シリーズIIとVが最も魅力的なバランス
サンビーム・アルパインは、シリーズIからVまで動力性能は殆ど変化しなかった。アルパイン・シリーズIVのAT仕様や、シリーズIIIのGT仕様は他より遅く、エンジン交換やチューニングは一般的。最も魅力的なバランスにあるのは、シリーズIIとVだろう。
【画像】実は007初のボンドカー サンビーム・アルパイン 同時期のブリティッシュ・スポーツたち 全166枚
ツイン・ウェーバーキャブレター化や、ホルベイ仕様のチューニングエンジンへの換装は、新車時代に人気だったアップグレード。他方、低出力のサンビーム・レイピア用エンジンが載っていることもある。
エンジンは無鉛ガソリンに耐えるものの、内部の劣化が進んでいると、ガスケットが割れたりアルミ製ヘッドが破損することも。試乗時はソフトトップを閉めるか、ある場合はハードトップを被せたい。エンジンやトランスミッションの異音へ気付きやすい。
オーバーヒート傾向がないか確かめるには、15km以上は走りたい。その後停止し、エンジンをしばらく回しておくと、兆候をうかがえる。
気品漂う雰囲気 ライバルを凌駕する快適性
4速MTにはオプションでオーバードライブを指定でき、高速道路での走りに大きな違いを与えた。ギア比やアクスル比は、シリーズやオーバードライブの有無で異なる。オールシンクロにオーバードライブ付きのシリーズV用ユニットが、ベストといえる。
ステアリングの精度はそこまで優れないが、滑らかに操れる。過度に重くないか、遊びが大きくないか、試乗でじっくり吟味したい。
テールフィンが控えめに伸びたスタイリングは、ケネス・ハウズ氏。ロング&ローなプロポーションに仕上がっている。ドアは大きく乗り降りしやすく、サイドへ回り込んだフロントガラスは、ロードスターとして当時の競合を凌駕する快適性に貢献している。
MGAやMGB、トライアンフTRシリーズに並ぶ性能は備わらずとも、気品漂う雰囲気が大きな魅力。ボディは耐久性が高く、長距離ドライブでの疲労も控えめ。天候に左右される可能性も低い。理想的な、ブリティッシュ・クラシックスポーツの1台だ。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
ヘッドライト周辺や前後のフェンダー、ホイールアーチの内側、フロントガラスの付け根、フロントピラー、サイドシル、ジャッキアップポイントなどが錆びやすいポイント。シャシーのアウトリガーやドアの底部など、見えにくい部分にも要注意。
フロアパネルや荷室の床回り、バッテリーボックス、リアのサスペンション・スプリングマウントなども錆びがち。ハードトップやバランスパネルの状態も観察したい。片側をジャッキアップして、ドアの位置が明らかにずれないか、たわみ具合も確かめる。
ソフトトップは、状態が良ければきれいに開閉できるが、作業は少し難しい。
エンジン
スチール製ブロックにアルミ製ヘッドが載る4気筒エンジンは、10万kmから16万km毎にリビルドが必要。ノッキング音や過度なオイル消費がないか確かめたい。キャブレターをリフレッシュする部品は、まだ入手しやすい。
基本的にエンジンはメンテナンスが容易で、力強い。シリーズIIIではエアフィルターボックスは備わらず、性能が振るわなかった。シリーズVの吸気回りは、パンケーキのよう。
冷却系
初期のアルパインには、独立したヘッダータンクを備えたクロスフロー・ラジエターが組まれていた。内部に堆積物が溜まりやすい。
アルミ製シリンダーヘッドの腐食により、クーラントの経路が詰まりがち。ヘッド付近からの漏れや、オーバーヒートの兆候がないか確かめたい。オイルフィラーキャップを開いて、乳化したオイルが付着していないかも観察したい。
トランスミッション
過去にトランスミッションが交換された可能性は、ゼロではない。オリジナルか、互換性に優れたユニットが組まれているか確認する。変速が滑らかか、異音がないかも確かめたい。クラッチの滑りやシンクロメッシュの劣化、走行中のギア抜けにも要注意。
サスペンションとブレーキ
リアスプリングは劣化しがち。ジョイントやブッシュ類は摩耗しがち。1964年式までは、定期的なグリスアップが必要とされた。
ブレーキは、長く保管されていた車両などで固着しがち。
サンビーム・アルパインのまとめ
サンビームが、グランドツアラー志向で開発したロードスター、アルパイン。大陸をまたぐ移動でも疲労度は小さく、運転を楽しめるオールラウンダーに仕上がっている。当時の自動車雑誌、モーター誌は「ビジネスマン・エクスプレス」だと表現した。
現在の価格は、仕様や状態、オリジナル度の高さによって左右される。シリーズによる違いはあるため、希望のアルパインを探す価値はあるだろう。英国では数が少なくなく、比較的お買い得な価格で取引されているのがうれしい。
良いトコロ
オリジナル度が高くても、売買価格は現実的な範囲。アップグレードもしやすい。英国には心強いオーナーズクラブや専門ガレージなどが存在する。
良くないトコロ
複雑なボックスセクション構造のシャシーは、望ましい状態へレストアするのに費用と手間がかかる。目立たない場所で腐食が進みがち。改造された例は多く、ボディやインテリアのトリム部品は探しにくい。
サンビーム・アルパイン(1959~1968年/英国仕様)のスペック
英国価格:852~913ポンド(新車時)
生産数:6万9251台
全長:3950-3975mm
全幅:1537-1562mm
全高:1315-1335mm
最高速度:149-160km/h
0-97km/h加速:13.0~18.0秒
燃費:7.8-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:993-1013kg
パワートレイン:直列4気筒1494・1592・1725cc 自然吸気 OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:79ps/5300rpm-83ps/5500rpm
最大トルク:12.3kg-m/3400rpm-14.2kg-m/3700rpm
ギアボックス:4速マニュアル/3速オートマティック(後輪駆動)
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