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【詳細データテスト】プジョー308 軽量さが生きる動力性能 期待どおりのハンドリング 後席は狭い

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【詳細データテスト】プジョー308 軽量さが生きる動力性能 期待どおりのハンドリング 後席は狭い

はじめに

プジョーがテレビやラジオ、はたまた雑誌で広告を打ち、ライオンのような自社モデルの強みを高らかに謳ったのはずいぶん前のことだ。とはいえ、それが成果を上げていただろう頃のことを覚えているひとは、1980年代終盤から1990年代初頭と現在の宣伝を比べてしまうだろう。そう、われわれのように。

【画像】プジョー308とライバル 全15枚

徐々にプレミアムブランドへ近づこうとしているプジョーは、クッキリしたルックスと上質なマテリアルを用いた目を引くインテリア、現代の世情に合わせていける最新のパワートレインなどを投入している。英国などではシェアを大幅に回復したが、これは、2000年代半ばを通してドイツ勢に奪われたものだ。

とはいえ、その原動力となったのはコンパクトSUVと電動パワートレインだ。1980年代にわれわれを熱くしてくれたすばらしいハンドリングのハッチバックやセダンが復活したというわけではない。そう、205や405、406、309、そして306のようなクルの現代版にはまだ出会えていないのだ。

そんななかで登場した、新型のミッドサイズハッチバックが308だ。古き佳きプジョーのダイナミックな雰囲気が、これまで以上にハッキリ感じられるクルマだ。308の名を、ゴルフが君臨するCセグメントで使うのは、これが3世代目となる。アーキテクチャーも先代の改修版で、ボディサイズの拡大が止まらないクラスにおいては比較的小ぶりなプロポーションも受け継いでいる。

しかし、そうではあっても、先進技術と無縁なままではない。308でははじめて、PHEVが設定されるばかりでなく、来年にはEVモデルのe-308も加わることが予定されている。ただし、ボンネットの下は極力シンプルであってほしい、というユーザーに向けて、エンジンはガソリンとディーゼルのいずれもが用意されている。

そして、今回はガソリンエンジンモデルをテストすることとした。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

ファミリー向けハッチバックとして、よりコンパクト寄りの身を置くことは、これまでのプジョーの傾向となってきた。おそらくあのスリムな306が1993年にゴツゴツした309とバトンタッチして以来、やや平均より小さめのモデルを提示することで、さまざまな面で小さいことは利点になりうると示してきたのだ。

新型308は、じつのところそれほど小さいクルマではない。先代308よりホイールベースが55mm伸び、全長は100mm以上長い4365mm、幅も、わずかながら高さも増している。でありながら、縦横比は先代よりややロー&ワイドで、明らかにスポーティなプロポーションとなっている。

いっぽう、ライバル車と比較すると、やはりフォード・フォーカスやトヨタ・カローラなどよりはわずかながら短い。セアト・レオンやスコダ・オクタビア、ホンダ・シビックなどと比べても同じことが言える。

メカニズム的に先代と異なるのは、ガソリンとディーゼルのほかにプラグイン・ハイブリッドが設定されたことが挙げられる。さらに言えば、EVも準備中だ。それを可能にしたのは、ステランティスのEMP2プラットフォームがアップデートされてv3仕様となったこと。かなり大幅な改修が施されており、同じコンポーネンツは新型ヴォグゾール・アストラやDS 4などにも使用される。

308のそれは、サスペンションを見ると、フロントがこのクラスの標準的な形式であるマクファーソンストラット、リアはトーションビーム。現時点では、どのパワートレインを選んでもその点に変わりはない。

プジョーのハイブリッド180/225はどちらも前輪駆動で、1.6Lのガソリンターボに111psの電気モーターを組み合わせる。EV走行の航続距離は64kmを上回り、いずれも税制面での優位性がある。

しかし、1.2Lの3気筒エンジンを選べば、6000ポンド(約93万円)以上も節約でき、車両重量は300kg以上軽くなる。もちろん、定評あるピュアテックユニットで、131ps/23.5kg−mを発生する。

テスト車はハイエンド仕様で、車両重量は交渉値が1288kg、満タン状態では1358kgだった。最新Cセグメントとしては、これは間違いなく軽い。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

プジョーの独特な操縦系の設計思想であるiコックピットは、導入されて今年で10年が経ち、いまや全モデルに採用されている。ドライビングポジションは高めで、小さめのステアリングホイールが低く、計器盤が高く設置されている。これは、普通の操縦系のレイアウトを再定義しようというもので、プジョーの「ほかとは違う」という主張でもある。

