思い出づくりに貢献したシトロエンC4
束の間の遊び心へ任せるか。本気のお付き合いか。AUTOCARの読者なら、自問自答したことがおありだろう。心惹かれる異性のことではない。クルマ選びのことだ。
【画像】荒波に埋もれる逸材か? シトロエンe-C4 マックス サイズの近い電動モデルはコレ 全216枚
筆者は先日、アフリカの西に浮かぶ島々、カナリア諸島のラス・パルマスで休暇を過ごした。そこでの数日間をともにしたのは、家族と、レンタカーのシトロエンC4。赤道から遠くない陽光を受け、純白のボディは眩しく輝いていた。
1.2L 3気筒ガソリンエンジンを積み、グラン・カナリア島の中心部、世界遺産でもある山岳地帯を元気に駆け回った。大きすぎないボディに肉厚なタイヤ、クロスオーバーらしい156mmの最低地上高で、舗装されていない浜辺の小道にも怯む必要はなかった。
大人4人と大きなスーツケースを数個、スタイリッシュなフォルムは問題なく受け止めた。エアコンは良く効き、特別な思い出づくりに貢献してくれた。
荒波に埋もれるコスパに長けた逸材か?
余りの好印象から、グレートブリテン島へ戻った翌日、C4をお借りする手配を済ませたほど。正直なところ、2026年に際立つモデルとはいいにくい。あの恋心は、島国という異環境が生んだものなのか、確かめたいと思ったからだ。
近年は、背の高いSUVがクルマ市場の主役。英国には、次々に中国のバッテリーEVが上陸し、猛威を振るっている。コストパフォーマンスに長けた逸材が、その波に埋もれている可能性はあるだろう。過小評価されたモデルもあるはず。
ただし今回準備したのは、ピュアテック・エンジンを積んだC4ではなく、e-C4。156psの駆動用モーターで走るEVだ。
英国では、政府の補助金を差し引くと、約2万6000ポンド(約546万円)でエントリーグレードへ乗ることができる。今回やって来たe-C4 マックスでも、ほぼ3万ポンド(約630万円)で迎えられる。
普段使いに充分な413kmの航続距離
駆動用バッテリーは50.8kWhで、航続距離は413kmと、普段使いには充分。ステアリングホイールとシートのヒーターに加えて、アダプティブ・クルーズコントロール、ヘッドアップ・ディスプレイ、バックカメラなど装備は充実している。
美しい造形の18インチ・ホイールを包むのは、扁平率60のタイヤ。従来より15mmフォーム材が厚くなったシートとともに、しなやかな乗り心地をアシストし、ツヤツヤのリムへガリキズを付ける恐れを減らしている。
現在のC4には、ハッチバックボディの他、リアが伸ばされたC4 Xもある。どちらも特徴的なスタイリングをまとい、ライバルへ劣らない実用性を叶えている。背が高めのシルエットで、クロスオーバーらしい雰囲気ながら、威圧感とは別のベクトルを向いている。
必要な機能を簡単に操作できる当たり前
インテリアは、ひと回り小さいC3より上質。風合いの良い素材が用いられ、人間工学的にも優れる。ドアポケット付近は、蹴られる前提でハードな樹脂製のままだが、それより上側はソフトタッチ加工され肌触りも良い。
タッチモニターは、ダッシュボード上部へ上品に一体化。二段に別れたグローブボックスは便利で、上段は引き出し式でトレイのように使え、役所の書類などもしまえる。
ダッシュボード上のボタンを押せば、タッチモニターへ運転支援システムのメニューが表示され、不要な項目をオフにできる。その横にはボリューム用のダイヤルが、下には物理スイッチが並ぶエアコンの操作パネルが、レイアウトされている。
必要な機能を簡単に操作でき、運転中でも気を揉むことは殆どない。当たり前のことに思えるが、2026年では多くのモデルが実現できてはいない。
この続きは、シトロエンe-C4 マックス(2)にて。
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