現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > え、マジで!? ランボルギーニミウラって失敗作だったの!?!?

ここから本文です

え、マジで!? ランボルギーニミウラって失敗作だったの!?!?

掲載 12
え、マジで!? ランボルギーニミウラって失敗作だったの!?!?

 あまりにも有名なスーパーカーの始祖的存在、ランボルギーニ ミウラ。その美しさ、歴史的価値に疑いようはない。しかし、実際に開発に関わった人はまた別の評価をくだしていた。ミウラの生みの親の一人である故パオロ・スタンツァーニは、ミウラをあえて「失敗作」と呼んでいたのだ…。

文:越湖信一/写真:ランボルギーニ

え、マジで!? ランボルギーニミウラって失敗作だったの!?!?

【画像ギャラリー】か、カッコよすぎ!! 失敗作説もあるランボルギーニミウラの全貌を一挙に!!!(6枚)

■完成度の高いクルマ作りで勝負しようとしたランボルギーニ

1966年から1973年の間に、僅か759台だけ生産されたミウラ(諸説あり)。当時の常識を覆すV12エンジン搭載のミッドシップレイアウトで世界に衝撃を与えた。

 ランボルギーニ ミウラといえば、スーパーカーというカテゴリーを生み出した重要な一台ともいえる名車だ。それまではGT=グラントゥーリズモというカテゴリーが公道走行可能な高性能スポーツカーの重要なカテゴリーであった。

 フェラーリ250GT、マセラティ3500GT、そしてランボルギーニ350GTなど、レースマシン譲りの高性能エンジンを搭載しながらも、優雅なスタイリングとそれなりの快適性、ラゲッジスペースなどを備えているモデルたちである。

 ランボルギーニの創始者であるフェルッチョ・ランボルギーニもそういったモデルを作ることを目指した。トラクターなどの大量生産ビジネスを起こした彼にとって手作りのフェラーリのような危なっかしいクオリティではない、工業製品として完成度の高いクルマ作りを理想としたのだ。

【画像ギャラリー】か、カッコよすぎ!! 失敗作説もあるランボルギーニミウラの全貌を一挙に!!!(6枚)

■人気の割に生産期間が短かったミウラ

設計上の様々な問題が指摘され、生産のたびに改良が加えられていったミウラ。大別するとP400、P400S、P400SVの3つに分けられる。

 しかし、現実は厳しかった。確かに顧客はクオリティの高さを評価はしたが、それよりもF1やモータースポーツで活躍するというブランドイメージを、趣味性の高いクルマに対して求めた。

 一方、フェルッチョが雇った若きエンジニアたちはモデナのスポーツカーメーカーであるからにはレースにかかわるクルマを作るという野望をもっていた。

 そして、その若者たちはとんでもなく有能な人物ばかりだった。ジャンパオロ・ダラーラ、そしてパオロ・スタンツァーニ。彼らは生まれたばかりのランボルギーニには、レース活動に対して大枚をはたく余裕がないことをすぐに理解した。

 そこで、それまでのGTとは違ったよりレーシーな市販モデルの開発を画策した。そんな経緯で誕生したのが、ミウラであった。ミウラは1966年のデビューとともに世界のセレブリティたちが競ってオーダーを入れたとされる、超人気モデルだった。

 マルチェッロ・ガンディーニの筆による美しいスタイリングと、初の大排気量ミッドマウントエンジンレイアウトモデルというキーワードがそこにはあったのだ。

 そんな人気モデルであるにも関わらず、ミウラは1973年までしか販売されなかった。後継のカウンタックが16年にも渡ってカタログに載っていたのとは対象的である。

【画像ギャラリー】か、カッコよすぎ!! 失敗作説もあるランボルギーニミウラの全貌を一挙に!!!(6枚)

■開発車が「失敗作」と評価する理由とは?

ミウラに開発に深く関わった人物のスリーショット。左からパオロ・スタンツァーニ、マルチェロ・ガンディーニ、ジャンパオロ・ダラーラ。

 その理由に関して、パオロ・スタンツァーニは亡くなる少し前に筆者へ語ってくれた。

 「ミウラは時代を作ったセンセーショナルなクルマであったことは間違いない。しかし、クルマ全体を初めて作ることになった私たちにとっては手に余った。多くの欠点があったのは事実なんだ。」と。

 横置きエンジンレイアウトに起因する燃焼状態のばらつき、過大なギアノイズ、そしてフロントラジエーターレイアウトによるキャビンの過熱。

 レースカーとしてなら問題のないこういった欠点は富裕ユーザーが運転する上では致命的であった。

 「ブームに乗って注文を入れた顧客は、それに飽きるとクルマをすぐに手放し、言い方は難しいがあまりよくない客層がミウラを自慢げに乗り回すという状況になってしまった。よい客層は時間が育てるということだ。それまでのランボルギーニ愛好家達は、それを嫌がり、離れていってしまった。改良を加えたSVも、セールスは大苦戦だったんだ」ともスタンツァーニは話してくれた。

 彼曰く、最大の失敗は脆弱な販売網が市場をコントロールできなかったということにあったというのだ。やはりフェラーリのブランディングに打ち勝つには、まだまだ長い時間が必要だったワケだ。

 彼はミウラをして失敗作であったと奇しくも語ったが、それは彼が手掛けた後継のカウンタックでその失敗を十分にリカバーしたという大きな満足感があるからこそのコメントだったのではないか? 筆者はそう考えている。

【画像ギャラリー】か、カッコよすぎ!! 失敗作説もあるランボルギーニミウラの全貌を一挙に!!!(6枚)