このエルゴノミクスが用いられ続けてきた間に、昔ながらの慣習は多くが犠牲になってきた。一般的には速度計が右、回転計が左だが、2013年に登場した先代308ではそれが逆になった。今回は回転計が反時計回りになったが、iコックピットではこちらのほうが読み取りやすいと判断したのだろう。

われわれとしては、これが直感的だとは思わないが、デジタルメーターが標準装備されるにもかかわらず、このメーターの方向性は新型308にも受け継がれている。

10年間で見慣れたはずなのに、テスター陣の多くが、やはりこのレイアウトを直感的ではないという。また、小径ステアリングホイールであってもハンドリングに利点は少ないという意見も大勢を占める。さらに、ステアリングホイールがかからないメーターの眺めも、べつに喜ぶようなものではない、という声も共通している。

それはともかく、もしプジョーのデザイナーがエルゴノミクスの改革をどこかで思いとどまっていたのだとしたら、そろそろその結果が現れていてもいいはずだ。もっとも、308のそのほかの部分は、著しい進歩を遂げている。

キャビンはスマートでクッキリした幾何学的なラインで構成され、ほどほど高そうに見える金属調仕上げのトリムや魅力的なテキスタイルの装飾が与えられた。かつてプレミアムブランドに遠く及ばなかった質感は、めざましいアップグレードを果たしている。いまや308は確実に、キャビンの雰囲気的な魅力で引けを取らないものになっているのだ。

フロントシート周りの小物入れスペースは豊富に用意されるが、これはついにプジョーが、右ハンドル化に合わせてヒューズボックスを作り分けるようになったことが要因だ。おかげで、右ハンドルの308にもフルサイズのグローブボックスが備わった。

フロントシートはサポート性が良好で、十分に快適だ。ただし、背の高いドライバーは、ヘッドレストの調整幅とランバーサポートが少し足りないと思うかもしれない。

後席のアコモデーションは、クラス水準からすればやはり物足りないままだ。子どもはともかく背の高い大人では、ヘッドルームもニールームも足りない。

荷室は、開口部の段差が大きい。非ハイブリッドの容量は412Lで、ウインドウの高さより下の容積は先代308を下回るが、折り畳み式ベビーカーを積むことはできる。

走り ★★★★★★★★☆☆

プジョーがこの308をプレミアムなモデルに位置付けていることが明らかに見て取れるのは、いまだにMTのシェアが小さくないセグメントでありながら、ATしか用意しなかったという事実にだ。つまり、どのグレードを選んでも2ペダルしかない。そして、もしもいちばんシンプルなガソリン車を選ぶと、出力は131psしかない。2022年現在、このパワーで同じクラスのライバルを打ち負かすのは難しい。

とはいえこのクルマは、そのエンジンをうまく活用できているのが立派だ。同じ3気筒を積むステランティスのほかのモデルと比べると、かなり洗練されている。それのみならず、実際に使えるトルクはかなりのもので、高回転でもスムースに回る。急加速でも、一般的な5ドアハッチバックが本当に必要とするだけの速さを見せる。

ドライコンディションでのテストでは、0-97km/h加速が9.5秒だった。0−100km/hが9.7秒という公称値は、かなり正確なものだろう。中間加速はクラストップレベルに及ばないものの、マイルドハイブリッドのフォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 eTSIに対し、48−113km/hの差は1.4秒遅れるにすぎない。この差は、日常使いで問題になるほどのことではないだろう。

8速ATは中間ギアがクロスに設定されていて、速度の上昇はかなり鋭いものに感じられる。幹線道路でのオーバーテイクも、そこそこの速さだ。エンジンは回りたがる性質だが、スロットルレスポンスも中回転域のターボブーストの勢いもほどよく、手動変速をすればつながりのいい走りができる。

それはしばしば、目的地へ急ぐときや、単純に運転を楽しみたいとき、このクルマのベストを引き出す上で重要な要素になる。機械任せにすると、アイシン製のギアボックスはキックダウンが遅く、シフトアップを急ぎすぎるように思える。また、シンプルに引っ張るべきところで、次のギアへ送り込みたがる傾向がちょっとばかり気になる。

制動性能は、加速と同じく、かなり軽量なクルマとしては良好だ。ペダルフィールは特別なものではないが、スタビリティはよく、113−0km/hは45m以下だった。

使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

インフォテインメント

プジョーの最新世代のインフォテインメントシステムであるi-コネクトは、タッチパネルでダイレクトに操作するほかの手段を持たない。ステアリングホイールにもセンターコンソールにも、カーソルを動かすデバイスはない。音声入力には対応するが、やはりタップやスワイプなしにはすべての操作をすることができないので、画面が指紋だらけになるまでにさほど時間はかからない。

