今ならまだ安価に手に入る924
text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)
2+2のポルシェが、5000ポンド(67万円)で手に入る。クラシックモデルの価格上昇が止まらない中で、この金額で手に入るポルシェがあるとは信じがたい。
古くからの924のファンには嬉しくはない値段かもしれないが、事実ではある。ちなみに924という名前は、フォルクスワーゲンとの開発コードネームに由来する。
今なら124psの2.0Lエンジンを搭載し、10万kmほど走行した1984年式の標準グレードの924が、英国では5000ポンド(67万円)で買えてしまう。整備記録もしっかり残っている。
この価格は個人売買での話。使用歴や整備内容、信頼性などを、オーナーへ質問できるのがメリット。
もし興味の湧くクルマが見つかったら、試乗で水温や油圧の変化を確かめたい。サスペンションのヘタりや、エンジンオイル漏れも確認しよう。状態が悪くなければ、取引を進めて良いだろう。
気になる最近の傾向としては、兄貴分のポルシェ944の価格が上昇し始めていること。これに釣られて、状態の良い924も安いままではいられないだろう。でも、今ならまだ安価で手に入る。
英国では比較的流通量も多い。17年間、医者がオーナーだった1988年式924Sは、3850ポンド(51万円)。1983年式の2.0Lで、8万5000km走ったクルマは4500ポンド(60万円)。どちらも整備記録がしっかり残っている。
8000ポンド(108万円)ほど出せば、状態の良いクルマが選べる。1万2000ポンド(162万円)まで頑張れば、最良の924のオーナーになれるはず。
トランスアクスルの優れたハンドリング
1970年代初頭、フォルクスワーゲンとアウディは、自社の2.0Lエンジンを用いたスポーツカーの開発をポルシェに依頼した。経営支援を目的に。
その頃ポルシェは、V8エンジンをフロントに搭載した928の開発を進めていた。その経験の一部が、924へも反映している。フロントエンジン・リアドライブでも、トランスミッションをリアアスクル側に置くトランスアクスルを採用している。
ところがオイルショックの到来ともに、フォルクスワーゲンはスポーツカーへの興味をなくしてしまう。一度宙に浮きかけたが、ポルシェは924として発売を決定。ポルシェの経営を安定させるのに、ひと役買った。
優れた重量配分と、スポーティなハンドリングを実現した924。目を細めて見れば、フォルムには928との共通性も感じられる。
1976年の発表当初、水冷式の2.0L直列4気筒エンジンは、124psを発生。トランスミッションは、4速MTか3速ATが選べた。
市民は身近なポルシェを気に入った。美しい見た目、優れたハンドリングに製造品質、経済性を高く支持した。
1978年に5速MTがオプションで追加。1979年には170psを発揮するターボエンジンが投入された。改良を受けた176psのシリーズ2も、数は多くはないが現在も残っている。
ハンドリングを向上させた、ポルシェ924Sが発表されたのは1985年。944譲りの2.5Lエンジンをわずかに去勢し、150psとしている。1988年には160psへとパワーアップしているが、生産もその年で終了した。
生産期間中には、マティーニ・チャンピオンシップ・エディションやカレラGTといった限定モデルも登場している。だが、いま選ぶなら何より状態の良い924S。価値は今後、間違いなく上昇するだろう。
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
オイルフィルター部分と、カムカバー下のオイルパイプからのオイル漏れを確かめる。エンジン始動時は排気ガスに白煙が混ざるが、温まれば消えるはず。アイドリング時の油圧は2~3barが正常。
燃料ポンプの動きや、燃料の配管、タンク類の状態を確かめる。水温計など計器類の動作も確認したい。ラジエーターも飛び石で穴が空いていないか観察する。
ターボエンジンの場合、排気ガスが青白くないか注意する。定期点検は9600km毎が推奨され、タイミングベルトは4年か6万4000km毎になっていた。
アイドリング時から1200rpmくらいまでで生じるエンジンの振動は、マウントの劣化による場合がある。
電気系統
バッテリーからスターターまでの配線を確かめる。バッテリートレイが腐食すると、ヒューズボックスへ水が入る場合がある。リトラクタブル・ヘッドライトの動作確認も忘れずに。
トランスミッション
リア・メインシールからのフルード漏れがないか確かめる。
サスペンションとブレーキ
最近交換していない限り、サスペンションもブッシュもヘタっているはず。ブレーキディスクとパッドは、4万kmほどで交換となる。
ボディ
初期のクルマは亜鉛メッキのみだったため、サビがないか確かめる。サイドシルの状態や、パテによるボディ補修の有無も調べたい。リアハッチとサンルーフのゴムシールの状態も確認する。
インテリア
カーペットが湿っていないか確かめる。ダッシュボード・トップひび割れやシートの破れがないかをチェックする。ステアリングホイールの状態も同様。
専門家の意見を聞いてみる
デビッド・ヒッチ RPMスペシャリスト・カーズ代表
「毎月数台、924が入ってきます。皆さん大切に乗られているようです。わたしが1980年代にロータスのディーラーで働いていた頃、社用車として2.0Lの924があり、とても気に入っていました。信頼性も高く、運転も楽しめました」
「現在乗るなら、冷却系とオイル漏れには注意が必要です。2.5Lではサーモスタットを外し冷却性を高める改造が一般的ですが、われわれの手元に来たクルマは、もとに戻しています。冷間時は、タペットノイズが起きがちです。エンジンオイルの潤滑不良が原因のことも多いですね」
「長年、924の価格は安いままでした。944の値段が上がり始めています。次は、924の価格の番でしょう」
知っておくべきこと
924Sのエアフローメーターなど、電子機械式制御の機器類は、クルマの古さを物語る。英国ではポルシェのパーツサプライヤー、フレーザーパーツ社が安価に供給している。ECUのテストや整備も可能だという。
いくら払うべき?
3500ポンド(47万円)~4999ポンド(67万円)
小綺麗な初期の2.0L、124psモデル。MT車とAT車が混ざる。
5000ポンド(68万円)~7999ポンド(107万円)
英国では924Sが中心。走行距離は9万6000kmから16万kmくらいまで幅がある。この価格帯でかなり良い車両が出てくる。
8000ポンド(108万円)~9999ポンド(1340万円)
さらに状態の良い924S。ショールーム・コンディションと書かれているものも。ターボも含まれてくる。
1万ポンド(135万円)~1万4999ポンド(200万円)
数は多くはないが、状態がかなり良いクルマが選べる。
1万5000ポンド(201万円)~2万3000ポンド(310万円)
最高の状態の924。走行距離の少ないSや、マティーニ・チャンピオンシップ・エディションも英国では見つかった。
英国で掘り出し物を発見
ポルシェ924S 登録:1985年 走行:15万1200km 価格:6495ポンド(87万円)
サビのない924S。2012年、14万4800kmまではディーラーで整備を受けてきた。それ以降は専門店が整備をしている。タイミングベルトとブレークフルード、クーラントの交換状態は確かめたい。
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みんなのコメント
格安にしてほしいね。
保険料はしょうがないとして。