2026年のスーパーGTを開幕2連勝とこれ以上ない形でスタートさせた36号車au TOM’S GR Supra。今季3レース目となる第4戦富士も、かなりのハンデを背負った状態にもかかわらず4位に食い込んでみせた。
前例のないシリーズ4連覇を狙うau TOM’Sは今回のレースに向けて、サクセスウエイトが80kgに到達。サクセスウエイト80kgの場合、50kgのウエイト搭載に加えて燃料流量(=エンジンパワー)が1段階ダウン、さらに今季から導入の“サクセス給油リストリクター”により、給油時間も増やされる方向になる。文字通り3種類の足枷がついた形だ。
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予選ではやはり上位進出は厳しく、11番手でQ1敗退に終わったau TOM’S。しかし66周の決勝レースでは、前を走る3台が序盤に一気に戦線離脱したとはいえ、上位陣に食らいつく好走を見せた。
特に周囲を驚かせたのがピットストップ。給油時間が遅くなるハンデを背負っていた中で、29.1秒という静止時間でコースに送り出したのだ。
参考までに、今回優勝したホンダの100号車STANLEY HRC PRELUDE-GTは、au TOM'Sより3周早くピットインして静止時間25.9秒だった。中継グラフィックでは、GT500の1段階目のサクセス給油リストリクターは10秒相当のロスがあると説明されていたが、それを考えると驚異的なピットパフォーマンスと言える。
もちろん、ピット作業の速さには色々な要因があるだろう。トムスはタイヤ交換の速さも武器のひとつであり、ホイールガンなどのアイテムも企業秘密の観点からなかなか表に出したがらないほど、工夫やこだわりが詰まっている。またサクセス給油リストリクターの有無に関わらず、給油時の燃料の流速を上げる工夫にも余念がない。
au TOM’Sの吉武聡チーフエンジニアは、サクセス給油リストリクターでは物理的に給油装置の径が絞られるため、そもそもの流速を速める以外に対策はないと語り、今回給油時間を短縮できたのは、エンジンパワーが下がったことに伴う燃費向上の面が大きいと話した。
トップと16秒差の4位という今回の結果に「もう十分すぎるというか、ちょっとやりすぎなくらい(笑)」と頬を緩ませる吉武エンジニア。しかし次戦の鈴鹿からはもう1段階厳しいサクセス給油リストリクターが課されるため、ピット作業でもロスはさらに増えてくる。
「今回は富士で抜きやすいのもあるし、たまたまうまくいっただけだと思います。これで給油リスが2段階目に入った時は話にならないというか……」と吉武エンジニア。
「燃リス(パワーダウン)はこれ以上いかないので、燃費はこれ以上稼げないわけですからね。この先はもっと(ピット作業時間の)差がついちゃうと思います」
また最終戦もてぎは土日2レースが開催されることになり、今年の開催がなくなったセパン戦の埋め合わせがなされた。au TOM’Sが得意とするもてぎで2レースが行なわれることについて吉武エンジニアに尋ねると、「もてぎは舗装が変わってから一回も走っていないですし、そこでタイヤを外してしまうと、2戦落としてしまうことになりますから」と油断はしていない様子だった。
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