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最新2スト『KTM 150EXC TPI』『ハスクバーナTE150i』エンデューロマシン徹底比較 #ゴー・ライド

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最新2スト『KTM 150EXC TPI』『ハスクバーナTE150i』エンデューロマシン徹底比較 #ゴー・ライド

KTM&ハスクバーナの150cc2ストモデルが新登場

かつてCRM250Rを愛車としていた私オガP(オフロードマシンGoRIDE編集長)。しかし、乗りやすい2ストと言われたCRMも手に余り、以来、4ストしか乗ってこなかった。そこで、最新2ストエンデューロマシンであるKTM 150EXC TPIとハスクバーナTE150iの2車に試乗し、2スト嫌い克服を試みたのだが……。

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2ストらしいシャープさ&リンクサスのしなやかさ! 最新の2スト エンデューロマシンとは!?

―― オフロードマシン ゴー・ライド(偶数月6日発売)の編集長『オガP』がインプレッション。そもそも2ストがあまり得意ではないというが……。

ハスラー50(スズキ)からスタートした私のオフロードバイク人生。一瞬セロー225に乗ったものの、やはりオフロードマシンは2ストだ! と思い、ホンダCRM250Rに乗り換え。次はRMX250オートリメッサ仕様だな。なんて具合に、愛車選びには2ストしかなかったのは今から20年以上前のことです……。

しかし、どうにも乗せられている感しかなく、折しも排ガス規制により2ストマシンはほぼ全滅。そして4ストオフの性能が著しく向上したこともあって、私の愛車選びも4スト一辺倒になっていたのです。というよりも、安定感のある車体、リヤタイヤをグリップさせやすいトラクション特性などが自分にぴったり合っているようで、すっかり4スト好きになっていたのです。となると、可愛さ余って憎さ100倍。4ストが好きなだけではなく、2スト嫌いになってしまったのです。

2スト嫌いのまま、世は平成から令和に。そこに令和のニューモデルがKTMとハスクバーナから登場。2スト150ccエンジンとフューエルインジェクションを組み合わせたKTM150EXC TPIとハスクバーナTE150iの2台がそれです。250クラスと同一のフレームと足まわりに、ひとまわり小さな排気量のエンジンを搭載することで、扱いやすさと高いオフロード走破性を兼ね備えているのが特徴。私のような2スト嫌いにも「乗れるのでは?」と思わせてくれるオーラが漂っています。

というわけで、長野県のワイルドクロスパークGAIAで開催されたKTM&ハスクバーナ2020オフロードモデル試乗会にて、その2台に試乗してきたのです。TPIと呼ばれるフューエルインジェクションシステムは、すでに250や300に搭載されていますが、新たに外気圧センサーが追加され、急激な高度や気圧の変化にも対応できるようになり、つねに安定した混合気を供給できるようになっているのです。これはKTMとハスクバーナで共通ですが、外装などはそれぞれオリジナルです。そして大きく異なるのがリヤサスです。KTMはリンクレス、ハスクバーナはリンク式です。

2ストらしいシャープさ! KTM 150EXC TPI

―― KTM EXC150TPIはシャープなハンドリングながら極低速でも粘るエンジンが光る。

まずはKTM EXC150TPIから乗ってみました。150という排気量から、少し小ぶりなボディサイズと思い込んでいたのですが、実際はフルサイズで足着き性も片足が着く程度。しかし、またがっただけで車重の軽さを体感できるほどで、それが車体サイズをコンパクトに感じさせてくれました。その軽さはハンドリングの軽快さとしても感じられて、ワダチが深くなったウッズ路面でもヒラヒラとしたマシン挙動になっていて、私にはマシンの振られやすさとしても感じられる半面、バランス修正のしやすさとしても感じら れました。

エンジンは極低速でもエンストしにくく、アイドリングから少しアクセルを開けるだけでトコトコと走っていけます。さらにアクセルを開けていけば2ストらしいパワーを発揮してくれますが、かつての2ストのようなピーキーさはなく、とても扱いやすかったです。歩くようなスピードからモトクロスのようなアクセル全開まで、さまざまなシチュエーションで扱いやすさが感じられるエンジン特性は、まさにエンデューロマシンといった感じでした。

―― 2ストらしいシャープさ!  KTM 150EXC TPI 価格:104万1000円(10%消費税込み)

2020KTM エンデューロシリーズ注目モデル

―― 250EXC-F SIX DAYS 価格:136万9000円 (10%消費税込み)マップ切り替えスイッチ、専用グラフィックなどが標準装備 された充実仕様のSIX DAYS。

