アウディの旗艦SUVに君臨する『Q8』シリーズがドイツ本国で刷新され、最高出力600PSを誇る『RS Q8』に加え、高性能部門アウディスポーツGmbH史上もっとも強力な市販ガソリンモデルとなる『RS Q8パフォーマンス』も設定。その“performance”はニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)で市販SUVの新記録7分36秒698を達成するなど、最速SUVのタイトルを獲得して6月27日より本国での受注が開始され、今後の日本市場への導入も予定されている。
レーシングドライバー兼開発ドライバーを務めるフランク・スティップラーの手により、全長20.832kmのトラックを約7分半で駆け抜けた『RS Q8パフォーマンス』は、アップグレード前の『RS Q8』より約6秒速いタイムを刻んだ原動力として、出力を471kW(640PS)および850Nmのトルクに増加させたことを挙げている(数値はすべて欧州仕様参考値)。
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さらに制御された減衰力とRS専用チューニングによるアダプティブ・エアサスペンション・スポーツや、電動アクティブロールスタビライゼーション(eAWS)、オールホイールステアリング、quattro(クワトロ)スポーツディファレンシャルから構成される優れたシャーシコンポーネントも、ノルドシュライフェでの新記録達成に大きく貢献したとする。
ともにエクステリアでは、大型のシングルフレームグリルを各ハニカムセルが3次元的にデザインされた新たなデザインのハニカム構造とし、ハイグロスブラックのブレード(RS Q8パフォーマンスではマットグレー)を装備。リヤ側でも2本の楕円形のテールパイプをRSモデルで初めて取り入れ、テールパイプの間にはリフレクターでセンターが分割されたディフューザーを配置した。
注目のツインターボチャージャー付きV型8気筒エンジンは、標準の『RS Q8』で441kW(600PS)の出力と800Nmのトルク(2200~4500 rpm)を発生し、0-100km/h加速はわずか3.8秒を記録。一方、最高出力を471kW(640PS)に引き上げ、850Nmのトルクを持つRS Q8パフォーマンスは、0-100km/h加速も3.6秒へと向上し、新開発の軽量エキゾーストシステムや光沢のある黒いテールパイプが特徴であるオプションのRSスポーツエキゾーストシステムに換装することで、さらに強烈なサウンド体験が提供される。
両モデルともにアウディスポーツGmbHによる標準装備として、フルタイム4輪駆動システムのquattroに8速ティプトロニックを組み合わせ、この完全機械式センターディファレンシャルは、そのコンパクトで軽量なデザインによりエンジンパワーを前後の車軸に40:60の比率で配分。スリップが発生した場合、駆動トルクの70パーセントまでを前輪に、85パーセントまでを後輪に伝えることを可能とし、アンダーステアの軽減とより正確なターンインを実現している。
同じくRS専用にチューニングされたアダプティブエアサスペンションスポーツが標準装備され、制御されたダンピングを備えるこのシステムは車高を最大90mmの範囲で可変させる。さらにオプション設定の電動アクティブロールスタビライゼーション(eAWS)を組み合わせると、分割されたスタビライザーの間にコンパクトな電動モーターを配置して両軸に接続。直進時はスタビライザーが分割され、凸凹した道での車体の動きを減少させつつ、コーナリング時には電動モーターがスタビライザーを互いに逆方向に回転させ、横方向の傾きを顕著に減少させる。
また、こちらもオプション設定のダイナミックパッケージプラスでは、電動アクティブロールスタビライゼーション、quattroスポーツディファレンシャル、そしてRSセラミックブレーキシステムが含まれ、標準では電子制御により250km/hに抑制される最高速度も305km/hにまで引き上げられる。
そのほか、Audiレーザーライトを追加したHDマトリクスLEDヘッドライトや、ホイールからステッチまで多様な新しいカラーなどが用意され、前述のとおり本国では6月27日より受注を開始。日本市場への導入時期や販売価格は、追ってアナウンスされる見込みだ。
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