■幻のヴィンテージカーから昭和の国民車まで! 大泥棒「ルパン三世」の華麗なる愛車遍歴
1967年の漫画連載開始以来、半世紀以上にわたり人気を集めている『ルパン三世』シリーズ。
【画像】超カッコいい!? これが「ルパン三世」シリーズに登場した「超名車」です
アニメ版には、実在するクルマが数多く登場することでも知られています。これまで、作品内で活躍してきた名車たちを振り返ってみましょう。
ルパン三世は、漫画家モンキー・パンチ氏(1937年~2019年)作の人気漫画作品。怪盗アルセーヌ・ルパンの孫「ルパン三世」と仲間たち、さらに宿敵・銭形警部との対決などを描き、原作漫画だけでなく、アニメを中心にこれまで多くの作品が製作されてきました。
その人気は令和の現代も衰えておらず、6月20日からは最新作『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』の配信が開始されています。また、同27日には2Dアニメとしては30年ぶりとなる劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』が全国公開となります。
そんなルパン三世ですが、主にアニメ作品ではクルマをはじめ、武器やファッションアイテムなどが、実在モデルを基に細かく描写されているのが特徴です。なかでもクルマはカーアクションで活躍することが多く、マニア必見となっています。
特に有名なのは、映画『カリオストロの城』に登場したルパンの愛車 フィアット「500(2代目)」でしょう。ヒロインのクラリスを助けるため、改造したフィアットで繰り広げられるカーチェイスは作品屈指の名シーン。映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏が絶賛するなど、世界的にも非常に高い評価を受けています。
2代目フィアット500は、1957年にイタリアで生まれた4人乗りの大衆車です。全長3mを切るきわめて小さなボディのリアに、500ccクラスの空冷2気筒エンジンを搭載し、安価な大衆車としてイタリア国民に広く親しまれました。
実は、フィアット500をルパンの愛車に選んだのは『カリオストロの城』の監督を務めた宮崎駿氏だったと言われています。宮崎氏は、1971年にルパン三世が初めてテレビアニメ化された際、シリーズの後半から制作に参加。作画監督だったアニメーターの大塚康生氏が乗っていたフィアット500を見て、ルパンの愛車に採用したとされています。
以降、フィアット500は多くのルパン作品に登場。1987年に製作された『風魔一族の陰謀』や、初の3DCGアニメとして映画化された2019年の『THE FIRST』などでもド派手なカーチェイスを演じています。
一方、テレビアニメ第1シリーズや劇場版第1作『ルパン対複製人間』など、青年漫画である原作の雰囲気が強く残った作品で活躍したのがメルセデス・ベンツ「SSK」です。
SSKは、戦前の1928年に作られたオープンタイプの2人乗りスポーツカーです。主に山岳レースで勝つことを目的に開発されたSSKは、ベースモデルである「ベンツSS」のホイールベースを45センチ短縮し、コーナリングに特化したマシンとなっていました。
設計したのは、当時メルセデス・ベンツのエンジニアだったフェルディナンド・ポルシェ氏。ベンツSS譲りの7.1リッター直列6気筒OHC、スーパーチャージャー付エンジンを搭載し、仕様によっては最高出力250ps、最高速度235km/hを発揮したとされています。レース用の高価で特殊なモデルだったため、生産台数はわずか30数台程度でした。
ルパン三世においては、1968年に試験的に作られたアニメパイロットフィルムにて、ルパンの愛車として黄色と黒のツートンカラーのSSKが登場。エンジンはフェラーリ製の12気筒エンジンに換装され、最高速度300km/hをマークするカスタムカーという設定になっていました。
当初、怪盗ルパンの莫大な財産を持て余し、享楽的に困難な盗みへ挑む男として描かれていたルパン三世。1920年代のヴィンテージ期を代表する名車であるSSKは、キケンで大人な雰囲気が漂う初期のルパンを象徴する1台と言えるでしょう。
また『カリオストロの城』のイメージが定着した平成以降の作品では、ルパンはフィアット500のようなリアエンジンの小型車を好みました。
2000年のテレビスペシャル『1$マネーウォーズ』では、昭和期に庶民の足として親しまれた軽自動車 スバル「360」をチョイス。元航空機メーカーである富士重工(現スバル)が開発したモデルだけに、オープニングではグライダーに変形し、敵の追跡から逃れています。
さらに2018年のテレビアニメ第5シリーズ『ルパン三世 PART5』では、1960年代のフランス製スポーツサルーン ルノー「8ゴルディーニ」が登場。ルパンと過去に因縁のあるライバル、アルベールから譲り受けたゴルディーニには、自動運転機能などのハイテク装備も満載。ネットワーク犯罪が発達した現代を舞台とした、スリリングなストーリーに花を添えました。
■原点回帰を目指した「LUPIN THE IIIRD」シリーズに登場する名車たち!
