まもなく今年も梅雨の季節がやってきます。雨の日は、路面が滑りやすくなるためいつもより運転に注意が必要となりますが、線状降水帯やゲリラ豪雨など、バケツをひっくり返したような大雨となってしまうと、ワイパーを最速にしても、フロントガラスの向こうはほぼ白一色、前のクルマもぼんやりしか見えないという、とても危険な状況になることも。
高速道路でも一般道でも、突然の豪雨はドライバーにとってまさに「緊急事態」です。パニックにならず、安全に切り抜けるにはどうすればいいのか? 視界ゼロの豪雨に直面したときの正しい対処法をご紹介しましょう。
走行中に突然の豪雨!! 前が見えない!!!! どうするのが正解?
文:yuko/アイキャッチ画像:写真AC_らなんらなん/写真:Adobe Stock、写真AC
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豪雨に遭遇したら、とにかく車速を落として車間距離を十分にとる
クルマを運転中に豪雨に遭遇したら、まずは車速を落とし、前走するクルマとの車間距離を十分にとりましょう。豪雨によって路面に水が溜まってくると、タイヤが路面にグリップしにくくなることからスリップしやすくなるほか、制動距離(ブレーキが作動し始めてからクルマが完全に停止するまでの距離)が延びたり、最悪の場合、クルマが制御できなくなるハイドロプレーニング現象(水膜の上にタイヤが浮いてしまう現象)に陥ってしまう可能性もあります。
昨今のクルマには衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)が搭載されている場合が多いですが、悪天候時には正常に作動しない場合もあります。機能を過信せず、豪雨時には車速を落として車間距離を十分にとることを心がけてください。車間距離を十分にとることはまた、前走車がはね上げる水しぶきを避けることで視界を確保する、という意味もあります。また、たとえ昼間であっても、ライトを点灯させ、自車の存在を周囲にアピールすることも大切です。
豪雨に遭遇したら、とにかく車速を落として車間距離を十分にとるようにしよう。昼間でもライトを点灯させて、自車の存在をアピールすることも大切(PHOTO:Adobe Stock_ fotojanis)
車線変更は慎重に 高速道路では追い越しもできる限り控えよう
急ハンドルや急ブレーキもスリップに繋がってしまう恐れがあるため、避けるべきです。たとえ周囲のクルマから水しぶきを浴びせられたとしても、慌ててハンドルを操作したりブレーキを踏んだりせず、ハンドルをまっすぐ持って視界が回復するのを待ちましょう。また線状降水帯発生時は突風が発生することもあるため、急な突風に対応できるよう、ハンドルをしっかり握って運転をすることも大切です。
豪雨時はまた、視界不良によって周囲のクルマを見落としてしまう危険があるため、進路変更(車線変更)も最小限にしたいところ。進路変更が必要な場合は、ドアミラーでの確認に加えて、目視での確認も必ず行うようにしてください。進路変更を控えることには、ハンドル操作を最小限にすることでスリップしてしまうことを防ぐ、という意味もあります。右左折時や後退時も、ドアミラーは雨滴で見えづらくなるため、必ず自分の目でも確認をすることが大切です。
これらに加えて、一般道では、冠水している恐れがあるので、アンダーパスを避け、河川の近くもできる限り避けるようなルートを選ぶようにしてください。カーラジオなどでそうした情報を事前に確認しておくことも必要です。
高速道路でも、追い越しや進路変更はできる限り控えるようにしてください。追い越しは、加速をすることでスリップしてしまう危険がありますし、後続車が速度を出していた場合、(後続車の)ブレーキが間に合わないというリスクもあります。高速道路ではまた、気象状況や路面状況によって、最高速度が規制される場合がありますので、速度規制標識をしっかり確認するようにしてください。
豪雨時は、スリップしやすいことに加えて、視界が悪いことで安全確認の際の見落としも発生しやすくなる(PHOTO:Adobe Stock_ travel)
ただ、ワイパー最速にしても視界が確保できないようなら、雨が収まるのをまとう
ただ、ワイパーを最速にしても視界が確保できないような豪雨の場合は、やはり安全な場所にクルマを止めて雨が収まるのを待つのが最善です。高速道路では、最寄りのサービスエリアかパーキングエリアに、一般道でも道路外の駐車場(地下駐車場はNG)に避難をしてください。路肩など道路上での停車は、後続車から追突されてしまう恐れがあるため危険です。やむを得ない場合は、ハザードランプに加えてブレーキランプも点灯させ続けるなど、後続車から確認しやすいような対策をしましょう。
気象庁のWEBサイトでは、1時間雨量が50ミリ以上ではクルマの運転は危険とされています。この1時間降水量50ミリ以上は、2024年は全国でなんと346回も発生したとのこと(気象庁)。80ミリ以上も23回、100ミリ以上も2回発生したそうです(いずれも2024年)。こうした豪雨は年々増加傾向にあるそうで、最近10年間(2015~2024年)の平均年間発生回数(約334回)は、1976~1985年の平均年間発生回数(約226回)と比べて約1.5倍に増加しています。
地球温暖化が影響していると思われるそうで、この傾向は今後も続く可能性があります。「たかが雨」と思うことなく、危険を感じたらとにかく安全な場所に避難し、状況が改善することを待ちましょう。豪雨が予想されている場合は、事前にクルマでの移動を諦めるという判断も、安全のためには必要です。
気象庁のWEBサイトでは、一時間雨量が20ミリを超えるとワイパーを速くしても見づらく、30ミリ以上になるあとハイドロプレーニング現象が発生、50ミリ以上ではクルマの運転は危険とされている(気象庁:「雨の強さと降り方」より)
ワイパーを最速にしても視界が確保できないような豪雨の場合は、安全な場所にクルマを止めて雨が収まるのを待つのが最善。事前に豪雨が予想されている場合は、クルマでの移動を諦めることも必要(PHOTO:写真AC_おーちゃん2号)
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みんなのコメント
見えないのに安全な場所なんてわかるハズないだろ。
まさにバケツをひっくり返したような豪雨を体験したことがあるが、まったく前が見えなかった。若干減速して直進するしかなかった。止まったら追突される。