大河「荒川」の細い支流にかかる短い橋たち
埼玉県の中央地域と西部地域を分ける「荒川」。各所に架けられた長い橋には交通が集中しがちで、朝夕の混雑時の渋滞が顕在化しているところもあります。
ところが荒川水系には、こうした両岸を直接結ぶ長い橋とは別に、“知る人ぞ知る橋”がいくつも存在していることをご存じでしょうか。
じつは荒川の中流域では、堤防と堤防の間の大部分が河川敷や藪となっており、幅わずか数メートルから十数メートル程度の本流やいくつかの支流が、そうした河川敷や藪の中を流れています。そして、それらの細い流れの部分だけを渡る短い橋が、必要に応じて架けられているのです。
こうした橋は、豪雨などで荒川が増水した際には川の中に沈むため、「沈下橋」や「冠水橋」と呼ばれます。沈下橋は四国の四万十川などが有名ですが、実は埼玉にも多く存在します。こうした橋のなかには、増水時に橋そのものが川の流れで破壊されないよう、欄干などは必要に応じて取り外せる鉄柱やロープなどの簡易的な構造をしているものもあります。
沈下橋の多くは堤防から離れており、一般のドライバーの目にとまることはほとんどありません。ただその一部は、地域交通の重要なルートとして機能しています。
沈下橋経由の短絡ルートも
その代表例が、荒川の支流である入間川にかかる「出丸橋」と、本流にかかる「樋詰橋」です。ふたつの橋を通るルートは、埼玉県川越市北東部と桶川市南西部もしくは上尾市西部を短絡する近道となっています。
この区間を幹線道路で走るには、入間川を「入間大橋」で、荒川を「開平橋」で渡る南回りの県道51号を使うか、入間川(および支流の越辺川)を「釘無橋」で、荒川を「太郎右衛門橋」で渡る北回りの県道12号を使うことになります。
しかし出丸橋から樋詰橋を通るルートは、その両県道のちょうど中間を走り、かつ交通混雑とは無縁のため、出発地と目的地によっては非常に都合のいい選択となります。
ナビに案内されることはほぼない
ただし、このルートは両端にはっきりとした案内表示がなく、また車載カーナビはもちろん、スマホのナビアプリでも案内されることが少ないため、決してわかりやすいとは言えません。
では実際にどのようなルートとなるのか、川越市側から桶川市・上尾市側に抜けることを想定し、ご案内しましょう。
川越市側の起点は、同市芳野台の「川越工業団地」となります。そのほぼ中央の北側にある「中央駐車場」の通路を北に進むと、通路はそのまま入間川右岸の堤防に上がるスロープとなり、堤防を越えると河川敷へと下ります。その先にあるのが出丸橋です。
出丸橋の幅員は2mですが、橋の向こうまで見通しが良いため、対向車と譲り合って通ることは難しくありません。橋を渡り、そのまま道なりに進むと左岸の堤防に出ます。これをスロープで上り下りすると、農地と住宅が混在するエリアに入ります。
さらに進み、県道339号の信号を直進すると、今度は荒川右岸の堤防が現れます。この堤防を上がった先は、治水のために川の流れと直角に作られた「横堤」上の道路となります。
その横堤は約500mで終了し、河川敷へ降りてしばらく進んだところにあるのが樋詰橋です。こちらは幅員1.8mと、出丸橋よりもやや狭くなっていますが、実際には全幅1.8m近い3ナンバー車でもそれほど神経を使わずに通過できる幅が確保されています。また見通しのよさも出丸橋と同様です。
樋詰橋の先には明確な堤防はなく、緩やかな坂道を上がると中央線のある桶川市道に出ます。ここから国道17号「上尾道路」までは約300mです。この区間の距離は約3.5kmで、クルマでの所要時間はおおむね7分から8分となり、先に挙げた南回り、北回りよりも大幅な時短が可能です。
通行の際には注意も必要
ただし、こうした便利なルートであっても、走行には注意点が多々あります。
まず、2つの橋がいずれも沈下橋であるため、増水時には通行止めとなります。また通行止めにならない場合でも、集中豪雨の際には通行にリスクがあると考えるべきでしょう。
夜間の通行も推奨できません。堤防や河川敷部分には照明がなく、不慣れな状態で走行すると、路肩から脱輪する可能性もあります。加えて、鹿やタヌキなど野生動物との衝突リスクも考慮する必要があります。
もう1つ留意すべきなのが、雨が上がった後の走行です。河川敷部分の道路は、一般の道路に比べ排水性が悪く、雨上がりには流れてきた泥によりぬかるみが生じることがあります。スタックすることはないにせよ、クルマが泥だらけになることは避けられないでしょう。
クルマの汚れが気になる人は、雨上がりに通行する際、対向車の“泥汚れ具合”をチェックして、通行するかどうかを判断するのが賢明です。(植村祐介(ライター&プランナー))
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