2020年5月26日、STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)は、STIのコンプリートカー、「WRX S4 STIスポーツ♯(シャープ)」を限定500台で7月6日に発表、8月20日から発売することを発表した。価格は474万1000円。
注文受付けは5月26日からスタート、2020年10月22日まで500台に達した時点で販売終了となる。
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今回発表されたWRX S4 STIスポーツ♯は、カタログモデルであるS4 STIスポーツをベースに開発され、S4ベースのコンプリートカーとしては、2016年9月に発売されたS4 tS以来、約4年ぶりとなる。
現在、WRX S4は受注をストップしているが、このWRX S4スポーツ♯の発表と同時に行われる年次改良に向けてのことだった。
その年次改良の内容も発表された。WRX S4のグレード体系が見直され、従来のGT、GT-Sグレードが廃止され、カタログモデルはS4 STIスポーツアイサイトのみのラインナップとなった。なお、これまでJC08モード燃費のみの対応だったが年次改良後からはWLTCモード燃費にも対応する。
すでに、現行WRX STIのカタログモデルは2019年12月23日をもって生産を終了しているので、実質、このWRX S4 STIスポーツ♯が最もスポーティなモデルとなる。
さて、WRX STIスポーツ♯はどんなクルマなのか? さっそく中身を解説していこう。
文/ベストカーWeb編集部
写真/SUBARU STI
【画像ギャラリー】WRX S4 STIスポーツ♯と歴代STIコンプリートカーの雄姿を写真でチェック!
最上級のスポーツセダンを目指したS4 STIスポーツ♯
2017年に発売されたS208と同じエアロパーツをS4 STIスポーツ♯に採用しているという。写真はS208 NBRチャレンジパッケージ
STIがここ数年以内にリリースしたコンプリートカーを見ていくと、2017年10月発売したS208(限定450台)、2018年7月発売のWRX STIタイプRA-R(限定500台、499万8240円)、2019年11月、北米市場のみ限定販売されたS209と、毎年のようにコンプリートカーを販売している。
今回発売されるWRX S4 STIスポーツ♯(シャープ)は、カタログモデルであるS4のトップモデル、STIスポーツをベースにした限定500台のSTIコンプリートカーだ。
ベースのS4 STIスポーツは、ビルシュタイン製のダンプマチックII(倒立式、フロントのみ)を装着しており、ブラック/ボルドーの内装やレカロ製シートを装着。
切れ味鋭いステアリング特性と上質な乗り心地を両立した大人のスポーツセダンに仕上がっているSTIスポーツを、STIが走りの愉しさと上質さを、よりシャープにチューニングしたのが、WRX S4 STIスポーツ♯である。
エクステリアはS208と同じ!
WRX S4 STIスポーツ♯(写真)のエクステリアはS208やEJ20ファイナルエディションと同じエアロパーツを装着している
光沢のあるブラック塗装の大型フロントアンダースポイラーをはじめ、ダークグレイシリカ塗装のフロントグリル、リアエアアウトレット付きリアバンパーなど、S208やEJ20ファイナルエディションと同じエアロパーツを装着。
ブラックパーツを用いることで、引き締まった精悍なスタイルとしている。足元もブラック塗装の18インチ×8.5Jアルミホイールを装着している。
WRX S4 STIスポーツ♯のリア回り。ほぼS208と見た目は変わらない
注目のパワートレインは?
CVTオイルクーラーと強化タイプのラジエターを装着したことにより、スポーツ走行時のCVTオイルの温度上昇が抑制されるという
STI製低背圧パフォーマンスマフラー( STIロゴ入り)&エキゾーストパイプ
最大トルクは約10%向上しているという
WRX S4標準車はFA20型2L直噴ターボDIT(300ps/40.8kgm)が搭載されているが、このS4 STIスポーツ♯には基本的にエンジン本体には手が加えられておらず、吸排気系の変更が主となる。
エアクリーナーエレメントとマフラーにSTI製パーツを採用したことにより、通気抵抗を低減し、加速中のエンジントルクを最大で10%向上(STI実験値)しているという。
詳しいスペックは公表されていないが、10%=4.8kgm、つまり加速中の最大トルクは45.6kgmとなる。
また、アクセル操作に対するレスポンスが向上したことで、追い越し時の加速の気持ちのよさが高まっているという。
さらに、スポーツ走行時の熱のトラブルを防ぎ、性能を存分に引き出すため、CVTオイルクーラーと強化タイプのラジエーターファンを採用し、冷却性能を強化している。
こうしたCVTオイルクーラーや強化ラジエターによる冷却効果はかなり大きい。2016年に発売されたWRX S4 tSにも装着されており、サーキット走行で標準車のS4より1.7~1.8倍多く周回できる耐熱性を備えていたから、S4 STIスポーツ♯もそれに準じた性能を持っているといっていいだろう。
