減算歴車や走行距離疑義車には要注意というけど、一体どういう意味?
通常、中古バイクを買う際は、webサイトやプライスカードに書いてある走行距離や年式を確認します。中でも走行距離はバイクの寿命を考える上で大事な一つの指標であり、車体によって大きく変動するものの、一般的には10万キロが寿命の目安であると言われています。
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走行距離はメーターに表示されている数字をそのまま記載することがほとんどですが、車体によっては数字ではなく、ある単語が記載されています。
中古でバイクを購入したことのある人や、現在購入しようと検討している人の中には、バイクの走行距離の欄に「減算歴車」と記載されているのを見たことがある人もいるでしょう。また、似たような単語で「走行距離疑義車」と書いてあるのを見たことがある人もいるのと思います。
では、減算歴車とはどのような車体のことを指すのでしょうか。また、走行距離疑義車とは、どのように違うのでしょうか。
減算歴車というのは、明らかに走行距離を示すメーターが実際の走行距離より少なく表示されている状態の車両を指します。機械式メーターが故意に巻き戻されていたり、メーターの故障などで新しいものに交換されていたことが分かった場合、減算歴車という扱いになります。
一方、走行距離疑義車というのは、メーターの巻き戻しやメーター交換の履歴が発見できなかったものの、車体の状態と走行距離のバランスが取れていない車両。
例えば、走行距離が数千kmなのにタイヤがほとんど限界まで摩耗していた場合、バイクは実際にはそれ以上の距離を走っていることが推測されます。
また、タイヤ以外にもスプロケットやチェーンなど、さまざまな消耗品の状態からも、走行距離疑義車かどうかを判断。
こうした表記については、一般的に公取協とも略される一般社団法人自動車公正取引協議会によってルールが定められており、加盟しているバイクショップは必ずこのルールに基づいて表示することが定められています。
また、インターネット上で中古バイクを探す際に多くの人が活用する検索サービスサイトも公取協に加盟しているため、商品を掲載するバイクショップも同様に、公取協のルールに基づく必要があります。
なお、減算歴車や走行距離疑義車は、実際の走行距離が分かっているバイクと比べて安価であることが多く、その価格に惹かれて購入を検討している人もいるでしょう。
ただし、実際の走行距離が不明であるが故のトラブルも多く、注意が必要。たとえメーター上の走行距離が1万kmだとしても、実際の走行距離は10万kmに近いことも考えられます。
こうした場合、通常の消耗品以外にもクラッチディスクやエンジン本体などが寿命に近い状態になってしまっていることもあり、修理に莫大な金額がかかってしまうこともあり得ます。
クラッチディスクやエンジン内部の状態は、分解してみないと正確に知ることはできません。
そのためバイクショップからも満足な情報を得られることは少なく、購入後すぐに壊れてしまうことも考えられます。安さにつられて減算歴車や走行距離疑義車を買ってしまうと、結局修理にお金がかかってしまうというケースもあるため十分注意しましょう。
※ ※ ※
もちろん、すべての減算歴車や走行距離疑義車の状態が悪いというわけではありません。中には状態はいいものの、走行距離が不明なために値段が安く設定されている車両もあるでしょう。
しかしそういった車両を見分けるのはプロにも難しく、素人にとってはさらに無謀な挑戦と言えます。こうした車両を購入する際は、ある程度のリスクを背負っているという認識を持つことが大切です。
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みんなのコメント
カスタマイズで交換するなら廃車まで添い遂げる覚悟で…
ちなみにうちのも年代のわりに距離は少なく見える。もう何周したか数えてないけど。
バイクの状態は走行距離に比例せず、保管方法やメンテナンスで大きく変わる
新車から乗っていた大型バイクは14年余りで11万キロ以上走ったけどオイル交換・チェーン/スプロケ交換・前後ショックOH等のメンテだけで何の問題も無かった
ま、大型バイクのエンジンをぶん回す技量は無かったのでそこも影響しているとは思う