投稿 え、マジで!? ランボルギーニミウラって失敗作だったの!?!? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【CG】日産「新型エクストレイル」まもなく登場!? 全面刷新”で「高効率エンジン」搭載へ? 超精悍顔に進化? 噂の新型「SUV」を大胆予想したCGをデザイナーが制作
【CG】日産「新型エクストレイル」まもなく登場!? 全面刷新”で「高効率エンジン」搭載へ? 超精悍顔に進化? 噂の新型「SUV」を大胆予想したCGをデザイナーが制作
くるまのニュース
ケース径40mmを切るサイズ感もいい! ヴィンテージの印象を残す「伝説的なダイバーズウォッチ」が復刻モデルで現代にアップデート!
ケース径40mmを切るサイズ感もいい! ヴィンテージの印象を残す「伝説的なダイバーズウォッチ」が復刻モデルで現代にアップデート!
VAGUE
シールドの水滴や曇りから防ぐには? ライダーの視界を守るための試行錯誤【MotoGPの現場から】
シールドの水滴や曇りから防ぐには? ライダーの視界を守るための試行錯誤【MotoGPの現場から】
バイクのニュース
ベントレーが「サーフボード」製作、車両の内装材と同じウッド使用
ベントレーが「サーフボード」製作、車両の内装材と同じウッド使用
レスポンス
【特集】レッドブルのお目付け役にもあった“ヤンチャ時代”。ヘルムート・マルコの知られざる青春と壮絶キャリア
【特集】レッドブルのお目付け役にもあった“ヤンチャ時代”。ヘルムート・マルコの知られざる青春と壮絶キャリア
motorsport.com 日本版
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「ドクの家」に行ける! 文化の町パサデナは超豪華な美術館とガーデンで何日でも過ごせます【ルート66カリフォルニア旅_05】
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「ドクの家」に行ける! 文化の町パサデナは超豪華な美術館とガーデンで何日でも過ごせます【ルート66カリフォルニア旅_05】
Auto Messe Web
アウトドアにぴったりなのはSUVだけなのか? 旧モデルや他のボディタイプも選択肢に!【中古車購入実態調査】
アウトドアにぴったりなのはSUVだけなのか? 旧モデルや他のボディタイプも選択肢に!【中古車購入実態調査】
カーセンサー
ゴールデンウィークに映画を観るならこの5本!──GQエディターが厳選したカルチャー度高めの作品を紹介
ゴールデンウィークに映画を観るならこの5本!──GQエディターが厳選したカルチャー度高めの作品を紹介
GQ JAPAN
ボルボ、プラグインハイブリッド5車種をリコール…バッテリーから火災のおそれ
ボルボ、プラグインハイブリッド5車種をリコール…バッテリーから火災のおそれ
レスポンス
フェラーリ、F1マイアミGPに向け「白い」ウェアを発表。スペシャルマシンカラーリングとの組み合わせに期待高まる
フェラーリ、F1マイアミGPに向け「白い」ウェアを発表。スペシャルマシンカラーリングとの組み合わせに期待高まる
motorsport.com 日本版
ヴァン・ヘイレンからデペッシュ・モードまで。車の旅を盛り上げるドライブ洋楽ソング集
ヴァン・ヘイレンからデペッシュ・モードまで。車の旅を盛り上げるドライブ洋楽ソング集
GQ JAPAN
「圧倒的な存在感」中部空港に”珍飛行機”降臨でSNS騒然! 「こんなん飛ぶのがすげぇよ」「車輪どんだけ?」
「圧倒的な存在感」中部空港に”珍飛行機”降臨でSNS騒然! 「こんなん飛ぶのがすげぇよ」「車輪どんだけ?」
乗りものニュース
Netflix、メルセデスF1秘蔵っ子アントネッリのデビュー舞台裏を映すドキュメンタリーを配信へ
Netflix、メルセデスF1秘蔵っ子アントネッリのデビュー舞台裏を映すドキュメンタリーを配信へ
motorsport.com 日本版
【CG】マツダ新型「MAZDA“3”」!? 超美麗ボディの「小さな高級車」が顔面刷新? 全長4.5m級の「ファストバック」次期型予想CGをデザイナーが制作
【CG】マツダ新型「MAZDA“3”」!? 超美麗ボディの「小さな高級車」が顔面刷新? 全長4.5m級の「ファストバック」次期型予想CGをデザイナーが制作
くるまのニュース
フェラーリ296に最高880PSの特別バージョン『スペチアーレ』『スペチアーレA』が登場
フェラーリ296に最高880PSの特別バージョン『スペチアーレ』『スペチアーレA』が登場
AUTOSPORT web
21世紀の偉業を1台に凝縮 フェラーリ・デイトナSP3へ試乗 栄光の330 P4がモチーフ
21世紀の偉業を1台に凝縮 フェラーリ・デイトナSP3へ試乗 栄光の330 P4がモチーフ
AUTOCAR JAPAN
キャデラックが電動SUVファミリー4車種を一挙発表、注目車種は
キャデラックが電動SUVファミリー4車種を一挙発表、注目車種は
レスポンス
MINI ジョンクーパーワークス E【1分で読める輸入車解説/2025年最新版】
MINI ジョンクーパーワークス E【1分で読める輸入車解説/2025年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

12件
  • kat********
    >横置きエンジンレイアウトに起因する燃焼状態のばらつき、過大なギアノイズ、フロントラジエーターによるキャビンの過熱・・・スーパーカーに、「欠陥車じゃない車」ってどれくらいあるの?(爆)
  • kmq********
    消火器は3本載せておけば安心だ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

- 万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

- 万円

中古車を検索
ランボルギーニ カウンタックの買取価格・査定相場を調べる

全国のランボルギーニ カウンタック中古車一覧 (1件)

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

- 万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

- 万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村