タイでハイエースベースと思われる高級ワゴンが発表され販売を開始した。高級ミニバンのアルファード/ヴェルファイアをも凌駕するという豪華仕様のワゴンはどんなクルマなのか?
また、この豪華ワゴンは次期ハイエースと関係があるのかも気になるところ。
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タイで発表された高級ワゴンのマジェスティをとおして、次期ハイエースのことについても考察していく。
文:ベストカーWeb編集部/タイ国トヨタ自動車
価格は日本円で約590万~760万円!!
高級ミニバン、高級ワゴンの需要の高いタイで発表され発売を開始したマジェスティ。タイ国トヨタもアルファードより安く設定したことを大々的にアピール
日本で販売されることが確定的!? マジェスティの画像ギャラリー
タイ国トヨタ自動車(以下TMT)は2019年8月16日(現地時間)に、四輪車と二輪車の展示販売会である『バンコク・インターナショナル・グランド・モーター・セール2019』において高級ワゴンのマジェスティを世界初公開し発売開始した。
タイではハイエースワゴンをベースとした高級ワゴンのベンチュリーを販売していたが、マジェスティはそのベンチュリーの後継モデルとなる。
タイでは高級ミニバンの需要が高く日本以上にブームになっていて、アルファード/ヴェルファイアが販売されているが、タイは輸入車に対する関税が80%と高い。そのほかの税金などを加えると日本の価格の3倍程度にまで膨れ上がる。
アルファードはタイでも大人気だが、輸入車にかかる関税やそのほかの税金により日本の約3倍の価格で販売されている。トップグレードの3.5LのVIPは1800万円超!
アルファード/ヴェルファイアは日本から輸入するかたちで販売しているため、その価格はオプション込み、1バーツ=3.45円で換算すると、アルファード3.5VIPが542万9000バーツ(1873万50円)、2.5ハイブリッドが393万9000バーツ(1358万9550円)、2.5ヴェルファイアが380万9000バーツ(1314万1050円)と目が飛び出るほど高額だ。
物価が日本に比べて約3分の1と言われるタイでアルファード/ヴェルファイアを購入するということは、日本人がロールスロイスファントムを買う感覚に近いに違いない。
マジェスティはアルファード/ヴェルファイアに匹敵する高級感を持ちながら価格を抑えているのが特徴だ(それでも高い!!)。
3つ用意されたグレードで最も安いスタンダードが170万9000バーツ(589万6050円)、中間グレードのプレミアムが189万9000バーツ(655万1550円)、最上級グレードのグランデが219万9000バーツ(758万6550円)となっている(1バーツ=3.45円で換算)。
タイで発表された高級ワゴンのマジェスティ。これまでタイで販売されていたH200型ワゴンをベースとしたベンチュリーの後継モデルとなる
グランビアと同じクルマ!?
エクステリアデザインは、大きなフロントグリルにシャープなヘッドライトを組み合わせた高級感と威厳を併せ持っている。
あれ、このエクステリアデザインはどこかで見たことある、と感じたアナタは鋭い。
そう、これはすでに台湾、オーストラリアでグランビアの車名で発売されている高級ワゴンと基本的に同じクルマなのだ。つまり、高級ワゴンはタイ専用モデルではなく、台湾、オーストラリアに次いで3国目で、後述するが日本での販売の現実味も高まる。
これはすでに台湾、オーストラリアで販売されているグランビア。ヘッドランプ形状、グリル、アルミホイールのデザインまで同じことがわかる
ボディサイズは全長5265×全幅1950×全高1990mm、ホイールベースは3210mmとアルファード/ヴェルファイアよりも大きい。
パワーユニットは、総排気量2755cc、163ps/420Nmをマークする直4DOHCディーゼルターボを搭載(エンジン型式は1GD-FTV)。タイ政府が推奨している20%のバイオディーゼル燃料を混合した燃料のB20に対応している点は台湾、オーストラリア仕様と違う。
1GD-FTV は2.8L、直4DOHCディーゼルターボで、タイ政府が推奨しているバイオディーゼル燃料を20%混合したB20にも対応させている
このエンジンに組み合わされるトランスミッションはシーケンシャルシフト付き6ATとなる。
シャシーでは前後サスペンションは現行ハイエースのものを使うのではなくフロント/ストラット、リア/4リンクが新開発されている。タイヤサイズは235/60R17だ。
アルファード顔負けの豪華なシート。座面と一体型のオットマンも装着されるため乗員は快適に過ごすことができる。シートはブラックもラインナップ
インテリアも本革シートなど豪華仕様で、アルファード/ヴェルファイアもビックリの質感を誇る。シートは、4列3-2-2-4の構成で、乗車定員は11名のみの設定。2列目シートにはマッサージ機能付きキャプテンシートを採用している。
安全装備の充実が目覚ましく、トップグレードのグランデにはダイナミックレーダークルーズコントロール、車線逸脱警報、ブラインドスポットモニター、ビークルスウェイウォーニング、オートハイビームなどが標準装備されている。
ちょっとアルファードに似たリアコンビランプがマジェスティをスポーティに見せる。スクエアボディによりボディサイズ以上の広々した室内空間を実現
日本導入の可能性は?
