9月30日、2026年用スーパーGT・GT500車両のプロトタイプをお披露目したホンダ・レーシング(HRC)。来季はベース車両をシビック・タイプRからプレリュードに変更しての挑戦となるが、開発陣がその経緯などを語った。
2024年シーズンにベース車両をNSXからシビックに変更したホンダ陣営は、以降の約1年半で1勝にとどまるなど、台頭するトヨタ・GRスープラとは対照的に苦戦を強いられてきた。そんな折、ホンダは2025年9月5日に新たなハイブリッドスポーツクーペとして6代目プレリュードの発売を開始したが、スーパーGTでも来シーズンからプレリュードをベースとしたGT500車両が見られることとなった。
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HRCによると、新型プレリュードが発表された時点で、スケーリング(ベースとなる車両のデザインを落とし込みながらGT500規則の寸法に合わせること)をしたモデルをCFD(いわゆるコンピュータ解析)にかけるなどしてポテンシャルの確認などを進めていたという。そして彼らとしては、プレリュードへのスイッチによって“より高い到達点”を目指せるという期待感を持っている。
HRCのスーパーGTプロジェクトリーダーである佐伯昌浩氏は次のように述べた。
「現在のシビック・タイプR-GTを来年に向けて進化させていけば、さらに良くなると考えています。ただ各社非常に高いレベルで競い合っている現行規則の中で、この2年間の知見をプレリュードベースのスーパーGTマシン開発に反映することにより、シビック・タイプR-GTよりも高い到達点を目指せる余地があると我々は考えております」
「また、2026年は規則上空力開発が可能になる年度であり、ここを逃すと(開発凍結解除は)何年か先になるということから、このタイミングでのベース車変更となりました」
「今回久しぶりにクーペボディのプレリュードが登場したことは、我々にとって新たなチャレンジができるチャンスと受け止めています。また今後ホンダからこのような市販車が継続して登場できるように、スーパーGTで結果を出していきたいと思いますので、今後の活躍にご期待ください」
「またシビック・タイプRファンの皆様には、引き続きスーパー耐久や世界中で行なわれているTCRの方で活躍を応援していただければと思います」
前述の通り、水面下では構想があったプレリュードだが、実際の車両が組み上がったのはつい最近だという。そのため、お披露目の翌日にスポーツランドSUGOで早速シェイクダウンが行なわれるスケジュールとなる。
やはり気になるのは、プレリュードがどんなポテンシャルを持っているかという点。NSXからシビックへのスイッチの際には、ダウンフォース量が多くコーナリングマシンであった車両から、空気抵抗(とダウンフォース量)が減少した“レスドラッグ”な車両になるという、大きなキャラクター変化が見られた。
車体開発責任者の徃西友宏氏は、プレリュードへの変更でも大きなキャラクター変化があると認めた一方、具体的にどのような特性のマシンになるのかについては言及しなかった。結局のところ、どんな車両性能に落ち着くかは今後の「味付け次第」……ということなのかもしれない。徃西氏は次のように語った。
「NSXからシビックに変更した際も大きなキャラクター変更がありましたが、今回のプレリュードもキャラクター変更はかなりあります」
「この“キャラクター”については良し悪しというよりも、まさに性格の違いといったところですから、素材の持っているものをどう活かしてレースで強いクルマにするか、工夫が必要になってくると思います。ですからNSXやシビックに対してどうかというのはひと言ではお答えしづらいのですが、また別の狙いを持って性能を高める作業が必要になると思っています」
いずれにせよ、ホンダ陣営としてはライバル陣営……特に現在のGT500を席巻しているスープラの独走を止めたいところだろう。
特に現在のスープラが秀でている点としてよく指摘されるのが、あらゆる状況で安定して機能するという点。徃西氏も、今のGT500では「適切なシチュエーションで適切なダウンフォースを出す」ことが重要であり、ホンダは「どんなシチュエーションでも高いパフォーマンスを発揮できる車両」をシビックの時代から目指してきたと語る。つまり、目指す車両のコンセプト自体がプレリュード化によって大きく変わるわけではない。
佐伯氏のコメントにもあった通り、2026年はオフの空力開発解禁の年。そこに合わせてベース車を変えてくるのはホンダのみと見られるが、徃西氏は「このタイミングでのベース車両変更も同時に行なうのはある意味非常にチャレンジングなところではありますが、このチャンスを最大限に活かせるよう、プレリュードで2026年モデルを作るところに集中していきます」と意気込んだ。
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みんなのコメント
市販車とはほとんど関係ないでしょ。