日本で売っていない魅力的なモデルが多数あるホンダ。なかでも中国で販売されている「UR-V」は、トレンドであるスペシャリティなクーペルックのラージSUVとして大いに注目の存在だ。
本稿では、日本ではまったくイメージのないホンダのスタイリッシュSUV「UR-V」を紹介していきたい。
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文/永田恵一、写真/HONDA
【画像ギャラリー】本文未掲載の室内写真も! 中国販売のSUV、ホンダ UR-Vの上質空間を写真で見る
■UR-Vのルーツはインスパイア?
ホンダ UR-Vはクーペライクなルックスで上質な走りを目指したラージSUVだ
最初に簡単な概要を書くと、UR-Vは先代型アコードをベースにしていると思われるクーペルックのボディ、広い室内空間、上質な走りを目指したという欲張ったラージSUV。
中国のアッパーミドル層をターゲットユーザーとしし、中国で販売されるホンダブランドではフラッグシップモデルでもある。
UR-Vは、2009年から2016年までアメリカ、カナダ、メキシコ、ロシア、韓国、中国で販売されていた「クロスツアラー」(当初の車名はアコードクロスツアラーで、生産はアメリカと中国で行われた)というモデルが前身だ。
UR-Vのルーツとなったクロスツアラーは北米向けアコードをベースにクロスオーバー化したモデルだった
クロスツアラーは、当時の北米向けアコード(日本仕様の5代目インスパイア)をベースに、ボディはクーペルックの5ドアセダンとし、樹脂製のオーバーライダーの追加や最低地上高を高めるといった手法でクロスオーバー化したモデルで、例えるならBMW X4に近い存在だった。
クロスツアラーの販売成績は中国以外では低調だったようで、中国以外では後継車らしいモデルはない。しかし中国ではそれなりに売れたのか、2016年11月に後継車となる「アヴァンシア」にバトンタッチされた。
■UR-Vは日本にもかつて存在したアヴァンシアの姉妹車
UR-Vの姉妹車であるアヴァンシアは2015年の上海モーターショーに出展された「コンセプトD」の市販型として登場した
日本で販売されたアヴァンシアは2代目オデッセイをベースにセダンの要素をミックスしたモデルで、コンセプトの分かりにくさを大きな原因に一代限りで絶版となった。
中国で復活したアヴァンシアは、2015年に上海モーターショーに出展されたコンセプトカーである「コンセプトD」の市販型で、画像を見る限り非常に広そうなリアシートは確かに日本で販売されたアヴァンシアに通じるところがある。
ちなみに、中国で中国以外のメーカーが商売をする際の決まりを書くと、中国では輸入車に対し強烈な関税が課せられていたため、輸入車にならないよう現地生産をするには中国メーカーとパートナーシップを組まなくてはならない。
そのため、中国のトヨタは第一汽車と組む一汽トヨタと広州汽車と組む広州トヨタがあり、ホンダも東風汽車と組む東風ホンダとトヨタ同様の広州ホンダがある。
クロスツアラーとアヴァンシアは広州ホンダのモデルなのだが、広州ホンダと東風ホンダには広州トヨタと一汽車トヨタ同様、多くのモデルに対応する兄弟車があり、UR-Vはアヴァンシアから少し遅れた2017年3月に登場したアヴァンシアの兄弟車なのである。
アヴァンシアとUR-Vの主な違いはグリルやテールランプといった細部で、広州ホンダと東風ホンダの関係は日本で例えれば今はなくなったホンダクリオ店とホンダベルノ店のようなディーラー系列のようなものに近い。
なお現在中国で販売されるアヴァンシアは昨年3月、UR-Vは昨年6月にマイナーチェンジされたモデルで、アヴァンシアは昨年12月に登場から約4年間で生産30万台を突破している。
人口が日本の10倍以上の約14億人の中国とはいえ、決して万人向けではないアヴァンシアが月で割ると6000台以上生産されたというのは後述する価格も考慮するとなかなかすごいことといえそうだ。
■2Lターボ+4WDの組み合わせも! UR-Vってどんなクルマ?
大型のボディサイズでゆとりある室内空間と上質な走りを両立している
UR-Vのボディサイズは全長4856mm×全幅1942mm×全高1670mm、ホイールベース2820mmと大きく、大きさを生かした伸びやかなスタイルを持つ。
パワートレーンは、FF(前輪駆動)のみの組み合わせとなる1.5L・4気筒ターボエンジン(193馬力&24.8kgm)+CVTと、3グレードのうちベーシックなものがFF、そのほかが4WDとなる2L・4気筒ターボエンジン(272馬力&37.2kgm)+9ATが設定される。
なおグレード名は、それぞれの最大トルクの単位をNmにしたものに由来し1.5Lターボが240ターボ系、2Lが370ターボ系となる。
それぞれのパワートレーンの最上級グレードにホンダセンシングが標準装備されるなど、UR-Vも最近のホンダ車らしく乗れば高レベルに感じる仕上がりは確実だろう。
キャビンは前述したようにクーペルックながら広々としており、シートがキルティング地となっている点など全体的にゴージャスで、超大型のパノラマサンルーフも設定される。
UR-Vの価格は、1.5Lターボの240ターボ系が24万6800元(約398万円)から26万9800元(約435万5000円)、2Lターボの370系が27万9800元(約451万3000円)から32万9800(約531万9400円)と、なかなかお高いクルマである。
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ボディサイズなどいろいろな意味でUR-Vの日本導入は期待薄だが、UR-Vを見ているとコンセプトやスタイルなどからトヨタ ハリアーを思い出すところもある。
ホンダにも1台くらいハリアーのような300万円台の現実的な価格で憧れを持てるクルマが、そろそろ必要なのではないだろうか。
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みんなのコメント
リアが下がっていれば全部クーペなのですかね?