1970年式ホンダ「CT70」が語るダックスの系譜と落札理由
1969年に国内デビューしたダックスホンダは、「クルマのトランクに収まる二輪車」という斬新な発想でファミリーレジャー市場を切り開きました。
【画像】クルマのトランクにも入るレジャーバイクで一斉を風靡したホンダ「CT70トレイル」を写真で見る(16枚)
折りたたみハンドルや一体型Tボーンフレームがもたらす低重心と長いホイールベースは、小径タイヤでも直進安定性を確保し、舗装路から林道までを軽快にこなす万能さで人気を獲得します。
翌年、北米輸出仕様として誕生したCT70は排気量を72ccへ拡大し、現地の保安基準に合わせた灯火類とマイル表示メーターを備えて市場に投入されました。
今回落札された車両は1970年式CT70トレイルで、アメリカのオンラインオークションに2025年4月16日に出品され、無予約ながら2700ドル(日本円で約38万円)で落札されました。
キャンディゴールドの外装は当時のカタログカラーのなかでも特に発色が鮮やかとされ、フレーム、チェーンガード、フォークアウター、スイングアームまで統一塗装が施されています。
クロームフェンダーとヒートシールド付きアップマフラーが光を反射し、ミニバイクながらプレミアムな存在感を放っています。
ハンドルはツイストロック式で工具を使わずに折りたためるため、SUVやピックアップの荷台に積載してキャンプ場に運ぶという北米流のレジャースタイルに最適です。
メーターは日本精機製で時速50マイルスケールを採用し、推奨シフトポイントが色分けで表示されます。5桁式オドメーターは1300マイルを指し、そのうち約10マイルが現オーナー走行分と伝えられており、半世紀を経た個体としては低走行域に留まります。
駆動系は72cc空冷4ストローク単気筒と自動遠心クラッチ付き3速リターンミッションの組み合わせです。
クラッチ操作なしで発進できる手軽さは当時の初心者層だけでなく、現代のビンテージライダーにも扱いやすいポイントとなります。
足回りは10インチ二分割アルミリムとニットーブロックタイヤ4.00サイズを組み合わせ、倒立フォークとスイングアーム式デュアルショックを採用。前後ドラムブレーキながら、車重65kg前後の軽量ボディには十分な制動力を発揮します。
ボディサイズは全長1510mm×全幅580mm×全高960mmで、ホイールベース1035mmです。
最小回転半径1600mmという取り回しの良さと、大人2人が乗車可能なツーアップシートの実用性が両立し、街中の買い物からキャンプ場での移動まで幅広いシーンをカバーします。
外装には塗装の艶引けやデカールの褪色、クローム面の点状酸化が散見されるものの、再塗装歴のないオリジナルペイントを保っている点はコレクターにとって高評価となる項目です。
現オーナーによる近年の整備でバッテリーとシートカバーが新品に交換され、機関もキック一発で始動する状態と報告されています。
落札額は日本円で38万円
今回の落札額2700ドル(日本円で約38万円)は、レストアベースでも3000ドル前後で推移する近年のCT70市場において実動コンディションとしては妥当な水準と言えます。
希少色キャンディゴールドと低走行という付加価値を考慮すれば、むしろ買い得感があったとの見方もあり、取引コメント欄でも「次のオーナーは幸運だ」といった声が見られます。
なお、ダックスシリーズは現代にも引き継がれ、2022年には124ccのDax125が復活を果たしました。その背景には、往年のレジャーバイク文化を再評価するトレンドと、小排気量で楽しむモビリティ需要の高まりがあります。
そうした流れの中でオリジナルCT70の存在感も一段と際立ち、コレクターだけでなく若い世代にも注目される対象となっています。
※ ※ ※
ダックス譲りの携帯性と遊び心を備えたCT70は、半世紀を経てもビンテージレジャーバイクの代表格として愛好家の支持を集めています。
今回のキャンディゴールド車は、その希少な原色と低走行、実動状態が組み合わさった好例として今後の価格指標になる可能性もあり、保存状態の良い個体を探すファンにとって貴重な指針と言えるでしょう。
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みんなのコメント
今にしてエンブレムがネジ止めの初期型 燃料タンクには給油口にもコックが付いてて キャブのフロートにはガス抜きのドレンボルトも付いている。
配線カプラーで簡単にステアリングヘッドも分離できる。
クルクルハンドルを抜いてステアリングヘッド外した
「前輪無いバイクなんて 重くて詰めるかい!」