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マツダが考えるEV時代への回答 MX-30 EVモデル そこが知りたい6つのポイント

掲載 更新 47
マツダが考えるEV時代への回答 MX-30 EVモデル そこが知りたい6つのポイント

 昨年秋に国内での販売を開始した、マイルドハイブリッドパワーユニット(以下MHEV)を搭載したMX-30。そのEVバージョンが登場した。

 なぜマイルドハイブリッドと併売なのか? 航続距離は実際どのくらいなのか? 乗り心地はマイルドハイブリッドと変わらないのでは? …などなど、ガッツリ試乗で気になる6つのポイントを確かめてみた。

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●MX-30EVモデル価格
・EV:451万円
・EV Basic Set:458万7000円
・EV Highest Set:495万円

※本稿は2021年2月のものです。試乗日:2021年2月4日
文・写真/ベストカー編集部 撮影/平野 学
初出:『ベストカー』 2021年3月26日号

【画像ギャラリー】デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーも受賞!!! MX-30の画像をギャラリーで見る

■そもそもMX-30EVモデルってどんなクルマ?

 MX-30は最初からEVモデルを念頭に開発されており、ホイールベース内のフロア底部に搭載されたリチウムイオンバッテリーにより、フロントボンネット内に搭載されたモーターを使って前輪を駆動する。室内空間はMHEVモデルと変わらない。

マツダ MX-30 EVモデル

 バッテリーは35.5kWhと比較的小容量で、これを疑問視する意見もあるが、マツダとしては、製造時から廃車されるまで、車両トータルでのCO2排出量の削減こそが将来の地球環境の維持保全には最重要と捉え、その現況における最適解として「EVはシティコミューターとしての使い方」を導き出したという。

 さらに、グリーン電力の供給比率が高いエリアに重点的にEVを販売し、石炭火力発電などCO2排出量が多いエリアでは、燃費に優れる内燃機関車がCO2排出量の観点ではエコ度が高いとみており、日本国内ではMX-30はMHEVモデルとの併売となっているのだ。

 EVモデルの価格は451万~495万円でMHEVに対し約200万円価格アップとなる。

ホイールベース内のフロア下に35.5kWhのリチウムイオン電池を搭載。モーターや制御系機器はフロントボンネット内に収められる

■EVだから実現した前後重量配分

 マイルドハイブリッドモデルに対して車重は190kgプラスの1650kg。前輪荷重は920kg、後輪荷重は730kgで、55.8対44.2。一般的なFFモデルと比較すると圧倒的にフロントが軽いことがわかる。

 低重心と相まって、リアのスタビリティの高さを感じる独特のハンドリング特性が得られたのだ。乗り心地のよさ、室内に入り込む音の小ささも特筆ポイントとして挙げられる。

総重量1650kgのうち、前輪荷重は920kg、後輪荷重は730kg

■実際の航続距離はどのくらい?

 カタログに記載されるWLTCモードによる航続距離は256.0km。さて実際のところ、1充電でどの程度の距離が走れるのか? 

 試乗開始時点でのバッテリー残量は75%で、航続可能距離は141kmと表示されていた。

 試乗なのでちょっと多めにアクセルを踏み込んでみたり、通常の走行ではやらないような、“バタバタ”アクセルを動かしてトルクレスポンスを試すような乗り方もしたということは最初にお断りしておこう。

MX-30の特徴的な観音開きドア。後席へのアクセスはちょっとひと手間かかる

 結果を言えば、約60分、30.2kmを走ってバッテリー消費は19%分。航続可能距離の表示は109kmとなっており、平均電費は4.9km/kWhであった。

 35.5kWhバッテリーなので、この条件での航続距離は174kmということになる。

 ワンデードライブであれば充分実用面での問題はないと感じた。

右リアフェンダー部の充電ポート。もちろん急速充電対応だ

■乗り心地や操安性は?

 乗り心地や操安性は、先に乗ったマイルドハイブリッドモデル(MHEV)とはまったくのベツモノ!

