BMWとはどんなブランドなのか
日本では「ドイツ御三家」いわれて、常に安定した人気を誇っているBMW。メルセデス・ベンツが「安全」、アウディが「デザイン」という武器をもつ中、BMWは常に「走り」を自社のアイデンティティとして研ぎ澄ましてきた。かつて使われていたキャッチフレーズ「駆けぬける歓び」は、それを分かりやすく表現した言葉で、今もファンや自動車好きの間では普通に使われている。
では、その「走り」のイメージはどこから生まれてくるのか。そしてどうして他のブランドと差別化をするのだろうか。
走りに優位なFRレイアウトや前後比率50:50へのこだわり、元祖「羊の皮を被った狼」ことE30 M3をはじめとするMモデルの存在やシルキーシックスと称されたメインエンジンなど、BMWを理解するのに必要なキーワードは多い。
今回の特集ではそのキーワードにそってBMWの素晴らしさを解説していく。
表紙を飾った車はMモデルの始祖
日本ではBMWに対し「洗練された」「お洒落」「スマート」のようなイメージをもつ人が多い。しかしその歴史をひもといていくと、随所に「職人気質」「技術屋集団」という異なる要素を見つけることができる。またそういった印象を与えるマイスターや偉人も多く存在する。
相反する2つの要素、それがBMWの人気を長く支えているのだろう。
それを感じさせるBMWの名車たちを、ぜひとも「今」手に入れてほしい。
シルキーシックスと賞賛されたエンジンをもつ635CSiや、初代のM3(E30)はもはや絶命危惧種寸前である。比較的リーズナブルに手に入る2000年以降のBMWにも、その直6エンジンの遺伝子を受け継いだモデルがあるし、コンパクトなのにFRにこだわった1シリーズ、SUVなのにスポーツカーのように走るSUVもある。
BMWを手に入れる。それは輸入車の定番車を手に入れる安心感と、車好きをとりこにする味の濃い個性、その両方を手にすることなのである。 文/編集部、写真/デレック槇島、イラスト/あべ あつし
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