2025年4月に登場したまほろば号の「安寧」編成
JR大阪駅・新大阪駅と奈良駅を結ぶ特急が「まほろば」号です。
【画像】乗る価値あり! リニューアルされたJR特急「まほろば」を写真で見る(18枚)
まほろば、という聞き慣れない名前は、古事記にも謳われた言葉で「素晴らしいところ」という意味になります。
2010年に誕生したまほろば号は3か月限定の臨時特急でしたが、2019年に復活。その年に全線開通したおおさか東線を経由し、新大阪駅と奈良駅を結びました。
その後コロナ禍の影響で、運休を余儀なくされましたが、2023年春に大阪駅地下ホーム、通称うめきた地下ホームが開業したことに伴い、大阪駅と奈良駅を結ぶ特急として臨時運行をおこないました。
そんなまほろば号が定期運行されたのは、2025年3月15日。土日休日に大阪駅発・奈良駅発それぞれ1便が運行されています。
従来、まほろば号はオーソドックスなカラーの287系でしたが、4月からオリジナルデザインのリニューアル車両「安寧(あんねい)」がデビューしています。
新たに生まれ変わったまほろば号とはどんな特急なのでしょうか。実際に乗ってみました。
始発の大阪駅に向かいます。出発する大阪駅の「うめきた地下ホーム」は、地上ホームから歩くと8分ほどかかるため、乗り換えの場合は注意が必要です。
開業から2年しか経っていない地下ホームは、新しいだけあり近未来感あふれる空間になっているのが特徴です。
うめきた地下口改札には、交通系ICの「ICOCA」定期券を持ち、顔写真をモニター登録した人ならば“顔パス”で通ることができる顔認証ゲートがあったり、電車のタイプに合わせて自在に動く全面ガラス張りのホームドアがあったりと、他の駅では見られないサイバーな雰囲気が、ワクワク感を際立たせます。
すでに22番ホームに停車していたまほろば号「安寧」編成は、前面に唐草文様をモチーフとした大きなロゴマークが入っており、ひと目でそれとわかるデザインです。
前面は「蘇芳色(すおういろ)」という青みを帯びた赤がベース。これは古来から日本で愛されてきた伝統色のひとつといいます。
車両サイドは金色をベースにしていますが、窓に沿って赤い文様の帯が広がっているおかげか下品さはなく、日本らしいデザインです。古都・奈良へと向かう特別感が感じられ、なんだかワクワクします。
室内のシートも同様、蘇芳色をベースに、奈良・平安時代に装飾で用いられた花をかたどった宝相華文様があしらわれています。落ち着きのある雰囲気で、外観だけでなくインテリアも特別感に溢れています。
大阪駅発は9時58分。ただし大阪駅から乗車する客は少なく、たった3両編成ながら全体の90%ほど空席になっています。
まほろば号は、大阪駅から奈良駅まで59分で到着します。
たとえばJR大和路快速を使えば、奈良駅まで乗換なしで50分。わざわざ大阪駅から特急に乗るメリットは「確実に座って奈良に旅行できる」以外にないといえますが、やはりこのまほろば号、新幹線を使った観光客にターゲットを置いていると考えられます。
国宝の「右手原寸大レプリカ」が車内に展示
新大阪駅に到着。ここで多くの観光客が乗り込みました。それでも乗車率は40%ほどで、ちょうどいい具合の混み方ともいえます。以前、臨時特急だった時代のまほろば号と比較すると、かなり乗客は増えた印象です。
新大阪駅を過ぎると、いちど北へ向かってから南吹田駅で右へ急カーブ、一転して南へと向かうのがおおさか東線の特徴で、先ほど渡った淀川をもう一度渡ります。そこから難読駅としても有名な放出駅を通過し、久宝寺駅でいったん停車。おおさか東線を走行するときは、特急とは思えないゆっくりとした速度で走行するのも特徴です。
ゆっくりと走行している中、1号車に向かいます。ここには国宝「聖林寺十一面観音立像」の右手原寸大レプリカが展示されています。十一面観音立像は日本で最初に国宝指定された仏像のひとつだそうで、この展示は9月28日まで行われています。
大和路線に入ると今度はスピードアップ。ここで車掌が回ってきて「記念乗車証」が手渡されました。
その後 大和川沿いの亀の瀬を抜け奈良県に入ると、10時48分に法隆寺駅に到着。そこから10分足らず、10時57分に奈良駅に到着、59分の短い特急旅は終わりました。
まほろば号は全車指定席のため、指定席予約をしないと乗ることができません。オススメなのは、JR西日本のインターネットサービス「JRおでかけネット」の「【e5489専用】まほろばチケットレス特急券」の利用です。
このチケットレス特急券では、大阪駅/新大阪駅~奈良駅が860円と、通常1730円の特急券が半額以下に設定されています。購入期限も当日の出発時刻(時刻表記載の時刻)の2分前までと使い勝手のよさも特徴です。まほろば号を利用するならこれを使わない手はありません。
まほろば号は今後、2025年秋にリニューアル車両第2編成となる「悠久」編成がデビューします。
こちらは、深みを帯びた仏像の経年変化を思わせる墨色と灰渋色をボディに、シート生地は墨色で落ち着きを表現しているといいます。
※ ※ ※
大阪、とくに梅田などキタエリアに宿泊した観光客のなかには、座って奈良へ向かいたいという声が多数あるそうです。
現在、大和路線やおおさか東線の快速列車には、乗車券にプラス300円で必ず座れる有料座席サービス「うれしート」を用意していますが、平日の通勤・通学時間に限られ、さらに席数も少ないため、休日に観光したい人には対応できていません。
まほろば号が定期運行化され、リニューアルしてオリジナル車両が登場したのも、東海道・山陽新幹線で新大阪駅に来た観光客が、そのまま奈良駅まで乗り換えなしで、ゆっくり座って行きたいというニーズに応えたものと考えられます。(VAGUE編集部)
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みんなのコメント
頻繁に遅延するか、止まってる路線やねん。
今日は大丈夫か?
明日は大丈夫か?
毎日、動いてるかチェックせなあかんねん。