テレビアニメ初期の頃の若きルパンたちを描く作品として始まったのが、スピンオフである「LUPIN THE IIIRD」シリーズです。2014年の第1弾『次元大介の墓標』以来、毎回メインキャラ1人ずつにスポットを当て、彼らを狙う凄腕の殺し屋との対決を通して、キャラクターの魅力を掘り下げる展開となっています。
このシリーズでは従来の作品にも増して、クルマやアイテム類へのスタッフのコダワリが炸裂。まず「次元大介の墓標」でルパンたちの逃走の足として登場したのが、アルファロメオ「1750GTV」です。
アルファロメオ1750GTVは、名車 アルファロメオ「ジュリアスプリント」のマイナーチェンジ版として1967年にデビューしたモデル。約1.8リッターの排気量から122psを発揮する直列4気筒DOHCエンジンが魅力的な、小型の2ドアスポーツクーペでした。
また、この作品における印象的なキャラクターが、標的の墓を事前に用意する謎のスナイパー、ヤエル奥崎。彼が乗っていたのが、310psの4.7リッターV型8気筒エンジンを搭載した大型ミッドシップスーパーカー マセラティ「ボーラ」です。
1971年に発表されたこのクルマは、マセラティ初のミッドシップ車。伸びやかで気品あるスタイリングや、フランスのシトロエン譲りの油圧式車両制御システムなどが独特な1台です。早打ち対決で次元を倒したヤエル奥崎は、ボーラでルパンと次元を執拗に追跡します。
「LUPIN THE IIIRD」シリーズは、2017年に第2弾『血煙の石川五エ門』が完成。居合抜きの達人、13代目石川五エ門にフォーカスした本作では、日本の公安警察の刑事として、銭形警部も活躍します。
銭形警部といえば、『カリオストロの城』でも愛用していた埼玉県警仕様のダットサン「ブルーバード(410型)」のパトカーが印象深いですが、本作の彼が運転していたのは黒いプリンス「グロリアスーパー6」。
グロリアは「プリンス自動車」の民間向け最高級セダンでした。なかでも、1962年にフルモデルチェンジした2代目グロリアに、国産初となる直列6気筒OHCユニットを搭載したモデルがスーパー6。105psのハイパワーと直6エンジンならではの滑らかさを売りにしていました。 なお同社は、1966年に日産自動車に吸収合併されて消滅しています。
シリーズ第3弾は、敵か味方かわからない謎の女、峰不二子が主役の『峰不二子の嘘』(2019年)。大企業の莫大な横領金の隠し場所を知る少年、ジーンとの逃避行で活躍するのが、彼女の愛車 ランボルギーニ「ハラマ」です。
ランボルギーニでは最後のフロントエンジンモデルとなったハラマは、1970年に登場。V型12気筒で350psのパワフルな心臓を持つ一方、2+2サイズの後部座席を持つ実用的なスポーツカーでした。実際、劇中では不二子とジーンに加え、後席にルパンと次元が乗って行動するシーンも描かれています。
※ ※ ※
今回は、ルパン三世シリーズに登場する代表的なクルマたちを紹介しました。あくまで作品に花を添える脇役的な存在である劇中車ですが、どのクルマもキャラクターに負けず劣らず、強い魅力を放っています。
劇中車は、キャラクターの性格や人間性を理解する手がかりのひとつでもあります。これを機会に、クルマに注目して作品を鑑賞してみるのも楽しいかもしれません。(山藤雄一)
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