フレキシブルパーツによる運動性能強化
S209には採用されていたが、WRX国内初採用となるフレキシブルドロースティフナーリア(STIロゴ付き)&フレキシブルドロースティフナーリアガード
STIといえば、シャシー強化パーツが得意だが、このSTIスポーツ♯にもWRX向けとして国内初となる「STI製フレキシブルドロースティフナーリア」を採用。
フレキシブルタワーバーの専用チューニングなどにより、ハンドリング性能を大幅に向上させ、「運転が上手くなるクルマ」に仕上がっているという。
横Gの応答時間はSTIスポーツに比べ10%短縮した
具体的にはフレキシブルパーツは3点、フレキシブルドローステフナーフロント、フレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナーリアを採用することで、S4 STIスポーツ♯のコンセプト「よりシャープな大人のスポーツセダン」にふさわしい、余裕を持ったドライビングが愉しめるようなセッティングになっているという。
WRX初採用となるリアのフレキシブルドロースティフナーは、車体に加わる力の伝達をスムーズにするとともにリアタイヤの接地性を高めることで、クルマとのさらなる一体感を味わえるように仕上げている。さらに、路面からの入力をいなすことで乗り心地にも寄与しているという。
また、フレキシブルタワーバーは性能のバランスを取るためのチューニングを行い、ブラケットの形状を変更している。
フレキシブルドロースティフナーフロントは適度なテンションをかけることで走行中のシャシーのしなりを補正し、機敏な初期操舵としなやかな乗心地の両立させるパーツ
上質なスポーツセダンを目指し、さらに静粛性強化
ロードノイズの周波数帯を約0.5dB低減し、静粛性を向上。音量も6%低減
もともとWRX S4 STIスポーツは上質なスポーツモデルに仕上がっているが、さらに吸音材・制振材を追加することで、より静かで快適な室内空間を実現。
ロードノイズの周波数帯を約0.5dB低減し、音量でも6%低減したという。下のグラフを見ればわかる通り、静粛性を実感しやすい会話明瞭度にも静粛性の向上が表われている。
会話明瞭度にまでこだわり、前席は̟+1ポイント、後席は+0.8ポイント改善した
大人のスポーティさを表現したインテリア
上質なS4 STIスポーツ♯専用のインテリア。ステアリングやシフトレバー、ドアトリム、アームレストにはシルバーステッチが入る
S4 STIスポーツのインテリアは、ブラック/ボルドー/レッドステッチだが、STIスポーツ♯はブラック&シルバーのモノトーンでコーディネート。
しっとりとした肌触りのウルトラスエードを用いたレカロ製シートやドアトリム&ドアトリムを採用するなど、洗練された大人のスポーティさを表現した空間としている。
■インテリアの装備内容
●レカロ製フロントシート(ウルトラスエード/本革、ブラック、シルバーステッチ+STIロゴ入り)&リアシート (ウルトラスエード/本革、ブラック、シルバーステッチ)●ドアトリム&ドアアームレスト(ウルトラスエード、ブラック、 シルバーステッチ)●フロントコンソール(ブラックレザー調素材巻き+シルバーステッチ)●ウルトラスエード巻きステアリングホイール(シルバーステッチ)●本革巻きシフトレバー&シフトブーツ(シルバーステッチ)●スライド機構付コンソールリッド(ウルトラスエード、ブラック、シルバーステッチ)●プリテンショナー&フォースリミッター付フロント3点式ELRシートベルト( シルバー)&リア全席3点式ELRシートベルト(左右はシルバー)
レカロ製フロントシートはウルトラスエード/本革でカラーはブラック、STIのロゴとシルバーステッチが入る
価格はWRX S4 STIスポーツから57万2000円高
WRX S4は今回の限定車、S4 STIスポーツ♯と、上のカタログモデル、S4 STIスポーツアイサイトが現行S4の最終モデルになる模様
さて、WRX S4 STIスポーツ♯の価格は、ベースのWRX S4 STIスポーツアイサイト(416万9000円)から57万2000円高の474万1000円。
注文受付け期間は5月26日~10月22日まで、500台に達した時点で販売終了となる。
前述した通り、S4 2.0GTアイサイトやS4 2.0GTSアイサイトは今回のSTIスポーツ♯の登場と同時に、生産終了となり、S4はWRX S4 STIスポーツアイサイトが唯一のカタログモデルになる。
すでに現行WRX STI EJ20ファイナルエディション(限定500台)が完売し、カタログモデルのWRX STIも2019年12月23日までの受注をもって生産が終了している。
WRX STIを買い逃した人、またこれが実質、現行最強のモデルでWRX最後のコンプリートカーになるかもしれない、ということを考えると、希少価値は大いにある。即完売必至だから、欲しい人は急げ!
走りの愉しさと上質さをより“シャープ ”にトータルコーディネートした STIスポーツの完成形「STIスポーツ♯」
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既に興味は新型車へ。