あまりにも有名なスーパーカーの始祖的存在、ランボルギーニ ミウラ。その美しさ、歴史的価値に疑いようはない。しかし、実際に開発に関わった人はまた別の評価をくだしていた。ミウラの生みの親の一人である故パオロ・スタンツァーニは、ミウラをあえて「失敗作」と呼んでいたのだ…。
文:越湖信一/写真:ランボルギーニ
え、マジで!? ランボルギーニミウラって失敗作だったの!?!?
【画像ギャラリー】か、カッコよすぎ!! 失敗作説もあるランボルギーニミウラの全貌を一挙に!!!(6枚)
■完成度の高いクルマ作りで勝負しようとしたランボルギーニ
1966年から1973年の間に、僅か759台だけ生産されたミウラ(諸説あり)。当時の常識を覆すV12エンジン搭載のミッドシップレイアウトで世界に衝撃を与えた。
ランボルギーニ ミウラといえば、スーパーカーというカテゴリーを生み出した重要な一台ともいえる名車だ。それまではGT=グラントゥーリズモというカテゴリーが公道走行可能な高性能スポーツカーの重要なカテゴリーであった。
フェラーリ250GT、マセラティ3500GT、そしてランボルギーニ350GTなど、レースマシン譲りの高性能エンジンを搭載しながらも、優雅なスタイリングとそれなりの快適性、ラゲッジスペースなどを備えているモデルたちである。
ランボルギーニの創始者であるフェルッチョ・ランボルギーニもそういったモデルを作ることを目指した。トラクターなどの大量生産ビジネスを起こした彼にとって手作りのフェラーリのような危なっかしいクオリティではない、工業製品として完成度の高いクルマ作りを理想としたのだ。
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■人気の割に生産期間が短かったミウラ
設計上の様々な問題が指摘され、生産のたびに改良が加えられていったミウラ。大別するとP400、P400S、P400SVの3つに分けられる。
しかし、現実は厳しかった。確かに顧客はクオリティの高さを評価はしたが、それよりもF1やモータースポーツで活躍するというブランドイメージを、趣味性の高いクルマに対して求めた。
一方、フェルッチョが雇った若きエンジニアたちはモデナのスポーツカーメーカーであるからにはレースにかかわるクルマを作るという野望をもっていた。
そして、その若者たちはとんでもなく有能な人物ばかりだった。ジャンパオロ・ダラーラ、そしてパオロ・スタンツァーニ。彼らは生まれたばかりのランボルギーニには、レース活動に対して大枚をはたく余裕がないことをすぐに理解した。
そこで、それまでのGTとは違ったよりレーシーな市販モデルの開発を画策した。そんな経緯で誕生したのが、ミウラであった。ミウラは1966年のデビューとともに世界のセレブリティたちが競ってオーダーを入れたとされる、超人気モデルだった。
マルチェッロ・ガンディーニの筆による美しいスタイリングと、初の大排気量ミッドマウントエンジンレイアウトモデルというキーワードがそこにはあったのだ。
そんな人気モデルであるにも関わらず、ミウラは1973年までしか販売されなかった。後継のカウンタックが16年にも渡ってカタログに載っていたのとは対象的である。
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■開発車が「失敗作」と評価する理由とは?
ミウラに開発に深く関わった人物のスリーショット。左からパオロ・スタンツァーニ、マルチェロ・ガンディーニ、ジャンパオロ・ダラーラ。
その理由に関して、パオロ・スタンツァーニは亡くなる少し前に筆者へ語ってくれた。
「ミウラは時代を作ったセンセーショナルなクルマであったことは間違いない。しかし、クルマ全体を初めて作ることになった私たちにとっては手に余った。多くの欠点があったのは事実なんだ。」と。
横置きエンジンレイアウトに起因する燃焼状態のばらつき、過大なギアノイズ、そしてフロントラジエーターレイアウトによるキャビンの過熱。
レースカーとしてなら問題のないこういった欠点は富裕ユーザーが運転する上では致命的であった。
「ブームに乗って注文を入れた顧客は、それに飽きるとクルマをすぐに手放し、言い方は難しいがあまりよくない客層がミウラを自慢げに乗り回すという状況になってしまった。よい客層は時間が育てるということだ。それまでのランボルギーニ愛好家達は、それを嫌がり、離れていってしまった。改良を加えたSVも、セールスは大苦戦だったんだ」ともスタンツァーニは話してくれた。
彼曰く、最大の失敗は脆弱な販売網が市場をコントロールできなかったということにあったというのだ。やはりフェラーリのブランディングに打ち勝つには、まだまだ長い時間が必要だったワケだ。
彼はミウラをして失敗作であったと奇しくも語ったが、それは彼が手掛けた後継のカウンタックでその失敗を十分にリカバーしたという大きな満足感があるからこそのコメントだったのではないか? 筆者はそう考えている。
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