自衛隊の新顔輸送艇
千葉県の幕張メッセで、2025年5月21日から23日にかけて開催された大規模な防衛・安全保障の展示会「DSEI Japan 2025」において、日本の大手造船メーカーであるJMU(ジャパンマリンユナイテッド)が、自衛隊向けの新型輸送艇である「機動舟艇」の模型を初めて公開しました。
【船上から「ドンドンッ!」】バルト海で実施された NEMOコンテナの試験の様子を動画で
機動舟艇は、自衛隊の車両や人員を離島に展開させるための輸送艇です。岸壁などが整備されていない小さな島に部隊を展開する際の「足」となる重要な装備で、JMUがイギリスの船舶設計企業であるBMTとタッグを組み、設計・建造を行います。
同船は、全長約30m、幅約8mというサイズながら、2両の重量級車両を輸送できるほか、航行速度は20ノット(約37km/h)以上という性能をほこります。
最大の特徴はそのデザインです。艦首部分は船体が3つに分かれている「トリマラン(三胴型)」ですが、実は船体後部は通常の船舶と同様の単胴型になっています。この「トリバウ・ハル」と呼ばれる特殊な船体構造により、広大な車両搭載デッキのサイズ、高速性能や航行時の安定性、浅瀬での取り回しの良さといったメリットがあるとのことです。
機動舟艇は、2026年度に最初の1隻が自衛隊に引き渡され、最終的には2027年度までに合計4隻が就役する予定です。運用は、3自衛隊の共同部隊である「自衛隊海上輸送群」が担うこととなっています。
関係者によると、この機動舟艇はこれまで自衛隊が運用したことのない性能を有する装備であるため、最初の4隻についてはいわば「お試し」的な運用が行われるとみているそうです。実際の運用を通じて性能の高さが認識されれば、隻数のさらなる増勢も期待されます。
必要な火力を提供できる「コンテナ型迫撃砲」とは
仮に隻数増加が実現した暁には、陸上自衛隊唯一の離島防衛専門部隊である水陸機動団を密接に支援すべく、その一部を同団専用の上陸用舟艇として運用することを期待する声も聞こえてきます。そうなった場合、機動舟艇には単なる輸送任務だけではなく、別の役割が与えられることになるかもしれません。それが、着上陸時の火力支援です。
じつは、それと関連し得る話題を、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)はDSEI Japanの会場で耳にしました。それは、フィンランドの大手防衛関連企業であるパトリアのブースにて、同社が展示していた迫撃砲システム「NEMOコンテナ」の取材をしていた時のことです。
NEMOコンテナは、120mm迫撃砲を射撃管制装置や給弾システムごとコンテナに収めたもので、3~4名で運用することが可能です。間接照準射撃はもちろん、搭載する光学・赤外線センサーにより直接照準射撃を行うこともできます。
また、デジタル化された射撃管制装置により、目標を正確に狙えることはもとより、発射角度などを調整することで複数の砲弾を同時に命中させる「同時弾着射撃」ができることも謳われています。
このNEMOコンテナは、艦艇に搭載することも可能だといいます。そこで、筆者は機動舟艇への搭載も可能かを尋ねたところ、その答えは「イエス」でした。というのも、NEMOコンテナはすでに同様の舟艇への搭載実績があるためです。
2018(平成30)年、バルト海においてスウェーデン海軍のトロスボート級揚陸艇の甲板にNEMOコンテナを搭載し、実際に地上目標を攻撃するデモンストレーションが行われました。この時、NEMOコンテナは波で動揺する甲板上から同時弾着射撃を含む複数の実弾射撃を実施し、一定の成果を収めたといいます。
離島防衛を考えた場合、りゅう弾砲などを運び込むには小さい規模の島において戦闘が起きる可能性もあります。また、上陸部隊を掩護するための火力提供を、海上自衛隊の護衛艦が搭載する5インチ砲や航空自衛隊の戦闘機による航空攻撃にのみ依存しては、作戦実施が困難にもなり得るでしょう。そこで、コンテナ型迫撃砲を必要に応じて機動舟艇に搭載することにより、そうした課題を解決できるかもしれません。
【船上から「ドンドンッ!」】バルト海で実施された NEMOコンテナの試験の様子を動画で(稲葉義泰(軍事ライター))
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みんなのコメント
それだけ「きな臭い」世の中になったという事か…。