 

―― 300EXC TPI ERZBERGRODEO 価格:133万5000円 (10%消費税込み)  2020モデルでは、さらにスタックベルト、ディスクガードなど ハードエンデューロ向けの装備を充実させた「エルズベルグロ デオ」がラインナップ。エルズベルグで得たノウハウをフィードバックしたマシン作りは、さすが レディ・トゥ・レースだ。

リンクサスのしなやかさ! HUSQVARNA TE150i

―― ハンドリングはKTMよりもマイルドな傾向。これなら臆せず2ストに乗れる!

次にハスクバーナTE150iですが、こちらのほうがKTMよりも若干パワフルに感じました。しかし、リンク式のリヤサスはストロークするまでに一瞬のタイムラグがあり、それがKTMよりもマシン挙動をマイルドに感じさせてくれました。それはハンドリングのマイルドさとしても感じられました。

2ストらしいシャープさはKTMだと思いましたが、ハスクバーナのマイルドさは私のような万年初心者には乗りやすさとして感じられました。2台ともにセル一発で始動でき、エンスト後の再始動性も問題ありませんでした。難所でスタックしても、リカバリーしやすいでしょう。

125ほどアクセルを開けなくても走ることができ、250よりも軽い乗り味になっているので、エンデューロやアタックツーリングで2ストに乗ってみたいと思っている2ストビギナーにもおすすめしたいです。分離給油で混合する手間も省け、ナンバー登録もできますからね。リンク式サスに慣れていることもあり、個人的にはハスクバーナの乗り味が好みで、2ストもいいなと思えたのが収穫でした。

―― リンクサスのしなやかさ! HUSQVARNA TE150i 価格:110万8000円(10%消費税込み)

この他にKTM250EXC  SIXDAYS  TPIとハスクバーナFE250にも乗りました。KTM250TPIはトルクフル&パワフルで、さらにアクセルを開けなくても走ることができました。少し重さは感じましたが、メリハリのある乗り味はマディ路面でもマシンコントロールしやすく、レースで高い戦闘力になるはずです。

 そしてハスクバーナFE250。車体の重さがありますが、マシン挙動もマッタリしていて安定性は抜群。 トラクション性もよく、荒れた路面でもズンズン走破していけました。4ストに慣れた私には圧倒的に乗りやすかった、というオチでした……。

KTM 150EXC TPI &HUSQVARNA TE150i DATAIL比較

インジェクション装備のニューエンジン

―― 【写真上KTM、下ハスクバーナ】150という小排気量への搭載に際し、外気圧センサーを追加。つねに安定したエンジン性能を発揮できるようになり、小排気量に起因する低速トルクの細さが解消され、扱いやすさを向上している。KTMとハスクバーナで外装パーツが一部異なるが、機関は基本的に同一。なのだが、試乗会では、ハスクバーナのほうがパワフルという感想が多かった。

サブフレーム

―― 同仕様のエンジンを搭載するKTM150EXC TPIとハスクバーナTE150iだが、車体では異なる部分も多い。大きな違いはサブフレーム。KTMはアルミだが、ハスクバーナはカーボン。

シート&外装

―― シュラウド、 シート、リヤフェンダーの形状も変わり、ハスクバーナのシート高はKTMより10mm低くなっている。

リヤサスペンション

―― リヤサスもKTMはリンクレス、ハスクバーナはリンク式と異なり、サスストロークはKTMのほうが10mm長い。これに合わせて車重は、ハスクバーナが2.8kgほど重く、これらの差がハンドリングの違いになっている。

スイッチボックス

―― ※左がKTM、右がハスクバーナ

デジタルメーター

―― ※左がKTM、右がハスクバーナ

スペック比較

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みんなのコメント

3件
  • 国産2ストトレールが生産されない中、外車はナンバー取得可能なレーサーを手に入れる事ができるのは嬉しい。
    ただ地方だと、取り扱いショップが無かったりするので、メンテやパーツに一抹の不安がある。
    それさえ何とかなれば、自分も手に入れたいと思います。
  • 今は昔、トシニシヤマが代理店だった頃、草レースに試乗会として、まだ空冷の250GSだったかを持ち込んで来られていた。試乗させて頂いたが、当時の国産トレイルバイクとは全く違う性能に衝撃を受けたのを覚えている。良くできた2サイクルはほんと楽しいし速い!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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