離性能を両立していることがポイントとなる。電池容量は192.5kWhで、満充電時の航続距離は250km。充電方式は90kWまでのCHAdeMOに対応し、充電時間は約2.5時間。ボディサイズは全長8990×全幅2300×全高3255mm。席数を増やしたドア1枚の郊外型と、ドア2枚として立席を増やした都市型の2タイプを用意する予定で、乗車定員は最大61人。

ちなみにJ7の“J”は「JAPAN」の頭文字から取ったもので、そこからは日本市場に対する並々ならぬ意気込みが伝わってくる。その証しが日本市場専用として開発した左右独立型アクスルの採用からもうかがえる。

◆「e-Platform 3.0を導入し、走行安定性と生産効率向上を目指す」
この日、J7について詳細を説明した取締役副社長の花田晋作氏は、「車幅2300mmというのは海外では一切利用されていない日本のみの車幅となる。弊社は(小型・中型・大型の)フルラインナップで日本国内で製品提供をさせていく考えがあり、それに合う日本専用のアクスルを開発する必要があった。この開発によって日本市場に最適な専用設計の中型バスの提供が可能になる」と説明。

さらに、BYDが電気自動車(EV)にも展開している「e-Platform 3.0」を電気バスにも導入予定であることを表明した。これは、6in1モジュールやモーター、アクスル、ブレードバッテリーといったパワートレーンの各ユニットをシャシーに一体配置するものだ。

そのメリットとして花田副社長は、現行K8との比較で紹介。「e-Platform 3.0を導入により40%の低重心化、18%の剛性アップ、9%のシャシー重量低減が可能となり、このよって走行安定性の向上が図れるだけでなく、生産効率を高めることができる。これを採用した新型車両は2026年にも日本市場へ導入する」とした。

◆「トラブルなく動き続けるのがBYDの電気自動車の原点」
発表会の冒頭で挨拶したBYDジャパン代表取締役社長の劉学亮氏は、EV事業に電気バス/タクシーで参入した2011年当時を振り返り「当初は中国でも航続距離や電池の安全性、アフターサービスのネットワークにおいて多くの議論があった」とし、「日々、市民の足としてバスやタクシーが電気自動車としてトラブルなく動いていれば不安は解消される。この考えがBYDの電気自動車に対する考えの原点だ」と述べた。

そして、「そうした考えが評価され、今では世界70の国・地域、400都市以上でBYDの電気バス/タクシーを送り出すことができている。日本にも2015年に京都で5台が採用され、それが今では153台が日本国内27都道府県で活躍している」と現状を報告した。

また、劉社長は最後に2018年に郡山へ初めて訪問した際のエピソードを明かした。「新幹線を降りた際、駅前のバスロータリーに向かうと古いバスが排ガスを出して走っている光景を見た。この美しい地球を、私たちが暮らしているこの日本を美しいまま後世に残していきたい。この信念の下でBYDはこれからも電気バスや電気乗用車、電気フォークリフトなど、あらゆる領域に対して電動化を進めていく考えだ」として挨拶を締めくくった。

◆日本市場での電気バス販売は2030年までに4000台を計画
一方、日本メーカーも本格参入を表明している電気バス市場において、今後は競争が熾烈さを増していくと思われる。これについて花田副社長は「むしろ、他社が電気バスに参入することは、その認知度が上がって市場拡大につながるわけで歓迎すべきこと。事業者からは2030年までに保有台数6万台の30%を電動化したいとも聞いており、それに対してBYDジャパンが供給可能かどうかの相談を受けている状況にある」と説明した。

また、今後のBYDジャパンとして今後の販売目標としては、「2030年までに4000台を販売することは発表したとおりで、今回のJ7の投入によって小型・中型・大型のフルラインナップが実現され、それが可能という目処は立っている。特に車幅2300mmに対応した中型の電気バス投入は他社から聞こえてこないので、そこでも優位性は発揮できるのではないか」との考えを示した。

