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まさに究極的:アルピナD4 S 確かな余裕:レンジローバー・スポーツ ディーゼル・フォエバー(1) 3台比較

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まさに究極的:アルピナD4 S 確かな余裕:レンジローバー・スポーツ ディーゼル・フォエバー(1) 3台比較

スピード違反も影響した?ディーゼル人気

20歳だったレーシングドライバーのジェンソン・バトン氏は、フランスの高速道路を225km/h以上で走り、スピード違反で捕まった。25年前に彼が乗っていたのは、ディーゼルエンジンのBMW 3シリーズ。欧州では、ちょっとした話題になった。

【画像】時代の節目に乗りたい1台 アルピナ D4 S メルセデス Eクラス・ステーションワゴン レンジローバー・スポーツ 全94枚

その330dは、彼が所属していたウィリアムズBMWの管理車両。予期せぬ宣伝効果に、500ポンド(約9万8000円)の罰金を、BMW側は快く肩代わりしたのではないだろうか。以降のディーゼル人気に、多少は貢献したのではないかと想像させる。

この頃を境に、ディーゼルエンジンの技術は急成長した。それは、モータースポーツにも波及。ル・マンではアウディがTDIユニットを採用し、見事な勝利を収めた。3気筒から12気筒まで、公道用エンジンも幅広く展開された。

ところが、フォルクスワーゲン・グループによる排気ガス低減ソフトの不正が発覚。ハイブリッド技術が普及し、ガソリンエンジンは燃費を伸ばし、ディーゼルは衰退の道を進んだ。波乱万丈の四半世紀だったといっていい。

3.0L直列6気筒ツインターボの3台

そこで今回は、英国で購入できるディーゼルエンジン車3台を揃えてみた。完全に失う前に、輝きを確かめたいと考えて。そもそも候補は限定的。既にV8以上は存在しない。

偶然にも、いずれもエンジンは3.0L直列6気筒ツインターボ。マイルド・ハイブリッドで、最高出力は350馬力前後と肩を並べている。車重は400kgほど差があり、最も動力性能に勝るのは、0-100km/h加速4.8秒のアルピナ D4 Sグランクーペだ。

BMWは、ディーゼルエンジンを段階的に廃止する計画の様子。現在のラインナップでは、SUVにしか設定はない。だがアルピナなら、2025年の夏までは注文できる。新体制になって以降は、D4 Sのようなモデルは生まれないだろう。

もちろん、最初にステアリングホイールを握った。容姿はエレガント。内装はラグジュアリー。トラッドなアルピナの雰囲気を滲ませ、3台では1番特別感が強いかもしれない。

落ち着いたアプローチが似合うD4 S

D4 Sグランクーペは、発進直後から魅力的。シンプルで、すぐに自信を抱ける。軽快で流暢に運転できる体験は、今でも新鮮味が強い。能力の幅も出色。サンルーフを浮かせ右足を緩めれば、鳥のさえずりをBGMに先を急ぐこともできる。

アルピナでグランクーペを検討するなら、多くの人はガソリンのB4を検討するはず。だが、D4 SのB57型6気筒エンジンも逸品。2015年にBMW 7シリーズで投入されて以降、進化が重ねられてきた。

反応が穏やかで高回転域へ吸い込まれるわけではないが、パワーデリバリーは滑らか。回転数の上限は高くないぶん、落ち着いたアプローチが似合う。エンボス加工されたシフトパドルの感触を、味わうように。

だがパドルを長めに引くと、8速ATは一気にキックダウン。ドライバーを刺激する。低域での太い響きも心地良い。積極的なシフトアップも受け付けてくれる。太いトルクと確かなトラクションで、圧倒的なスピードに身を置ける。まさに究極的マシンだ。

物理的にも感覚的にも路面から離れた場所

フィレンツェ・レッドに塗られた、ランドローバー・レンジローバー・スポーツへ乗り換えてみる。D4 Sと比べると明らかに重量級で、最高出力350psの今回のD350は、お値段も4万ポンド(約780万円)以上お高い。

知らない人が運転したら、これがいわゆるレンジローバーだと勘違いするのでは。物理的にも感覚的にも、乗員は路面から離れた場所に座る。インジニウム・ユニットは味わい深いとはいえないまでも、有能なことは間違いない。走りには、確かな余裕がある。

高域へ回すと、8気筒エンジンへ近いサウンドが奏でられる。ダイナミック・モードを選ぶと、レブリミットへキッチリ迫れる。SUVなのに、スタビリティ・コントロールの制御を緩めることもできる。

反面、英国のワインディングでは、大きさを忘れることができない。生け垣が路肩に迫るような区間でなくても、気は抜けない。

コンフォートのままで素晴らしく魅力的

ドライブモードの切り替えは、タッチモニターで。以前のレンジローバーは、手袋のまま操作できる、大きなボタンやスイッチが特長だったけれど。

しかし、コンフォートのままで素晴らしく魅力的。喧騒から隔離されたように移動できる。「入念なステアリングの調整と、しなやかで上質なサスペンションが最大の特徴」だと、AUTOCARでは過去に評価している。

同時に一般道では、サイズとウエイトが運転の楽しさを霞ませる。実力を探求したいと、気持ちはウズキにくい。快適性と操縦性のレンジの広さを考えると、少々惜しい。

比較試乗の続きは、ディーゼル・フォエバー(2)にて。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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