現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 気品漂う雰囲気が魅力 サンビーム・アルパイン UK版中古車ガイド(2) シリーズIIとVがベストバランス

ここから本文です

気品漂う雰囲気が魅力 サンビーム・アルパイン UK版中古車ガイド(2) シリーズIIとVがベストバランス

掲載
気品漂う雰囲気が魅力 サンビーム・アルパイン UK版中古車ガイド(2) シリーズIIとVがベストバランス

シリーズIIとVが最も魅力的なバランス

サンビーム・アルパインは、シリーズIからVまで動力性能は殆ど変化しなかった。アルパイン・シリーズIVのAT仕様や、シリーズIIIのGT仕様は他より遅く、エンジン交換やチューニングは一般的。最も魅力的なバランスにあるのは、シリーズIIとVだろう。

【画像】実は007初のボンドカー サンビーム・アルパイン 同時期のブリティッシュ・スポーツたち 全166枚

ツイン・ウェーバーキャブレター化や、ホルベイ仕様のチューニングエンジンへの換装は、新車時代に人気だったアップグレード。他方、低出力のサンビーム・レイピア用エンジンが載っていることもある。

エンジンは無鉛ガソリンに耐えるものの、内部の劣化が進んでいると、ガスケットが割れたりアルミ製ヘッドが破損することも。試乗時はソフトトップを閉めるか、ある場合はハードトップを被せたい。エンジンやトランスミッションの異音へ気付きやすい。

オーバーヒート傾向がないか確かめるには、15km以上は走りたい。その後停止し、エンジンをしばらく回しておくと、兆候をうかがえる。

気品漂う雰囲気 ライバルを凌駕する快適性

4速MTにはオプションでオーバードライブを指定でき、高速道路での走りに大きな違いを与えた。ギア比やアクスル比は、シリーズやオーバードライブの有無で異なる。オールシンクロにオーバードライブ付きのシリーズV用ユニットが、ベストといえる。

ステアリングの精度はそこまで優れないが、滑らかに操れる。過度に重くないか、遊びが大きくないか、試乗でじっくり吟味したい。

テールフィンが控えめに伸びたスタイリングは、ケネス・ハウズ氏。ロング&ローなプロポーションに仕上がっている。ドアは大きく乗り降りしやすく、サイドへ回り込んだフロントガラスは、ロードスターとして当時の競合を凌駕する快適性に貢献している。

MGAやMGB、トライアンフTRシリーズに並ぶ性能は備わらずとも、気品漂う雰囲気が大きな魅力。ボディは耐久性が高く、長距離ドライブでの疲労も控えめ。天候に左右される可能性も低い。理想的な、ブリティッシュ・クラシックスポーツの1台だ。

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

ヘッドライト周辺や前後のフェンダー、ホイールアーチの内側、フロントガラスの付け根、フロントピラー、サイドシル、ジャッキアップポイントなどが錆びやすいポイント。シャシーのアウトリガーやドアの底部など、見えにくい部分にも要注意。

フロアパネルや荷室の床回り、バッテリーボックス、リアのサスペンション・スプリングマウントなども錆びがち。ハードトップやバランスパネルの状態も観察したい。片側をジャッキアップして、ドアの位置が明らかにずれないか、たわみ具合も確かめる。

ソフトトップは、状態が良ければきれいに開閉できるが、作業は少し難しい。

エンジン

スチール製ブロックにアルミ製ヘッドが載る4気筒エンジンは、10万kmから16万km毎にリビルドが必要。ノッキング音や過度なオイル消費がないか確かめたい。キャブレターをリフレッシュする部品は、まだ入手しやすい。

基本的にエンジンはメンテナンスが容易で、力強い。シリーズIIIではエアフィルターボックスは備わらず、性能が振るわなかった。シリーズVの吸気回りは、パンケーキのよう。

冷却系

初期のアルパインには、独立したヘッダータンクを備えたクロスフロー・ラジエターが組まれていた。内部に堆積物が溜まりやすい。

アルミ製シリンダーヘッドの腐食により、クーラントの経路が詰まりがち。ヘッド付近からの漏れや、オーバーヒートの兆候がないか確かめたい。オイルフィラーキャップを開いて、乳化したオイルが付着していないかも観察したい。

トランスミッション

過去にトランスミッションが交換された可能性は、ゼロではない。オリジナルか、互換性に優れたユニットが組まれているか確認する。変速が滑らかか、異音がないかも確かめたい。クラッチの滑りやシンクロメッシュの劣化、走行中のギア抜けにも要注意。

サスペンションとブレーキ

リアスプリングは劣化しがち。ジョイントやブッシュ類は摩耗しがち。1964年式までは、定期的なグリスアップが必要とされた。

ブレーキは、長く保管されていた車両などで固着しがち。

サンビーム・アルパインのまとめ

サンビームが、グランドツアラー志向で開発したロードスター、アルパイン。大陸をまたぐ移動でも疲労度は小さく、運転を楽しめるオールラウンダーに仕上がっている。当時の自動車雑誌、モーター誌は「ビジネスマン・エクスプレス」だと表現した。

現在の価格は、仕様や状態、オリジナル度の高さによって左右される。シリーズによる違いはあるため、希望のアルパインを探す価値はあるだろう。英国では数が少なくなく、比較的お買い得な価格で取引されているのがうれしい。

良いトコロ

オリジナル度が高くても、売買価格は現実的な範囲。アップグレードもしやすい。英国には心強いオーナーズクラブや専門ガレージなどが存在する。

良くないトコロ

複雑なボックスセクション構造のシャシーは、望ましい状態へレストアするのに費用と手間がかかる。目立たない場所で腐食が進みがち。改造された例は多く、ボディやインテリアのトリム部品は探しにくい。

