■白地にピンクで「TOKYO2020」
首都高にちょっと変わった看板というか、標識が新たに設置されつつあるのをご存じだろうか。湾岸線を走っていると目につくので、東京とその近郊のドライバーは知っている人も多いはずだ。
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縦型(長方形)の標識に「TOKYO2020」の文字と電車を正面から見たような図柄を、ちょっとピンク色がかった色で表されている。TOKYO2020の文字を見るだけで、2021年夏に延期開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに関係していることがわかるだろう。電車のように見える図柄は、どうやらバスを表現しているようだ。
ご存じのように「東京2020大会」は、2021年7月23日(金)から8月8日(日)までがオリンピック開催期間、パラリンピックは同8月24日(火)から9月5(日)までを予定している。本来なら今年開催されるはずだったが、正式に延期が決まるまでほぼすべての準備が進行中だった。この首都高の標識もその関連作業のひとつで、首都高速道路株式会社は2013年9月には「2020東京オリンピック・パラリンピック首都高推進本部」(略称首都高五輪推進本部)を社内に設置している。
2019年7月には、東京2020大会に向けた交通対策のテストとして大規模な交通規制が実施された。こうしたテストや本番での交通規制などは「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 輸送連絡調整会議」で決定されている。そのため交通規制を伴う首都高のルートにTOKYO2020の標識が取り付けられているわけだ。東京都内の首都高はほぼすべて規制対象になり、大会期間中は特別な交通規制が実施される。選手はもちろん、大会関係者やマスコミなどの大会関係車両が通行するルートを明確にする意味もある。首都高にはこの標識が約500枚取り付けられているという。
■オリパラ専用の規制も実施
ただし、このピンク色の標識は大会関係車両が通るルートを示しているだけで、規制標識ではない。2021年の本番までには、首都高はもちろん一般道には、選手や関係者が乗るクルマ専用レーンが登場する。規制標識は、冒頭の標識とは違いブルーの地に白い文字で「TOKYO2020優先Priority」または、「TOKYO2020専用ONLY」と書かれている。
優先と専用レーンは東京都内と千葉県の一部に設定され、路面標示も同様のデザインで表示される。専用レーンの路面にもブルーの地に「専用ONLY」、優先レーンは「優先Priority」とペイントされ、標示には規制の時間帯が併記される。この規制標識と路面標示は約300m間隔で交互に配置され、約3400カ所に設置する予定だ。さらに警察庁とは別に組織委員会は、よりわかりやすいように専用レーンのセンターにピンク色の実線、優先レーンにはピンク色の破線を引く予定だという。
ピンクの標識と違いブルーの専用と優先レーンは交通規制だから、この指示に違反すると交通違反切符が切られることになる。専用レーンは大会関係車両のみが走行でき、優先レーンで大会関係車両に道を譲らなかったりすると、通行帯違反で違反点数1点、反則金6000円(普通車)の反則金。また、首都高は道路規制だけでなく、通行料増額による交通量の抑制も実施される予定だ。「東京2020大会における首都高速道路の料金施策に関する方針」によると、大会期間中の昼間(6時~22時)は、普通車、軽自動車などのマイカーの通行料金に1000円(ETCは都区間、現金は全線)が上乗せされる。その代わりに深夜から早朝(0時~4時)は5割引する予定だ。
■魔法のステッカーが貼られた車両も
一般ドライバーが優先レーンを走るときに気をつけたいのが、大会関係車両が後方から迫ってきたときだ。関係車両に貼られるステッカーは、ピンクの地に白の文字で「TOKYO2020 大会関係車両 Games Vehicle」と書かれているから、この車両を見たら素直に道を譲らなくてはならない。この“魔法のステッカー”は、偽造防止のためにTOKYO2020の文字の下にホログラムのバーがデザインされ、一番下には車両ナンバーが入れられる。ステッカーが盗難に遭っても車両ナンバーと合わなければ偽大会車両だとわかる。ピンクの車両ステッカーは、クルマの前後に貼られるのですぐにわかるはずだ。
それに大会関係車両は、特別な場合を除いてすべてトヨタ車になる予定。これはトヨタがIOC、IPCワールドワイドパートナーだからで、すでに車両を提供することも決まっている。来年の期間中は、e-Paletteの東京2020オリンピック・パラリンピック仕様やConcept-愛i東京2020オリンピック・パラリンピック仕様、新型MIRAIが東京を走りまわるはずだ。(自動運転のe-Paletteはクローズドエリアの晴海選手村で稼働予定)
〈文=丸山 誠〉
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みんなのコメント
オリンピックどころではないでしょう。
収まっても、以前のようには戻らない
。