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笹原&名取、代役で初参戦のふたりが直面した国内トップカテゴリーの高い壁

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笹原&名取、代役で初参戦のふたりが直面した国内トップカテゴリーの高い壁

 2020年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権の年間エントリーにおいて、ルーキーはサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、タチアナ・カルデロン(Threebond Drago CORSE)、ユーリ・ビップス(TEAM MUGEN)、セルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing Team with B-Max)、シャルル・ミレッシ(Buzz Racing Team with B-Max)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)の6名。だが、ビップス、セッテ・カマラ、ミレッシが今大会は参戦できなかったため、代役として笹原右京(TEAM MUGEN)、名取鉄平(Buzz Racing Team with B-Max)の2名が第1戦のエントリーリストに名を連ねた。

 外国人ドライバーたちが来日できない状況のなかで巡ってきたチャンス。その限られた時間のなかでどれだけのパフォーマンスを見せることができるかが、笹原と名取に課せられた最重要課題だったはずだ。しかし、やはり国内トップフォーミュラの壁は高く、走行経験のない笹原、名取にとっては厳しい週末になってしまったことは否めない。

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 名取は同週末に開催されたスーパーフォーミュラ・ライツ選手権への参戦が当初より決まっており、スポット参戦することになったスーパーフォーミュラとのダブルエントリーという形をとった。しかし、8月29日に行われたライツ予選、スーパーフォーミュラの専有走行、フリー走行をこなし、夕方に行われたライツの第1戦を戦った直後、脱水症状で倒れてしまった。

 高温注意報が出るほど気温、湿度ともに高いコンディションだったとはいえ、慣れないうえで過酷な週末を耐え切ることは困難だった。最終的にスーパーフォーミュラの予選までは走行したものの、大事をとって決勝レースを辞退した。

 一方、週末を走りきった笹原も別の意味でこの週末は厳しいものになった。シミュレーターでの走行経験もなく、まったくの初めてとなった金曜日の走り出しから、チームとしてセッティングが噛み合わず、チームメイトの野尻智紀とともに下位に沈んでしまう。

 スーパーフォーミュラはシャシーもタイヤもワンメイクであるため、全車のパフォーマンス差はマシンのセッティングによるところが大きく影響する。持ち込みセットはもちろん、コンディションに合わせた現場での微調整でどこまで合わせ込めるかが重要だ。それにはドライバーからのフィードバックや、これまでの経験の積み重ねが功を奏する。チームメイトの野尻は決勝までに兆しが見えるところまで持ち直すことができたものの、笹原のほうは完璧と思えるところまでクルマを持って行くことはできなかったようだ。

 最終的に、決勝レースではタイヤを交換してクリーンエアのなかでプッシュする戦略を採るも11位という結果で週末を終えることとなった。

「まずは、参戦すると決まってから短い時間のなかでいろいろとしてくれたチームに感謝しています。とにかく攻めようとタイヤを交換する戦略を採りましたが、レースの最後で大嶋(和也)選手に追いついたときは、もう余力がありませんでした」

 抜きにくいと言われるもてぎで、しかも今季はレースフォーマットが変更になり、周回数が減ったとなると、タイヤを交換して追い上げる作戦は厳しかったというのが現実だ。だが、笹原にとってまったく光るところがなかった週末というわけでもない。予選ではチームメイトの野尻智紀より約0.5秒速いタイムでQ1を突破して見せた。

「望んだ場所ではなかったけれど、予選で見せることが大事だと思っていたので、セッティングが合わないなか、初めての予選でチームメイトに勝てたということはよかったです。内容としては低迷しましたが、個人的には手応えも感じました」

 結果という意味では笹原も名取も残念であり、どのようなカテゴリーにも言えることだがやはり経験がない場所で急に大きな成果を出すことはかなり難しい。しかし、第2戦岡山にレギュラードライバーが来日できるか否か、それ次第では再びチャンスが再び巡ってくる可能性も大いにある。また、第2戦に関してはWECとの日程の兼ね合いもありホンダ陣営のみならず、トヨタ陣営でも若手がステアリングを握るチャンスもあるかもしれない。

 今シーズンのルーキーでは開幕戦に参戦して結果を見せたフェネストラズ、大湯がまずは大きなインパクトを残したが、他にも彼らのようにシリーズをかき乱すような若手が出てくることを期待したい。

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