マジェスティの発表の席でTMTのウティコン副社長は、マジェスティは日本から輸入販売するとコメント。つまり、マジェスティは日本で製造しているというのだ。
高級ワゴンのグランビア、マジェスティが海外専用モデルで、海外で生産しているのであれば日本に輸入してまで販売するのは効率が悪いが、日本で製造しているとなれば販売への最大の障壁が取り払われることになる。
タイ向けのモデルということで日本と同じ右ハンドル。日本で生産していて、わざわざ日本用に右ハンドルを製作する必要がないため導入の期待が高まる
しかもグランビアが左ハンドルだったのに対し、タイは日本と同じ左側通行だからマジェスティは右ハンドルで日本に導入するのに好都合ときている。
日本ではハイエースが異常なまでに人気が高い。現在販売されているハイエースはH200系はエースとしては5代目となる。その現行ハイエースは2004年デビューだから15年が経過していて次期ハイエースの注目度は激高だ。
ハイエースはバンとワゴンの両方をラインナップしているが、販売のほとんどはバンでワゴンは少数派となっている。
さらにワゴンは2-2-2-4の4列シート10人乗りの見の設定となっていて、人気の高いハイエースバンとはまったく別物だ。ある意味ハイエースであってハイエースではない存在と言ってもいい。
現行モデルもバンとワゴンは別物だが、次期ハイエースではさらに差別化が図られるはず。バンは現行のH200型からの正常進化でボディサイズも大きく変わらないはず
今回発表されたグランビア、マジェスティがとのまま次期ハイエースになるのではなく、次期ハイエースはバン専用となり、ワゴンはバンとは差別化され独立してグランビア、マジェスティと同じボディとなると考えると違和感はない。もともとハイエースワゴンの販売台数は少ないので、売れなくても大きなダメージはない。
次期ハイエースバンは現行同様に全幅1695mmの5ナンバーサイズのまま登場する可能性が高い。仮に衝突安全性を考慮して拡幅されたとしても全幅が1750mmを超えることはないだろう。
それに対しワゴンは現行は全幅1880mmだがグランビア、マジェスティと同じ1950mmにすることで快適性が増しそれが魅力アップにもつながる。
アルファードよりも大きなボディながら採用回転半径はアルファードの5.6mに対しマジェスティは5.5mなので日本での取り回し面でも問題ない。
マジェスティは3-2-2-4という4列11人乗りだが、日本で販売するにはフロントシートを2座にすればいいので手間はない。安全装備も充実しているのも魅力的だ
乗車定員はマジェスティは11人だがこれはタイの法規に合わせたもの。日本では普通免許で運転できる最大乗車定員は10名なので、それに合わせて現行のハイエースワゴンと同様にフロントシートを2名乗車にすれば簡単に対処できる。
トヨタの販社から、高級ワゴンが登場することは間違いないという情報を入手している。確定情報ではなく予想段階だが、この独立した豪華仕様のハイエースワゴンを日本ではグランドハイエースとして販売する、というのはもの凄く自然な流れにある。
グランドハイエースを含め、次期ハイエースについては続報が入り次第レポートしくので乞うご期待!
(注)マジェスティの価格は1バーツ=3.45円で日本円に換算
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