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超高速グラベル戦もGRヤリス・ラリー2が制覇。ブリニルセンがシリーズ初優勝/ERC第3戦

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超高速グラベル戦もGRヤリス・ラリー2が制覇。ブリニルセンがシリーズ初優勝/ERC第3戦

 スウェーデンのカールスタッドを拠点とする超高速イベント、ERCヨーロッパ・ラリー選手権第3戦『バウハウス・ロイヤルラリー・オブ・スカンジナビア』が5月29~31日に開催され、地元の英雄アイザック・ライアセン(シュコダ・ファビアRS ラリー2)や、前戦勝者ルーペ・コルホネン(トヨタGRヤリス・ラリー2)らの猛攻をかわしたアイヴィン・ブリニルセン(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、うれしい欧州選手権初優勝を飾っている。

 同国ヴェルムランド地方で争われ、WRC世界ラリー選手権でもおなじみの全17ステージ、184kmに及ぶハイペースのグラベル(未舗装路)戦は、予選ステージから目まぐるしくリーダーの入れ替わる超接近戦の様相に。

鮮烈な欧州選手権デビューウイン! GRヤリス駆るコルホネンがオストベルグらを撃破/ERC第2戦

 まずはフィリップ・アレン(シュコダ・ファビアRSラリー2)のQF最速で幕を開けると、続くSSSではMRFタイヤを装着したシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が。そして本格ステージ群が始まった金曜午前のループでは、地元出身ライアセンが代わる代わる首位を奪う。

 しかし午後のステージに入ると、ハンコックタイヤを履く開催地カールスタッド出身で21歳の自動車整備士ライアセンの前に、37歳のブリニルセンが立ち塞がり、こちらはピレリタイヤ装着のGRヤリスで5.1秒のマージンを稼ぎ出し、初日の最終サービスへと帰還した。

「素晴らしい1日だった。本当に楽しかったよ」と、先月スペインで開催された開幕戦では公式ストリーミング『Rally.TV』の解説者も務めるなど、今季ERCもパートタイム参戦のプログラムで挑むブリニルセン。

「初日にトップに立つなんて自分でも信じられないが、明日はどうなるか楽しみだ。長い1日になるだろうからね」

 一方、この初日を表彰台圏内で進めていた前戦2位獲得のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)は、マシンの右後輪が損傷した状態でSS8の11kmを走行。ここで優勝戦線から脱落することとなった。

「非常に残念だが、仕方がないことさ」とSS9の名物”コリンズ・クレスト”では、ラリー最長となる43mのビッグジャンプを決めたオストベルグ。「誰にでも起こり得ることだが、残念ながら僕にはことさらよく起こるね」

 迎えた最終日は、逆襲を期す2番手ライアセンが午前のループステージでスパートを掛け、最初の4SS中2SSでベストを奪取。午後の最終4SS開始時点で、首位ブリニルセンとのギャップをわずか3.8秒にまで縮めてみせる。

「正直言って、素晴らしい戦いだ。とても楽しいね。ステージは本当にクリーンで気分も良い。この調子が午後も続くことを願っているし、彼(ライアセン)がプッシュしているから、サービス後にもう少しペースを上げないといけないと思っている」と語った首位ブリニルセンに対し、追走するライアセンも「コンマ数秒の差でつねに状況が動いているのは、記録更新に違いないね。素晴らしい。ドライバーとして大きく成長させてくれる」と手に汗握るバトルに関して、先頭走者の意見に同調する。

 さらに午後の幕開けとなる20.06kmの“ロイヤルフォレスト”で差を2.8秒にまで縮めたライアセンだったが、この最終ループからパワーステージに向けピレリのフレッシュタイヤを温存していたブリニルセンは、続くSS15で盤石のベストタイムをマーク。同じステージの左コーナーで片側を落とし、2輪走行に陥ったライアセンを7.0秒差まで突き放す。

 事実上、これで勝利を確信したブリニルセンは、最終パワーステージの最速をコルホネンに譲り、これで大逆転の2位浮上を果たした前戦勝者に対し4.9秒差でERC初勝利を収めた。

「信じられない。本当に厳しい戦いで、かなりのエネルギーを費やしたよ」と1月以来ラリーから離れていたブリニルセン。

「僕たちふたり(コドライバーのヨーン・リステルード)の努力の甲斐あって、本当にホッとしている。最後の数kmは本当に苦戦した。僕は隣国(ノルウェー)の出身で、半年に1度ラリーカーを運転する。特別な経験だ」

 そしてラリーを通じて優勝争いを繰り広げ、最後はコルホネンに次ぐ3位に甘んじたライアセンも「信じられない気持ち」だと、自身のパフォーマンスに満足げな表情を見せた。

「この(最終)ステージ前は緊張していなかったのに、こうしてチャンスを得られたことに感謝している。この挑戦を可能にしてくれたすべての人たちに感謝しているし、普段はあまり口にしないが、正直言って、自分のことを誇りに思っている」

 一方、今季より創設された50歳以上のドライバーを対象とするマスターERC部門では、ヨス・フェルスタッペン(シュコダ・ファビアRSラリー2)が金曜日の最終ステージでアクシデントに遭い、再出走を断念する判断を下すなか、2分のタイムペナルティを乗り越えたヘニング・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)がラリーを制している。

 続くFIAヨーロッパ・ラリー選手権の第3戦『第81回オーレン・オイル・ラリー・ポーランド』は、6月13~15日に開催される今季3戦目にして最後のグラベル戦となる。

[オートスポーツweb 2025年06月07日]

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