サンビーム・アルパイン(1959~1968年/英国仕様)のスペック

英国価格:852~913ポンド(新車時)
生産数:6万9251台
全長:3950-3975mm
全幅:1537-1562mm
全高:1315-1335mm
最高速度:149-160km/h
0-97km/h加速:13.0~18.0秒
燃費:7.8-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:993-1013kg
パワートレイン:直列4気筒1494・1592・1725cc 自然吸気 OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:79ps/5300rpm-83ps/5500rpm
最大トルク:12.3kg-m/3400rpm-14.2kg-m/3700rpm
ギアボックス:4速マニュアル/3速オートマティック(後輪駆動)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

神奈川発の「座って帰れる列車」新設 東急の“有料座席指定サービス”東横線で拡充
神奈川発の「座って帰れる列車」新設 東急の“有料座席指定サービス”東横線で拡充
乗りものニュース
アウディ『Q3』新型、ハンガリー工場で量産開始
アウディ『Q3』新型、ハンガリー工場で量産開始
レスポンス
クロスラインの応酬で『激アツ』だった山下健太vs大湯都史樹の同胞GRスープラ攻防戦【第3戦決勝あと読み】
クロスラインの応酬で『激アツ』だった山下健太vs大湯都史樹の同胞GRスープラ攻防戦【第3戦決勝あと読み】
AUTOSPORT web
マツダ「“新”2ドアスポーツカー」登場へ! 高額な「700万円仕様」は“匠”仕上げの「2リッター・200馬力エンジン」搭載! 上質インテリアも採用の「ロードスター 12R」に期待
マツダ「“新”2ドアスポーツカー」登場へ! 高額な「700万円仕様」は“匠”仕上げの「2リッター・200馬力エンジン」搭載! 上質インテリアも採用の「ロードスター 12R」に期待
くるまのニュース
新グレードは550万円切り!? 豪華な70周年記念車も登場!! クラウン スポーツがより魅力的に激進化!!
新グレードは550万円切り!? 豪華な70周年記念車も登場!! クラウン スポーツがより魅力的に激進化!!
ベストカーWeb
【速報】メルセデス初の電動ワゴン、新型「CLAシューティングブレーク」登場。「航続距離761km」「光る星空ルーフ」など独自の魅力とは?
【速報】メルセデス初の電動ワゴン、新型「CLAシューティングブレーク」登場。「航続距離761km」「光る星空ルーフ」など独自の魅力とは?
LEVOLANT
住友ゴムとNEC、研究開発基盤や新規事業の創出で戦略的パートナーシップ
住友ゴムとNEC、研究開発基盤や新規事業の創出で戦略的パートナーシップ
日刊自動車新聞
電源モジュール大手の米バイコー、SDV時代の電源ソリューション出展へ…人とくるまのテクノロジー展2025 NAGOYA
電源モジュール大手の米バイコー、SDV時代の電源ソリューション出展へ…人とくるまのテクノロジー展2025 NAGOYA
レスポンス
「空港用消防車」街の消防車とどう違う? 見た目は巨大! 操縦者に聞く“乗り心地”とは
「空港用消防車」街の消防車とどう違う? 見た目は巨大! 操縦者に聞く“乗り心地”とは
乗りものニュース
鴻海よりも先!! 問題は価格? やっぱり追浜で新型キックスを作ってほしい!!!
鴻海よりも先!! 問題は価格? やっぱり追浜で新型キックスを作ってほしい!!!
ベストカーWeb
日産、ホンダ車を米工場で生産、基盤ソフトの共通化も[新聞ウォッチ]
日産、ホンダ車を米工場で生産、基盤ソフトの共通化も[新聞ウォッチ]
レスポンス
ホンダ新型「NSX」!? 斬新“グリーンライト”デザイン&迫力ボディがスゴイ! ホンダの” 高級スーパーカー”「Acura Electric Vision Design Study」は何だった? JMSでの展開にも期待
ホンダ新型「NSX」!? 斬新“グリーンライト”デザイン&迫力ボディがスゴイ! ホンダの” 高級スーパーカー”「Acura Electric Vision Design Study」は何だった? JMSでの展開にも期待
くるまのニュース
ベクター、車載通信や自動運転向けソリューションを出展予定…人とくるまのテクノロジー展 2025 NAGOYA
ベクター、車載通信や自動運転向けソリューションを出展予定…人とくるまのテクノロジー展 2025 NAGOYA
レスポンス
キーキー ゴトゴト…… その音放置すると危険です!!  愛車を長持ちさせたいなら5つの異常音を見逃すべからず 即修理すべし!!!
キーキー ゴトゴト…… その音放置すると危険です!!  愛車を長持ちさせたいなら5つの異常音を見逃すべからず 即修理すべし!!!
ベストカーWeb
【トヨタ】クラウンスポーツに520万円の最廉価グレードが誕生
【トヨタ】クラウンスポーツに520万円の最廉価グレードが誕生
Auto Prove
雑魚寝の大部屋「廃止できません!」個室は確かに人気だが… 東北-北海道むすぶ「太平洋フェリー」その利用実態とは
雑魚寝の大部屋「廃止できません!」個室は確かに人気だが… 東北-北海道むすぶ「太平洋フェリー」その利用実態とは
乗りものニュース
メンタル面が課題のノリス、経験が大きな力に「緊張を興奮に、興奮を自信に変えることができている」
メンタル面が課題のノリス、経験が大きな力に「緊張を興奮に、興奮を自信に変えることができている」
motorsport.com 日本版
劇的に流麗! アウディ『Q3スポーツバック』新型に備えよ
劇的に流麗! アウディ『Q3スポーツバック』新型に備えよ
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村