「何かがチームの足を引っ張っている」フェラーリのハミルトン、序盤戦苦戦もマシンのポテンシャルは実感

　メルセデスで黄金期を過ごし、今季フェラーリへと移籍した7度のF1ワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトン。彼は中国GPのスプリントで勝利したもののここまで概ね期待外れのシーズンとなっており、6戦を終えて決勝レースは5位が最高位、ランキングは7番手だ。

　前戦マイアミGPも波の大きいレースウィークとなった。スプリントでは3位に入ったが、決勝では予選で12番手に沈んだことが響いて8位に終わった。

　ただハミルトンとしては、厳しい序盤戦になったにもかかわらず今後に向けては楽観的な姿勢を保っている。マイアミGPを終えたハミルトンは、次のように語っていた。

「全体的には良い1日だった。8位というのは良い結果じゃないけど、今後に向けてはポジティブに捉えている」

「このマシンには本当に速さがあると思う。でも今は何かが僕たちの足を引っ張っている。中国以来、パフォーマンスを失っているんだ。（パフォーマンスは）確かに存在しているけど、今はそれを活かせていない」

「その問題を解決するまでは、今の状況から抜け出せない。でも、その間にも他の部分は改善していける」

「それでも今週は僕たちにとって厳しかった。ただ少しは良くなってるし、要するに本来の速さを発揮できていないということだ」

　マイアミではハミルトンとチームメイトのシャルル・ルクレールが近いポジションを走っており、お互いの走りを妨げるような結果となった。そのためハミルトンは無線でエンジニアと言い争うような場面がフィーチャーされた。

　ルクレールもマイアミでは7位と振るわず。チャンピオンシップでは5番手につけているが、先日のパフォーマンスは今季最低レベルだったと言わざるを得ない。

　スプリント予選を6番手で終えた時点で「全くペースがない」とコメントしたルクレール。スプリントは開始前のクラッシュで出走できず、決勝は8番手スタートから7位と平凡な結果に終わった。

　レース後のルクレールは、自らのペース不足について改めて強調した。

「今日は僕たちが望んだ日曜日ではなかった。ペースがないのは明らかで、奇跡も起きなかった」

「すべてが完璧に進んでいれば、キミ（6位に入ったメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリ）より前でフィニッシュできたかもしれないけど、そこまでだ」

「確かに（ハミルトンとの争いで）ポジションをひとつ失ったという問題については修正が必要だけど、それとこれとは分けて考える必要がある。残り6つから7つのポジションを上げるにはマシンの力をつける必要がある」

　ルクレールはイモラで行なわれる次戦エミリア・ロマーニャGPでの多少の改善を期待しているが、その次の地元レースであるモナコでは、昨年優勝しているにもかかわらず苦戦を予想している。

「イモラはもしかすると良いかもしれない。でも残念ながら、今年のモナコは全く楽しみにしていない。僕たちのマシンでは、あのコースで良いパフォーマンスは期待できそうにないからね」