使い勝手を高めているのは、iトグルと呼ばれる画面下に並んだショートカットだ。しかし、それがあることで、画面にタッチするときに手を置いて安定させる場所がなくなってしまった。うっかりその上に手をついてしまうと、意図しないメニューへすぐにジャンプしてしまう。ショートカットの連携先は、長押しで設定することができ、その割り振りはアプリのメニューで確認できる。

システムのレスポンスは、ライバルに勝るものではない。走行中にアクセスできる機能の限定範囲は規範的なもので、画面を注視する時間が長すぎると警告される。そう聞けば、安全面ではいいことのようだが、全体的にはもっと集中力を削がれないシステムのほうがいいと思わされる。

燈火類

アダプティブマトリックスLEDヘッドライトは、GTとGTプレミアムの各グレードに標準装備。下位グレードでは、エコLEDとなる。今回のテストでは、ライトの性能を試す機会はなかった。

ステアリングとペダル

ペダルはセンター寄りで、脚が長くないドライバーなら、ライバル車より窮屈さを覚えずに運転できるはずだ。ステアリングコラムは、メーターパネルを見るために低く設置されたのだろうが、それでも視線を遮ることはある。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

ステアリングとハンドリングには、魅力的ななめらかさとしなやかさがある。印象に残るのは、このクルマが有り余るほどのサスペンショントラベルとサスペンションの巧みさによって、特別な身のこなしをみせる類のそれだということだ。

スプリング、ダンパー、スタビライザーのレートは、極端ではないがセッティングが決まっている。また、結局は無駄なウェイトが乗っていないのが効いている。それらのコンビネーションは、路面とバトルするというよりは対話しているというほうがふさわしい。結果として、じつに心地いい、流れるような走りを生んでいる。

小径ステアリングホイールについては、テスター陣から批判的な意見も上がった。その理由は主として、これによりプジョーが、他メーカーより低速でのアシストを強めることを余儀なくされているからだ。その結果、速度によってステアリングの手応えがあまりにもはっきりと変わってしまうし、市街地では路面を感じる妨げになりうる。

しかし、開けた道に出ると、このクルマは多くのものを見せてくれる。ステアリングラックは、このクラスのハッチバックとしてはかなりスローだが、シャシーとの相性がよく、自然な俊敏さを感じさせ、手首の動きだけで軽い動きのスムースなコーナリングが可能になる。中級ファミリーカーには期待しないような楽しさだ。

タイヤは経済性重視のミシュラン・プライマシーだが、308のグリップは十分に強力で、コーナリングは歯切れよく、勢いを削ぐことはない。やや放任主義的なチューニングでありながら、ロールはなかなかよく抑えられている。パワーをかけながらのコーナー脱出でもラインをキープし、常時オンのトラクションコントロールはその存在をほとんど感じさせない。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

これまでさまざまな仕様の308を試乗した経験からすると、快適性のスコアはこれまでの評価より高いところと低いところがある。そこは、エンジンやグレードの選択に左右される。

テストした308GTは18インチホイールを履き、心地よいしなやかさやアブソーバーの効いたプライマリーライド、路面の尖ったところでもゴツゴツ感やノイズの少ないセカンダリーライドを発揮する。これより下位の1.2ピュアテック・アリュールプレミアムに短時間ながら試乗しているが、17インチホイールだと乗り心地はより静かで快適だ。

対して、より重量のある1.6ハイブリッド180は、軽量な1.2モデルにある乗り心地のなめらかさや引き締まったボディコントロールが多少は犠牲になっている。結局、軽く質素で、より小さいホイールを履いた仕様こそがベスト、といういつもの結論になってしまう。

プジョーの3気筒ターボの機械的な洗練性については、なんら問題を見出せない。低回転域ではやや尖った性格があるものの、二次振動がないので、4000rpm以上でも自由に回り積極的に働こうとする感覚が得られる。

騒音計の計測値は、80km/hで65dBA、113km/hで67dBAだった。突出した数字ではないが、2020年に計測した仕様の近いフォルクスワーゲン・ゴルフよりわずかに小さかった。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

プジョーは、主要なライバルにセアト・レオンとBMW1シリーズの名を挙げている。つまり、このセグメントの中心を外すことなくプレミアムモデルとも張り合いたいという意図だ。それは、ほぼ価格にも反映されている。

