当初のスタッドレスタイヤは限定的で滑りやすかった
7月1日、ダンロップ(住友ゴム工業)はスタッドレスタイヤ『ウインターマックス』の新シリーズ『アイスプロ』を発表。8月より順次発売する。
【画像】大谷翔平選手がCMに登場!氷上性能に振り切った『ダンロップ・ウインターマックス・アイスプロ』発表 全49枚
1980年代、冬のタイヤはスパイクタイヤが主流だった。しかし粉じんによる健康被害が指摘され、1990年にスパイクタイヤ粉じん規制法が制定された。翌1991年からスパイクタイヤは販売が中止され、スタッドレスタイヤの普及が始まった。だが当初のスタッドレスタイヤは、氷上性能は限定的で滑りやすかった。
ダンロップではスタッドレスタイヤの開発を進め、2012年に発売された『ウインターマックス01』では、氷上性能を中心に各性能を従来品から向上させた。その後、2016年に『ウインターマックス02』、2020年には現行品の『ウインターマックス03』を発売し、氷上性能を進化させてきた。
次世代オールシーズンタイヤの登場
また、年に数回しか雪が降らない準降雪、非降雪エリアでもスタッドレスタイヤの需要は年々高まっており、これに対応すべく2024年に登場したのが次世代オールシーズンタイヤの『シンクロウェザー』だ。この登場で、準降雪、非降雪エリアではシンクロウェザーが十分な冬性能を発揮してくれる。
ならば、ウインターマックスはどう進化させるべきか? これまでは、氷上、雪上、ノイズ、ドライ、ウエット、ライフといった性能を満遍なく向上させてきた。
しかし準降雪、非降雪エリアをシンクロウェザーに任せることで、新スタッドレスタイヤは降雪エリア用に氷上性能を特化させ、これと相反するドライ、ウエット、ライフ性能を抑え氷上性能に注力する『氷に振り切ったスタッドレスタイヤ』とした。それがアイスプロなのだ。
アイスプロに投入された様々な新技術
さてアイスプロは、氷上性能を限界まで追求するためにどのような技術が投入されたのだろうか。
これまでのスタッドレスタイヤは、氷上で滑る原因の水を『除水』して『密着』させていた。だがアイスプロでは『密着』の先に注目し、低温でもゴムの柔軟性を持続させる成分を配合した『ふんばり吸水ゴム』を採用。これが氷上路面の水膜を除去して、大きな力が加わっても、しなやかに変形して隙間なく密着状態を『持続』し続けるのだ。
また、このゴムの性能を最大化するため、接地面積を増大させる新開発プロファイルとサイプ(タイヤの溝に刻まれた細かい切れ込み)量を大幅に増やし、除水、エッジ効果を高めた新開発トレッドパターンを採用している。
4年が経過しても氷上での効きが持続
しかし、氷上性能に特化したからといって、タイヤライフが短すぎては誰も購入してくれない。そもそもタイヤは経年によって内部のオイルが抜けてゴムが硬化し、スタッドレスタイヤでは氷上性能が徐々に低下していく。
そこでアイスプロは、オイル抜けを抑えてゴムの硬化を抑制する『うるおいポリマー』を従来品から増量して配合。これにより柔らかさが持続され、新品時だけでなく、4年が経過しても氷上での効きが持続し、過酷な冬道での長い安心感を提供するという。
こうした新技術の採用により、従来品のウインターマックス03と比べて、氷上ブレーキ性能は25%、氷上コーナリング性能は9%向上させている。
アイスプロのターゲット像は?
ダンロップでは、アイスプロのターゲット像の居住エリアは降雪エリアに絞っている。例えば北海道在住の4人家族で、通勤や送迎で毎日氷上路面を走行。ドライバーのお父さんもしくはお母さんは、家族を安心してクルマに乗せたい、家族を冬道の危険から守りたいという想いが強いという方だ。
そこで、氷上路面でしっかり止まり、しっかり曲がるアイスプロなら、運転にも心理的な余裕が生まれ、安心感も高まる。当然ながら冬道での事故防止につながる。アイスプロの体験価値は『過酷な凍結路面でも心にゆとりを持つことができる』わけだ。
大谷翔平選手がCMに登場
そんな『氷に振り切ったスタッドレスタイヤ』である『ウインターマックス・アイスプロ』のサイズ展開は、145/80R13から255/45R22まで計99サイズ。軽自動車から大型SUVやスポーツカーまで、日本で販売されている大半のクルマに対応する。現段階で価格は発表されていない。
なお、氷上性能に特化した降雪エリア用と謳ってはいるが、降雪エリアのみで販売するわけではなく全国展開される。これは、準降雪、非降雪エリアに住んでいて、年に数回は降雪エリアに出かける人などにも対応するためだ。また、従来品のウインターマックス03も当面は併売される。
ちなみにアイスプロのCMには、シンクロウェザーと同様にメジャーリーガーの大谷翔平選手が起用された。7月1日からウエブで公開され、降雪エリアでは9月より順次TV放映が開始される予定だ。
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