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前輪駆動ホットハッチ前夜 フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビーム(1) 手頃なラリー・レプリカたち

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前輪駆動ホットハッチ前夜 フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビーム(1) 手頃なラリー・レプリカたち

現実的な価格で提供されたラリー・レプリカ

前輪駆動のホットハッチへ注目が向けられる前から、ラリーは販売へ繋がったモータースポーツだった。40年前の英国では、メジャースポーツのようにTV放映され、公道を走れるラリー・レプリカを、各メーカーは現実的な価格で提供していた。

【画像】ラリーレプリカ エスコート RS2000 シェベット HS サンビーム・ロータス 同時期のハッチバックたち 全117枚

今回の3台は、いずれも1970年代末に発売された、後輪駆動のハッチバック。ヴォグゾール・シェベット HSとタルボ・サンビーム・ロータスは、世界ラリー選手権(WRC)を前提とした本気のホモロゲーション仕様で、生産数は多くない。

フォード・エスコート RS2000は、1970年代半ばのRS1800と異なり、ホモロゲ仕様ではない。それでも、Mk2のエスコートはラリーを中心に活躍。ヴォグゾールが、「ディーラー・チーム・ボクスホール(DTV)」を設立する動機を生んでいる。

倍近い2.3Lユニットが載ったシェベット HS

1975年に発売されたシェベットは、ワークス・ラリーカーの望ましい土台になった。他モデルの技術を活用し、本来の1.3L 4気筒エンジンは、倍近い2.3Lユニットへ置換。そこへ、ツインカム16バルブのアルミ製ヘッドが与えられた。

前がダブルウィッシュボーン、後ろがリジッドアクスルのサスペンションには、ビルシュタイン社製ダンパーをセット。シャシーはサスペンションタワー周辺が強化され、ブレーキは、ヴォグゾール・キャバリエ譲りの大径ディスクとドラムが組まれている。

公道仕様のシェベット HSは、1978年に発売。ストロンバーグ社製キャブレターが2基載り、最高出力は137psで、0-97km/h加速8.5秒、最高速度185km/hの優れた動力性能にあった。5速MTにはトルクチューブが組まれ、確かなパワー伝達を叶えている。

他方、230psのラリーカーはヘッドの供給に問題があったものの、1979年にウェールズ・ラリー、マンクス・ラリー、カストロール・ラリーで優勝。RAC英国オープンラリー選手権のタイトルを獲得した。

レッドのストライプにダックテールスポイラー

ロブ・プライス氏が所有するのは、12年前に入手したという、1979年式のシェベット HS。2基のキャブレターはデロルトへアップグレードされ、最高出力は25ps上昇している。メインベアリングも変えてあるが、それ以外はオリジナルだという。

ボディカラーは、限定400台の共通だった、シルバー・スターファイア。フロントスカートとレッドのストライプ、ダックテールスポイラーが、スポーティな印象を強める。幅が205あるタイヤが包むアルミホイールは、当時のエイボン風だ。

キャビンは、今回の3台では最も豪華だろう。フロアには、レッドのパイルカーペット。シートやドアは、チェック柄で飾られる。油圧や水温などの補機メーターがセンタートンネル上に並び、スピードとタコは、3スポークステアリング越しに良く見える。

きっかけを与えれば自然にテールスライド

2.3Lエンジンを始動させ、アクセルペダルを傾けると、キャブレターが意欲的な吸気音を奏でる。1速は、左下のドッグレッグパターン。発進はやや重く、3000rpm前後にトルクの谷があるが、遠慮なしにエンジンを回せば本来の活発さが顕になる。

今回の中では最も素早くシフトレバーを倒せ、中域以上での加速力は弾けるよう。ツインカムらしい咆哮を放ちながら、5800rpmのレッドラインまで一気に回る。思い切り操ることで、一体感が増していく。

姿勢制御の締まり具合は、3台では真ん中。トーヨー・プロクセス・タイヤが、圧巻なフロントのグリップ力を生み出す。一方でリアは、きっかけを与えれば自然にスライド。手に負えなくなることはない。

ステアリングにアシストはなく、速度が増すほど重みも増える。レシオはクイックな側にあるが、フィードバックは限定的といえる。それでも林道へ紛れ込めば、気分はラリーステージ。タルボやフォード以上の、劇場感へ夢中になれる。

ラリーの精神を継いだ特別仕様

他方、フォードがエスコート Mk2でホモロゲ仕様としたのは、RS1800。1975年から英国RACラリーで連勝を重ね、1979年にはWRCドライバーズ・タイトルをビョルン・ワルデガルド氏へ掴ませている。

エスコート RS2000は、そのラリーの精神を継いだ特別仕様。RS1800のアグレッシブなコスワースBDAユニットではなく、手懐けやすいピント・ユニットでも、強い不満を呼ぶことはなかった。実際、1980年までの5年間に約1万台が提供されている。

エンジンは2.0LのSOHCで、最高出力は111ps。標準はウェーバーのシングルキャブレターだが、オプションでツインキャブにすることもできた。4速MTを駆使すれば、0-97km/h加速は8.6秒、最高速度は177km/hで、シェベット HSへ迫った。

サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後ろがリジットアクスルで、標準のエスコートと同等。安定性を高めるため、リアにラジアスアームが組まれている。

この続きは、フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビーム(2)にて。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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