テストしたGTは、5グレードあるうちの上から2番目で、価格は2万9920ポンド(約464万円)。3万ポンド(約475万円)をわずかに切る値付けはなかなか意欲的だ。

しかし、プジョーが量販グレードと見込んでいるのはアリュール・プレミアムだ。こちらのほうが価格はやや低く、標準装備は充実。デジタルメーターやワイヤレス充電器、スマートフォンのミラーリング、アダプティブクルーズコントロール、コネクテッド3Dナビゲーションを備えるAT車だ。残価予想も比較的良好といえる。

社用車であれば、PHEVの利点もあるだろう。しかし自家用車として購入するなら、同等装備のハイブリッド180より6500ポンド(約101万円)安く、保険料率も低い1.2ピュアテックGTは魅力的な仕様だ。もっとも、長い目で見ればハイブリッドは燃費で元を取れそうだ。テスト車のツーリング燃費は、19.6km/Lだった。

だから、運転するシチュエーションがほぼ市街地以外で、走行距離が長いのであれば、さらには充電できる機会が少なく、CO2排出量で税率が変わる社用車ではないのなら、エンジン車を選ぶほうが吉ではないだろうか。なんなら、ディーゼルも選べるのだし。

スペック

レイアウト

308のプラットフォームはステランティスのEMP2、そのV3と呼ばれる最新バージョン。ヴォグゾール・アストラやDS 4と共通のコンポーネンツだ。エンジンはフロント横置きで、ハイブリッド仕様でも前輪駆動のみの設定だ。

サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビーム、前後重量配分は実測で63:37だが、PHEV仕様ならもっとバランスよくなるはずだ。

エンジン

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列3気筒1199ccターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ75.0×90.5mm
圧縮比:11.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:131ps/5500~6000rpm
最大トルク:23.5kg-m/1750~3000rpm
エンジン許容回転数:6000rpm
馬力荷重比:101ps/t
トルク荷重比:18.3kg-m/t
エンジン比出力:109ps/L

ボディ/シャシー

全長:4365mm
ホイールベース:2680mm
オーバーハング(前):900mm
オーバーハング(後):785mm

全幅(ミラー含む):2075mm
全幅(両ドア開き):3660mm

全高:1441mm
全高(テールゲート開き):2015mm

足元長さ(前席):最大1100mm
足元長さ(後席):最大670mm
座面~天井(前席):最大1010mm
座面~天井(後席):930mm

積載容量:412~1323L

構造:スティールモノコック
車両重量:1288kg(公称値)/1358kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前・後:8.0Jx18
タイヤ前・後:225/40 R18 92Y
ミシュラン・プライマシー4 S1
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.07/7.6
2速:2.97/13.0
3速:1.95/19.8
4速:1.47/26.4
5速:1.23/31.5   
6速:1.00/38.8
7速:0.81/47.8
8速:0.67/57.8
最終減速比:3.10:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:14.3km/L
ツーリング:19.6km/L
動力性能計測時:7.5km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):12.6~14.3km/L
中速(郊外):15.4~18.1km/L
高速(高速道路):17.9~21.5km/L
超高速:14.8~18.4km/L
混合:15.4~18.4km/L

燃料タンク容量:52L
現実的な航続距離:742km
CO2排出量:130g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:トーションビーム/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.9回転
最小回転直径:11.0m

ブレーキ

前:283mm通気冷却式ディスク
後:268mmディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにレバー設置

静粛性

アイドリング:40dBA
全開時(4速):76dBA
48km/h走行時:61dBA
80km/h走行時:65dBA
113km/h走行時:67dBA

安全装備

ABS/EBD/ESP/AEB/LKA/制限速度認識
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温22℃
0-30マイル/時(48km/h):3.3秒
0-40(64):4.9秒
0-50(80):7.1秒
0-60(97):9.5秒
0-70(113):12.5秒
0-80(129):16.3秒
0-90(145):21.0秒
0-100(161):27.7秒
0-110(177):37.0秒
0-402m発進加速:17.3秒(到達速度:131.8km/h)
0-1000m発進加速:31.4秒(到達速度:168.2km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 TSI EVO Rライン DSG(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.5秒
0-50(80):6.4秒
0-60(97):8.3秒
0-70(113):10.9秒
0-80(129):13.9秒
0-90(145):17.5秒
0-100(161):22.6秒
0-110(177):29.0秒
0-402m発進加速:16.5秒(到達速度:140.0km/h)
0-1000m発進加速:29.9秒(到達速度:178.3km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):3.2秒(2速)/4.2秒(3速)

