■夏場に増える「リチウムイオン電池」火災事故
クルマのダッシュボードに置かれたモバイルバッテリー。
夏の強い日差しが直接当たると、バッテリーが膨らみ始め、突然、大量の煙と炎が噴き出す。
これは独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公開した再現映像の一幕です。
私たちの生活に欠かせないリチウムイオン電池が、夏の高温によって火災事故につながるリスクが高まっています。
いわゆる「夏バテ(夏のバッテリー)」には要注意です。
NITEが2025年6月26日の発表によると、モバイルバッテリーやスマートフォン、電動アシスト自転車などのリチウムイオン電池搭載製品による事故は年々増加しており、特に夏場に多発する傾向があります。
2020年から2024年までの5年間にNITEに通知された製品事故情報では、リチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件に上り、そのうち約85%(1,587件)が火災事故に発展しています。
事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加し、6月-8月にピークを迎えています。
東京都の平均気温と事故発生件数を比較したグラフを見ると、気温の上昇とともに事故発生件数が増加し、8月に気温と事故発生件数がともにピークを迎えています。
これは、高温環境によりリチウムイオン電池内部の温度が上昇し、異常発熱や発火などのリスクが高まるためと考えられます。
●製品別ではモバイルバッテリーの事故が最多
製品別では「モバイルバッテリー」の事故が最も多く、2024年は2022年比で2倍以上に増加しています。
NITEはこの傾向について、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症になり行動範囲が広がったことや、防災用品としての需要の高まりなどが要因ではないかと分析しています。
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●製品別の事故発生件数(2020年~2024年の5年間)
1. モバイルバッテリー:361件
2. 電動アシスト自転車:202件
3. 充電式電動工具:171件
4. 充電式掃除機:157件
5. ノートパソコン:134件
6. ポータブル電源:110件
7. スマートフォン:102件
8. その他:623件
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●リチウムイオン電池とは?
リチウムイオン電池は、小型化しても十分な電力を確保でき、繰り返し充電して使用できる便利な電池です。
円筒形(ノートPC、携帯用扇風機など)、ラミネート形(スマートフォン、モバイルバッテリーなど)、角形(デジタルカメラ、携帯ゲーム機など)の3種類の形状があります。
リチウムイオン電池の内部は、正極板と負極板をセパレータで隔離している構造になっており、正極板と負極板の間でリチウムイオンと電子をやりとりすることで電気エネルギーを生み出しています。
また、可燃性の電解液で満たされているため、何らかの理由で正極板と負極板が電気的につながる「内部ショート」が発生すると、大きな火災事故につながるおそれがあります。
●事故事例から学ぶリスク
NITEが紹介している事故事例から、リチウムイオン電池の危険性について具体的に見てみましょう。
2023年8月、熊本県で40代男性の車内に置かれていたモバイルバッテリーが発火しました。
詳細な事故原因の特定には至らなかったものの、モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池セルが異常発熱し発火したものと推定されています。
車内は夏場に非常に高温になることがあり、リチウムイオン電池にとって危険な環境となります。
高温によりリチウムイオン電池内部で異常な反応が起き、発熱・破裂・発火につながるおそれがあります。
●アンケート調査で判明した「膨張」の危険性
NITEが2025年3月に実施した「モバイルバッテリー」のヒヤリハット・事故の経験についてのアンケート調査では、「膨らんだ(変形した)」が最も多く175件、次いで「熱くなった(やけどした)」が161件、「発火した(焦げた)」が64件という結果でした。
膨らんだリチウムイオン電池の内部には可燃性ガスがたまっています。
このような状態の電池に、強い衝撃や外力が加わって内部部品が破損した場合や、充電しすぎた場合に電池に負荷がかかると、熱が発生するなどして内部にたまっていた可燃性ガスが発火するおそれがあり、特に注意が必要です。
■火災事故を防ぐ3つのポイント、正しい捨て方は?
NITEは、リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐための3つのポイントを紹介しています。
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1. 正しく購入する
・連絡先が確かなメーカーや販売店から購入する
・リコール対象ではないことを確認して購入し、購入後も常に最新の情報をチェックする
・安価な非純正バッテリーが抱えるリスクについて理解する
2. 正しく使用する
・高温下に放置するなどして熱を与えない
・強い衝撃を与えない
3. 正しく対処する
・充電や使用時は時々様子を見て、異常を感じたらすぐに充電・使用を中止する
・万が一発火した場合は大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で119番通報する
—
リチウムイオン電池搭載製品を廃棄する際にも注意が必要です。
自治体の指示に従って正しく捨てることや、メーカーや販売店による回収サービスを利用することが推奨されています。
またリチウムイオン電池は満充電状態よりも、使い切った(放電しきった)状態の方が発火等のリスクが低くなります。(くるまのニュース編集部)
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みんなのコメント
夏バテ=モバイルバッテリーの加熱による火災に注意の表現方法が「クソ」すぎ。
記事書いた奴は「どや!」で書いたんだろうけど「不謹慎」過ぎるだろ。
なんで普通に注意喚起として記事を書けないのか?
くるまのニュースorライターの倫理観を疑いますよ。