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トヨタの「新エンジン」600馬力出る!? 「新ミッドシップ」は異例尽くし! みんなが気になるコトを聞いてみた! キーマン・高橋プレジデント&齋藤氏が誕生秘話語る!

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トヨタの「新エンジン」600馬力出る!? 「新ミッドシップ」は異例尽くし! みんなが気になるコトを聞いてみた! キーマン・高橋プレジデント&齋藤氏が誕生秘話語る!

■クルマ好きは皆驚いた? トヨタの「GRヤリス Mコンセプト」 どうやって誕生したのか

 東京オートサロン2025のトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)のテーマはニュルブルクリンク。

【画像】超カッコイイ! ド迫力の「凄いGRヤリス」を画像で見る

 モリゾウ氏も運転訓練を行なった80スープラから2025年に参戦するGRヤリスまで、トヨタの「もっといいクルマづくり」の挑戦の歴史が様々な形で展示されています。

 その中にサラッと展示されていたのが、TGRカラー(赤・白・黒)の唐草模様にラッピングされた「GRヤリス Mコンセプト」です。パッと見はノーマルから拡幅されたワイドボディですが、驚きは中身です。

 エンジンは東京オートサロン2024でモリゾウ氏がその存在をチラリと明かした2つのエンジンの内の直列4気筒2.0ターボ(G20Eと命名)を運転席の後ろ、つまりリアミッドシップに変更。

 その上で駆動方式は4WDと全てが“初めてづくし”のモデルなのです。

 すでにくるまのニュースをはじめ様々な自動車メディアから第一報が報じられています。

 今回は、GRカンパニープレジデントの高橋智也氏とGRヤリス開発責任者の齋藤尚彦氏に、筆者(山本シンヤ)がGRヤリス Mコンセプトについて、読者の皆さんが知りたいであろう様々な疑問を投げてみました。

―― 2020年にGRヤリスを発売して以降も「壊しては直し」を繰り返して鍛え上げてきました。その成果が2024年に登場した進化型ですが、Mコンセプトは進化と言うよりも“突然変異”に近い気がします(笑)。

 齋藤:いや、これも進化の過程だと思っています。

 GRヤリスを鍛えていく中で、我々は走りにおける“駆動”について解っているようで解っていないことに気が付きました。

―― もう少し具体的に言うと?

 齋藤:例えば、コーナー進入時にアクセルOFFからブレーキング時のようなシーンで、駆動系の介入はもの凄く細かい所をコントロールしなければいけないのに、我々は全然対応できていませんでした。

 その領域は今までは「制御でやればいい」、「サスペンション側でやればいい」と言う考えでしたが、駆動に勝るモノはないと。

 それがやっと解ってきました。

―― それとミッドシップの関係は?

 齋藤:我々もフロントエンジンの4WDで相当色々な事をやってきましたが、現状の構成では乗り越えられない所がありました。

 そんな時、モリゾウさんと佐々木選手から「ミッドをやってみないか」と提案されました。

―― GRヤリスはスポーツ四駆を忘れていた反省を元に開発されましたが、よくよく考えると、高出力エンジンを搭載したミッドシップも長い期間遠ざかっています。その辺りもこのクルマに込められているのでしょうか?

 齋藤:その通りです。文献を読み漁っても当時のノウハウは解らず……。

―― 実はレクサスLFAが登場した時、成瀬さんに「なぜ、トランスアクスルのFRを選択したのか」と聞くと、「トヨタが作るクルマは最後にドライバーを裏切ってはいけない。だからミッドシップではなくFR」と教えてくれました。ただ、あれから時が経ち、トヨタにも裏切らないミッドシップを作れる基礎体力ができたと考えていいでのしょうか?

 高椅:そんな自信などありません(汗)。

 本当にこのクルマを走らせると何が起きるのか? その正解が解らないので作ってみた……それに尽きます。

 ただ、GRヤリスを鍛え続けてきて「ついにそこに行かないと」と言える況に来た事も事実です。

 恐らく、やり続けてこなかったら、このような決断はしなかったと思います。

―― 実際のパフォーマンスはどうですか?

 高橋:まだ出来上がったばかりで走らせたと言っても転がした程度なので何も解りません。

 まずはテストでサーキットを1周走り切る事が目標といった感じです。

■新エンジンは600馬力イケるか!? Mコンセプトはいつ走る?

―― ここから「壊しては直す」が繰り返されるわけですね?

 齋藤:重いエンジンが後ろにある、リアは転舵しないのでこじりながら曲がる、前後と左右にデフが入る、エンジンは直接駆動などなど、懸念事項はたくさん。

 間違いなく最初はどこかが「ポキっ」といくでしょうね。加えて歯車の熱、摩擦などなど……。

―― モリゾウさんが提案したものの、それをやる/やらないの判断は高橋さんですよね? なぜ、やる決断をしたのでしょう?

