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「バイク定率割引」来年度の割引条件に要望 最低距離100kmの撤廃求ム

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「バイク定率割引」来年度の割引条件に要望 最低距離100kmの撤廃求ム

バイク定率割引、実質は軽自動車より7.5%安いだけ

 実質上の高速道路「バイク料金区分」設置を目指して始まった「バイク定率割引」ですが、早くも来年度(2024年度)の業界要望が始まりました。2022年に普通車の50%割引を土日祝日に限り実施し、2023年も同条件で継続。ユーザーを代表する業界団体は、限定的な利用条件を撤廃した実施を強く求めています。

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 11月2日夕方、公明党の国会議員14人が出席する「オートバイ議員懇話会」が衆議院議員会館で開催されました。開会前には石井啓一元国土交通大臣も顔を見せました。席上、オートバイ政治連盟の吉田純一会長が訴えました。

「この要望は既に10数年、日本自動車工業会と全国オートバイ協同組合連合会が続けている。定率割引の実施期間をできるだけ伸ばして、平日にも適用してもらいたいということは、自民党・公明党の両党の要望にもなっている。この問題の解決をと、私は思うんですけれども。これはもう長年やってきたことですから、そのへんをすごく要望しておきたい」

 バイク定率割引の条件見直しは、日本自動車工業会も求めました。利用者を縛るのは、1回の走行で最低100km走らないと割引が適用されないことです。

「(この距離制限を)撤廃もしくは、1回30kmぐらいまで緩和していただきたい」(自工会・飛田淳司氏)

 飛田氏は割引率についても改善を要望しました。バイク定率割引の割引率は普通車の50%を基準にしています。バイクユーザーから見た高速道路料金の適正化を求める議論から生まれました。車重、車両の占有率から考えて普通車の50%程度という考え方で、それが割引でも適用されるべき、という考え方です。

 国交省はバイク定率割引を実施するにあたって割引目的を観光振興として、観光なので平日を除外し土日祝日に限定しました。一方で、土日祝日は普通車・軽自動車(バイクを含む)対象の距離制限なしの30%割引が適用されます。

「バイクユーザーにしてみると、(バイク定率割引が適用されても)7.5%しか割引を得られないではないか、割引が低いんじゃないかという声もございます。同等の比較でいきますと、やはり休日割引30%行なった前提の上から定率割引37.5%をしていただいて、普通車の半額以下(割引率56.25%)まで抑えていただくのが妥当ではないか」(飛田氏)

 バイクの通常料金である軽自動車区分を基準にすると、バイクの定率割引は軽自動車料金の37.5%割引です。軽四輪が30%割引を適用されているなら、四輪と二輪の負担率を考えて、二階建てで割引が適用されるできではないか、という考え方です。土日祝日割引に距離条件はありません。

 さらに、5月と8月の大型連休に挟まれた平日の割引実施も求めました。

「来年5月は、3~6日は連休になりますが、7~10日は平日になってしまうので使えない。同様に8月も10~12日は定率割引を受けられるが、13~16日の4日間が平日ということで受けられない。夏休み、ゴールデンウィークなどの渋滞の緩和を避ける意味でも、割引対象日を連続化してもらったほうがいい」(前同)

バイク定率割引に16万5000件の利用、もっと増やせるはず!

 2023年のバイク定率割引は、11月末日まで実施されます(※北海道は10月末日で終了)。2023年はコロナ禍の行動制限なしで4月からスタートし、9月末日までに16万5000件の利用がありました。

 定率割引に対する国交省道路局・松本健参事官の評価です。

「現在のところ非常に順調にお使いいただき、(利用実績の)データも取れてきている」

 ただ、2024年の計画については、具体的に言及しませんでした。

「この定率割引、しっかり二輪車の利用環境に努めていきたいということで、今日の要望はしっかり検討し、来年度以降のあり方についても検討を進める。そもそもの車種区分の見直しについても、国土幹線道路部会において今後の車種区分のあり方を検討すべきというご意見をいただいている。こういう状況を踏まえましてしっかり検討してまいりたい」(松本氏)

 公明党オートバイ懇話会の事務局長・石川博崇参議員議員は、次のように締めくくりました。

「令和5年(2023年)は継続してデータを蓄積するために、条件の見直しをしなかったということなので、来年度は今日の要望も踏まえて、ぜひ今後調整をさせていただきたい」

 高速道路通行料の見直しを求めるバイクユーザーの声は、署名活動として20年近く続いています。その結実である定率割引、3年目の実施にもその声は反映されるでしょうか……。

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