走りの性能に拘った結果の選択。911の場合“猫背型スタイル”の成立に不可欠
ポルシェの2ドアスポーツカー、すなわち911や718ボクスター/ケイマンの特徴として知られるのが水平対向エンジン。
文字通り水平に対向配置されたシリンダーの中を向かい合うピストン同志が逆方向に運動するさまが、あたかもボクシング選手のグローブの動きを連想させることから、“ボクサーエンジン”とも呼ばれるのがこの心臓。最近中国BYD社が同様デザインのエンジンをプラグインハイブリッド用に開発したのは驚きだが、前出ポルシェとスバル車以外の殆どのエンジンがシリンダーを垂直、もしくはV字型の配置とするのに対してこれは大いに目を引く特徴だ。
ピストンの動きが向かい側のピストンの慣性力を打ち消すので振動が少ない。高さが抑えられ重心が低い……などのメリットが謳われる一方で、こうして採用例が少ないのにはもちろん理由がある。
例えば、燃費向上のためロングストローク化を図ろうとしても、搭載時の全幅を増やす方向となるために制約が強い。シリンダーヘッドが左右に分かれるので吸排気系のレイアウトが複雑でコストが上がる。点火プラグ脱着などの際の整備性が悪化する……等々と様々なデメリットが存在。それでも、ポルシェやスバルがそんな不利を承知のうえで頑なに採用を止めないのは、まずは両社がそれだけ走りの性能に拘っている結果だと考えられる。
また、ポルシェ911の場合、あの独特の“猫背型スタイル”を成立させるためには、水平対向のエンジンは不可欠でもあるはず。このモデルは1964年に誕生の初代以来、一貫してエンジンをボディ最後端に搭載。60年以上に渡りこのモデルの重要な記号ともなっているルーフからボディ後端にかけてなだらかに下降するラインは、エンジンの高さが低く抑えられない限り成立不可能だからだ。
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コーナリング時の小さく抑えられたロールによって低重心の達成を実感できる
ところで、水平対向エンジン搭載のポルシェ車は911がリヤ、718ボクスター/ケイマンがミッドシップというレイアウトを採用するために、前後方向の重量配分はいずれも高い走行安定性を得るためには不利とされる後方寄りとなっている。
ところが、実際に走り始めるとどのモデルでもその安定感に不安を抱かされるどころか、極めて高い水準に仕上げられていることに驚くばかり。特に、911では4WD化されたモデルのみならず後2輪駆動仕様でも500psを優に超える最高出力までを軽く受け止めることに心底驚き、そして感心をさせられる。
コーナリング時のロールが小さく抑えられていることも、水平対向エンジンを軸として低重心が達成されていることを実感。大きな荷重が駆動輪上に掛かるリヤエンジン、もしくはミッドシップというレイアウトゆえのトラクション能力の高さはもちろんのこと、特に718ボクスター/ケイマンでは「ミッドシップならではの特徴」と紹介される機敏で軽快な身のこなしにも、水平対向エンジン採用のメリットを連想させられるのである。
また、718ボクスター/ケイマンの4気筒モデルの場合、脈動感の強い独特の排気音が聞かれることも固有の特徴。実はこれは搭載レイアウトの都合上、各シリンダーからの排気管の長さが揃わず干渉を起こしてしまうことで発生する現象。かつてスバル車でも同様の理由で発生していたものの、効率の向上を目指して排気系を等長化させることによってそれを解消。一方のポルシェではむしろそれを特有の個性としてアピールする方向にある。
いずれにしても、ポルシェのスポーツカーが確立させている走りに関わる高い評価の少なくない部分は、このブランドが様々な困難を乗り越えながらそのメリットの部分を最大限に生かすべく長い時間を掛けて育んできた水平対向という稀有なデザインのエンジンに由来をしていることが紛れもない事実。
加えて、現在ではその希少性をマーケティング活動にも巧みに利用するに至っているという状況も勘案すれば、ポルシェがスポーツカーに搭載し続ける限りそこに相応しいエンジンのデザインは“水平対向一択”と言っても良いはずだ。
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