 高椅:まずは1人のエンジニアとして「面白そう」と思いました。

 齋藤も言っていましたが、GRヤリスは「神に祈る時間がある」、つまりドライバーは困っているわけで、それを改善するアイデアならば「やらない理由はないでしょう」と。

 GRはドライバーに楽しんでもらうクルマづくりが身上ですので。

―― 「やりたいからやる」、「面白いからやる」、とてもいい響きです。

 齋藤:ただ、モリゾウさんに相談し始めた頃は、会社的には「検討すらダメ」な状況だったので、我々はアングラでやっていました。

 ただ、そんな時でも高橋さんは「やろうよ、僕の責任で」と守ってくれました。

―― 実はミッドシップ4WDはトヨタ初ではな1985年にMR2がベースのラリーマシンのプロトタイプ「222D」がありました。あのモデルは参考にされているのでしょうか?

 齋藤:もちろんです。レイアウトを含めて大変参考にさせていただきました。

 更に競合の先輩たちのクルマも勉強させてもらいましたが、「縦置きと横置き、どちらも良し悪しがある」と言う事が何となく解ってきました。

 その結果、我々は「横置きじゃないとダメだね」と言う結論に至りました。

―― 現状の車体構成はどんな感じですか?

 齋藤:前半分はGRヤリスのままでトレッドを拡大しています。

 リアは魔改造でサブフレーム/リアサスペンション共に新規で設計したモノです。

 でも、一品対応ではなくしっかりと図面を起こして進めています。

―― そういえば、トークショーではスクリーンにドカーンを図面が出て驚きました。「ここまで見せちゃうの?」と。

 齋藤:この通りになるかは解りません(笑)。

 実際に走らせるだけでなく、机上検討もしっかりと進めていきます。

―― エンジンはどうでしょうか?

 高橋:こちらもまだヨチヨチ歩きの状態です。

 このエンジンは今後更に厳しくなる排ガス規制、EURO7やTier4をクリアするために、全域ラムダワン燃焼で400psが目標です。

 もちろんレースでの使用を考えた時、そこを取っ払えば600ps以上はイケると思いますが。

 齋藤:このエンジンが本領発揮するためには、クルマ側も同じくらいの進化が必要です。

 新エンジンをやるなら、経験値のあるFF/FRでやるのが普通ですが、我々は1番厳しい所からやります。

 熱が厳しい、駆動のストレスも受ける、だから鍛えられると。

 高橋:ミッドシップだと排気の長さも短いのでサウンドや消音の話も「どうするの?」ばかりで、頭を抱える事ばかりです(笑)。

―― この取り組みは、当然プロダクトに繋がると思いますが、これがウワサの次期セリカになるのでしょうか? 歴代セリカを振り返ると、フルチョイスシステム(初代)、ツインカムターボ(3代目)、フルタイム4WD(4代目)、アクティブサスペンション/4WS(5代目)、スポーツABS(6代目)、など様々な挑戦を行なっています。単にGRヤリス/GRカローラの着せ替えだったら、セリカにならないような気がしています。

 高橋:勉強になりますね、そこまで考えていませんでした(汗)。

 この技術がどこに使われるかは置いておいて、GRヤリスMコンセプトはとても面白い題材です。

 このような題材があると人が集まってくる。そこが大きい。

 齋藤:ボディの構造、サスの作り方、駆動、エンジン、全てが新しいです。

 これをやりたい人は社内にたくさんいます。モリゾウさんはそれを見越して「このような人達が集まるようにしてみたら」と言ってくれました。

―― まさに新しい挑戦をしたい人「この指とまれ」ですね。

 高橋:まずはやってみて、どうするか考えましょうと。

 恐らく現状は底なし沼ですが、「本当に底なしなのか?」、「底はあるかもしれない」と。

 そこに飛び込みたいと言ってくれる人がいることが、嬉しいですね。

―― ちなみにトヨタの開発車両は数字と英語を組み合わせた開発コードが付きますが、もしかして「104M」ですか?

 高橋:ハズレですが、なかなかいい所を突いていると思いますよ(笑)。

―― すでにS耐で鍛える事が発表されていますが、いつ頃からでしょうか?

 高橋:夏の暑い頃ですかね? 今は本当にエンジンが載ったばかりの状態なので、ここからがスタートですね。

※ ※ ※

 なお高橋プレジデント、齋藤氏に話しを聞いたのちに、スーパー耐久シリーズ2025の第5戦となるオートポリス(7月26日・27日)への参戦を目指していることが明かされ、第6戦の岡山(10月25日・26日)でも参戦を検討しているようでした。

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みんなのコメント

5件
  • エガちゃんねらー
    狂気のグループBの再来か?
  • motorider
    昭和時代のクルマのカタログには最高速度が表示されていた頃が一時期ありました。オイルショックを境に表示はされなくなりましたが。ユーザーに何馬力と表示しても分かりにくいので最高何キロとしたそうです。でも、ほとんどがハッタリだったとか。何故なら試したくても高速道路が開通前。地方では舗装された道路が無い時代だったので。イメージで十分効果があったそうです。まあ、あの頃はチューブ入りのタイヤなので頑張っても100キロ超えが限界。今のクルマだって表示がネットになり実馬力に近いとメーカーは言ってるが、燃費を確保しながらの高出力を出すのはラインで流れる量産車では難しいと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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