UDトラックスは2022年4月1日付で、酒巻孝光氏に代わり、丸山氏が代表取締役社長に就任することを発表した。この人事は3月末に開催する取締役会および臨時株主総会の承認を経て正式に決定する。
2021年4月1日、ボルボトラックグループが持っていたUDトラックスの全株式の買収手続きをいすゞ自動車が完了させたことで、現在ではUDトラックスはいすゞの完全子会社になっている。
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したがって、UDトラックスは今後、いすゞと連携して商品展開や販売、サービスなどを重視したマネージメントに転舵する必要があり、長らく営業畑を歩んできた丸山氏の社長就任が決まったものとみられる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/フルロード編集部・UDトラックス
国内営業部門トップの丸山浩二氏が社長に就任
UDトラックスの現在の代表取締役社長である酒巻孝光氏は、2022年3月31日付で代表取締役および社長を退任。後任に国内営業部門シニアバイスプレジデントの丸山浩二氏が2022年4月1日付で、代表取締役および社長に就任する。
なお、丸山氏は引き続き国内営業部門シニアバイスプレジデントとしての職務も担当する。
UDトラックスの新社長に就任する丸山浩二氏
UDトラックスは、新中期経営計画において人と地球のより良い暮らしのために努力することを行動指針とする「Better Life(ベターライフ)」をパーパスとして採用。
2021年度から2025年度までの5年間を、ダイバーシティ、イノベーション、モノづくりを強みに社会課題解決を通じた持続的成長の実現と日本の商用車業界のサステナビリティリーダーとして成長するための重点期間と位置付け、取り組みを進めている。
UDトラックスはトラックの自動運転にも積極的に取り組んでいる
新型コロナウイルス感染症拡大がもたらした社会および価値観の変化の加速も踏まえ、新たなパーパスに沿い策定した新中期経営計画の実現に向け意思決定のさらなる迅速化と経営力の一層の強化を図るため、社長交代を行なうことしたという。
ちなみに酒巻孝光は1980年に日産ディーゼル工業(現UDトラックス)に入社。以来、ディーゼルエンジンの生産技術から車両の品質保証まで生産に関わるあらゆる分野に携わってきた。2016年より生産事業部門のシニアバイスプレジデントとして部門全般をリードし、2018年に代表取締役社長に就任した。
UDトラックスでの長きにわたる勤務において、2021年3月まで親会社であったボルボ・グループとともに、UDトラックスの生産技術を高次元に引き上げるなど、日本とグローバルにおける生産技術および文化の融合を図った。
またダイバーシティ&インクルージョンの推進リーダーとして、さまざまな国籍、ジェンダー、背景をもつ従業員と積極的に対話するなど伝統的な製造業において多様性のある文化を醸成することに多大な貢献をした。
いすゞがボルボと戦略的提携を結んだことで、今後ともUDトラックスとボルボの関係も維持される
マーケティングの最前線で活躍してきた丸山浩二氏
丸山浩二氏は1985年に日産ディーゼル工業(現UDトラックス)に入社。一貫して販売および販売戦略・マーケティングの最前線で活躍してきた。
2018年には現職である国内営業部門シニアバイスプレジデントに就任。以来、UDトラックスの販売モットーである「お客様からビジネスパートナーとして選ばれるブランド・企業になること」を掲げ、お客様の満足度を向上させるための施策を投じてきた。
ドライバー不足という社会課題に対応するため、2021年にドライバーの疲労軽減に寄与する画期的商品「UDアクティブステアリング」を搭載した大型トラックを投入。
社会の血流である物流の第一線で働くドライバーを第一に考えた商品戦略から物流を止めないためのサービスの効率化など、物流の効率化を図るための施策を積極的に押し出している。
先進的なUDアクティブステアリングを搭載したUDトラックス「クオン」
■丸山 浩二氏(まるやま こうじ)の略歴
1985年日産ディーゼル工業(現UDトラックス)入社。 工場生産管理の後、販売、マーケティング、戦略企画部などを経て2011年国内営業部門バイスプレジデントに。2012年より中部支社支社長、2015年より近畿支社支社長を歴任し、2018年年5月1日国内営業部門シニアバイスプレジデント就任。61歳。
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