30-50(48-80):3.8秒(2速)/4.2秒(3速)/5.5秒(4速)/6.5秒(5速)

40-60(64-97):4.6秒(3速)/5.8秒(4速)/6.7秒(5速)/8.1秒(6速)/12.4秒(7速)

50-70(80-113):5.4秒(3速)/6.3秒(4速)/6.9秒(5速)/8.5秒(6速)/11.5秒(7速)/17.6秒(8速)

60-80(97-129):7.0秒(4速)/7.5秒(5速)/9.1秒(6速)/12.8秒(7速)/16.7秒(8速)

70-90(113-145):8.5秒(4速)/8.7秒(5速)/10.5秒(6速)/14.6秒(7速)/20.3秒(8速)

80-100(129-161):10.9秒(5速)/12.3秒(6速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温22℃
30-0マイル/時(48km/h):8.4m
50-0マイル/時(64km/h):22.8m
70-0マイル/時(80km/h):44.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.71秒

ライバルの制動距離フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 TSI EVO Rライン DSG(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.1m
70-0マイル/時(80km/h):45.4m

各ギアの最高速

1速:45.1km/h(6000rpm)
2速:78.9km/h(6000rpm)
3速:119.1km/h(6000rpm)
4速:157.7km/h(6000rpm)
5速:188.3km/h(6000rpm)
6速:209.2km/h(5401rpm)
7速:209.2km/h(4375rpm)
8速(公称値):210.0km/h(3619rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1949rpm/2227rpm

結論 ★★★★★★★★☆☆

今回のテスト、はたして80年代や90年代にいまのプジョーの名声を築きあげた走りの魔力が帰ってきたのか、それを確かめたいと思いつつスタートした。最近のプジョーの中では、308がそのもっとも有望な候補だったからだ。

十分に無駄を削ぎ落としシンプルに仕立てられたファミリーカーの中では、プジョーはいまでも乗り心地とハンドリングにおいて、世界でもトップクラスのファミリーカーでなければ破れないような基準を打ち立てている。無駄に重くて複雑なクルマがあふれるマーケットにあって、それは心強い話だ。

今回の3代目308は、全体的にみればこのクラスのトップの座に就けるほど完璧な物件ではない。しかし、プライオリティを置いている項目については、満足できるものがある。

内外装ともスマートなルックスで、惹きつけられるものがある。走りの洗練性や気持ちよさは、コンディションの良し悪しを問わない。パワートレインは、日常使いに適したドライバビリティと経済性をハイレベルで両立している。

そして、この効率偏重の時代の水準に照らしても、妥当といえる仕上がりだ。乗り心地とハンドリングには変わりやすいところがはっきりと見て取れるものの、あまり類がなく魅力的に思えるような融通のきくパワートレインを積んでいる。

実用性やコストパフォーマンス、もしくはステータスを求めるユーザーにとっては、もっといい選択肢があるかもしれない。しかしながら、コンパクトでトラディショナルなファミリー向けハッチバック、つまりはこのクラスの王者であるゴルフが大きくて特別なものになってしまったと感じているなら、308はピッタリの一台ではないだろうか。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィス308のステアリングホイールは楕円気味の形状で、おそらく直進時にはメーターの視認性向上に寄与する。しかし、ラウンドアバウトなどで大きな舵角が入ると、出口とメーターとを同時に見ることができなくなる。

マット・ソーンダース身長が190cmあるので、Cセグメントハッチバックの後席で快適に過ごせることはめったにない。308に関して言えば、うちの7歳と9歳の子供を乗せるには十分な広さだが、それより歳が上の家族を乗せたいとは思わない。

オプション追加のアドバイス

選ぶべきはピュアテックエンジンのアリュール・プレミアム。その上のグレードは装備過多だ。どうしてもハイブリッドが必要なら、ハイブリッド180の廉価グレードで満足できるはずだ。

改善してほしいポイント

・後席の居住スペースは、できるだけ広げてほしいところだ。
・ギアボックスの制御をもっとリファインしてもらいたい。エフィシエント・オートが、常に可能な限り高いギアを選ぶこととイコールである必要はない。
・ステアリングはもうちょっとだけ手応えとフィールを増したほうが、ドライビングが気持ちいいものになるはずだ。

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みんなのコメント

4件
  • とりあえずGTBグレード出してくれ
  • 星5で事足りる
    あと後席気にしすぎ
    荷室狭くてもいいってことか?
    そしたら荷室狭いとかなんとか言い出すやろ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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