 MHEVモデルで感じた乗り心地の粗さや、フロアから感じる共振するような低周波の音(ロードノイズ)はスッと抑えられていて心地いいのだ!

 乗り心地はMHEVに対して190kg重くなった車重が大きく効いている印象。重量増の主要因が床下のバッテリーなので重心が低くなり、サスペンションの動きもスムーズになっている。

 このバッテリーを搭載するフレームがフロアに結合されていることでフロア剛性が格段に強くなっている。これが乗り心地にも効いているし、音振のよさにも大きく寄与しているのだ。

 また、走り出してフロントの軽さにビックリ! 操舵に対してシュッとフロントが反応する。

 素早い切り返しでは相対的にリアが残ってしまう動きが少々気になったが、言い換えればリアがブレイクする不安感はない。このフロントの軽やかさは魅力的。これは前:920kg、後:730kgという重量配分ゆえ。

 動力性能は「必要にして充分」。EVらしさを主張するようなドンと立ち上がるトルク感やアクセルオフでの回生減速感はなく、アクセル操作に忠実な穏やかな加減速感はむしろ好感である。

操舵に対するフロントの反応が軽快。乗り心地もいい

■お値段は? 買い方は?

 ベースモデルの価格は451万円。ブレーキサポートをはじめとする運転支援システム、ACCなどは全モデル標準装備。

 またオートエアコン、オーディオも標準装備なので、ベースモデルでも不満はない。

インテリアの造形はマイルドハイブリッドモデルと違いはない。直線的でシンプルなデザインのインパネは伸びやかで開放感を感じさせる。メーターはセンターに速度計、左側はパワーメーターとなる。コルクを表面に貼ったセンターパネルもMHEVモデル同様採用される

 458万7000円の『EV Basic Set』では本革ステアリングなどの室内装備がグレードアップされる。

 また、マツダでは3年プランなら残価率55%の残価設定クレジットプランを用意しているほか、初めてEVを買うユーザーのためのサポートデスクも用意する。

マイルドハイブリッド車に対し200万円程度価格アップのEVモデル

■下肢障碍者にも優しいMX-30EVモデル

 現在開発中の下肢障碍者に向けたモデルに試乗した。特徴はアクセルをステアリングに沿って装着されたリングの押し込みで操作する点。

 EVゆえにスムーズな加減速で、初めて操作したのにギクシャクすることなく走らせられた。

 ブレーキは左手で押し込むバーで操作するのだが、こちらもすぐに慣れた。まだ試作段階ということだが、観音開きの乗降性と併わせて、大きな可能性を感じた。

ステアリング内側のリングがアクセル

リアドアは電動で開閉できる

ブレーキは左手側のレバーで操作。すぐに慣れた

●マツダ MX-30 EVモデル主要諸元 ※()内はガソリンモデル・FF
・全長:4395mm
・全幅:1795mm
・全高:1565mm(1550mm)
・ホイールベース:2655mm
・車両重量:1650kg(1460kg)
・最小回転半径:5.3m
・原動機:交流同期電動機(エンジン:直4DOHC、1997cc)
・最高出力:145ps/4500-11000rpm(156ps/6000rpm)
・最大トルク:27.5kgm/0-3243rpm(20.3kgm/4000rpm)
・駆動用バッテリー:リチウムイオン(─)
・総電圧:418V(─)
・総電力量:35.5kWh(─)
・一充電走行距離(WLTC):256km(15.6km/L・WLTCモード燃費)
・サスペンション:ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ:215/55R18
・価格:451万円(242万円)

【画像ギャラリー】COTYデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーも受賞!!! MX-30の画像をギャラリーで見る

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みんなのコメント

47件
  • こんなの買う人いるの?
  • 充電インフラ網にもお金を出さないことに決めたマツダ。
    何がしたいのか?
    EVへの移行では絶望的なまでに期待できない会社となってしまった。

    合掌
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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