関連タグ

こんな記事も読まれています

中国のBYDはバスの世界でも脅威のフットワーク! JAPANの頭文字「J」を付けたEVバスで日本獲りを狙う
中国のBYDはバスの世界でも脅威のフットワーク! JAPANの頭文字「J」を付けたEVバスで日本獲りを狙う
WEB CARTOP
車名は日本の弁当?! ルノーグループからマイクロ商用EV『ベントー』登場
車名は日本の弁当?! ルノーグループからマイクロ商用EV『ベントー』登場
レスポンス
テスラ「低価格EV」投入 400万円は確かに安いが、ガソリン車の方が財布にまだ優しい現実
テスラ「低価格EV」投入 400万円は確かに安いが、ガソリン車の方が財布にまだ優しい現実
Merkmal
【トヨタの近未来EV戦略】トヨタが電気自動車攻勢を開始 2026年までに少なくとも6台の電気自動車を投入
【トヨタの近未来EV戦略】トヨタが電気自動車攻勢を開始 2026年までに少なくとも6台の電気自動車を投入
AutoBild Japan
価格は1400万円オーバー、テスラの新型「サイバートラック」がいよいよ納車開始! 軍や警察用途の可能性もあり?
価格は1400万円オーバー、テスラの新型「サイバートラック」がいよいよ納車開始! 軍や警察用途の可能性もあり?
くるくら
ポルシェ『パナメーラ』新型、生産開始…高性能電動モデルがラインオフ
ポルシェ『パナメーラ』新型、生産開始…高性能電動モデルがラインオフ
レスポンス
レクサスRZ300e 同社初BEVモデルに2WD追加 低温下における急速充電時間を短縮
レクサスRZ300e 同社初BEVモデルに2WD追加 低温下における急速充電時間を短縮
AUTOCAR JAPAN
レクサスがバッテリーEV専用モデル「RZ」の新型モデルとFWDモデル「RZ300e」を発売! BEVを軸とするブランドへの変革をさらに加速
レクサスがバッテリーEV専用モデル「RZ」の新型モデルとFWDモデル「RZ300e」を発売! BEVを軸とするブランドへの変革をさらに加速
バイクのニュース
レクサスの電動ミドルSUV「RZ」に前輪駆動モデル「RZ300e」登場 一充電の航続距離は599km
レクサスの電動ミドルSUV「RZ」に前輪駆動モデル「RZ300e」登場 一充電の航続距離は599km
VAGUE
トヨタが欧州で電動SUVの新型を提案
トヨタが欧州で電動SUVの新型を提案
レスポンス
国産メーカーも驚愕!? 中国車ブランド「BYD」は日本車の脅威となるのか? 「上陸第1号」のコンパクトSUVに乗って考える
国産メーカーも驚愕!? 中国車ブランド「BYD」は日本車の脅威となるのか? 「上陸第1号」のコンパクトSUVに乗って考える
VAGUE
バッテリーEVのレクサスRZにFWDモデルの「RZ300e」を新設定
バッテリーEVのレクサスRZにFWDモデルの「RZ300e」を新設定
カー・アンド・ドライバー
「商用EV」普及のカギは何か? 寒冷地「充電問題」とその解決策、メルセデス・ベンツ「eアクトロス」を例に考える
「商用EV」普及のカギは何か? 寒冷地「充電問題」とその解決策、メルセデス・ベンツ「eアクトロス」を例に考える
Merkmal
GT-R顔!? 新型「ハイパー4ドアセダン」実車公開! 1300馬力&ド迫力ウイングの凄い「HiPhi A」、2025年に限定で発売!? 中国で披露
GT-R顔!? 新型「ハイパー4ドアセダン」実車公開! 1300馬力&ド迫力ウイングの凄い「HiPhi A」、2025年に限定で発売!? 中国で披露
くるまのニュース
ボルボの新型3列シート電動SUV『EX90』、2024年前半から生産へ
ボルボの新型3列シート電動SUV『EX90』、2024年前半から生産へ
レスポンス
ホンダが2030年までに大型スーパースポーツを含む電動バイク30機種をリリース! 5000億円の投資とともにコスト50%減やコネクティビティを強化を目指す
ホンダが2030年までに大型スーパースポーツを含む電動バイク30機種をリリース! 5000億円の投資とともにコスト50%減やコネクティビティを強化を目指す
WEBヤングマシン
【さよならホンダe】ホンダ、ヨーロッパ全土における「ホンダe」の販売終了を発表 ホンダの生んだ小型カルトEVにお別れ
【さよならホンダe】ホンダ、ヨーロッパ全土における「ホンダe」の販売終了を発表 ホンダの生んだ小型カルトEVにお別れ
AutoBild Japan
水素かBEVかハイブリッドか? 乗用車同様にトラックも「次世代パワートレイン」の議論が活発!
水素かBEVかハイブリッドか? 乗用車同様にトラックも「次世代パワートレイン」の議論が活発!
WEB CARTOP

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村