空気圧の調整を自動化 センサーを活用
タイヤメーカー各社は、自社製品が単なる「クルマの付属品」ではないことをドライバーに理解してもらうために、長年にわたって着実な進歩を遂げてきた。
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例えば、多くのドライバーは冬用タイヤの利点を知っているし、自尊心の高いエンスージアストなら、自身のパフォーマンスに見合ったゴムを選んでいる。
そして今、タイヤメーカーはインテリジェント・タイヤという形で、より際立った技術を押し進めようとしている。
ピレリは最近、半導体を組み込んだスマートタイヤの計画について発表した。コンチネンタルも同様の構想を持っており、その1つを「ケア(Care)タイヤ」と呼んでいるが、「Care」とはコネクテッド(Connected)、自動運転(Autonomous)、信頼性(Reliable)、電動(Electriated)の頭文字をとったものである。
ピレリ同様、コンチネンタルもタイヤトレッドにセンサーを内蔵した空気圧モニタリングシステム(TPMS)を開発している。米国では2007年以降、欧州では2012年以降に販売されるすべての新車にはTPMSの装着が義務付けられている。
その一例がダイレクトTPMSで、これは電池式の小型センサーをタイヤ本体ではなく、ホイール内のタイヤバルブの裏側に取り付けるものだ。
センサーは空気圧を監視するだけでなく、コンチネンタルが「プレッシャー・プルーフ(Pressure Proof)」と呼ぶシステムの一部となって、自動的に適正な空気圧を維持してくれる。
このシステムでは、ホイールに取り付けられた小型の空気ポンプ(プレッシャー・ブーストと呼ばれる)が車輪の回転時の遠心力によって作動する。予備空気は小さなタンクに貯蔵され、センサーが圧力低下を検知するとすぐに補充できるようになっている。
精巧な技術に見えるが、自動車の燃費とエネルギー効率を向上させる必要性を考えれば、タイヤメーカーがこのアイデアを追求する価値もあるのだろう。コンチネンタルは、このプレッシャー・プルーフによってタイヤの寿命が7400kmも延び、燃費(というよりエネルギー効率)が最大3%向上すると見積もっている。
専用のホイールとタイヤアセンブリーが必要というのは煩雑に思えるかもしれないが、ランフラットホイールとタイヤアセンブリーに見られるように、同様の事例は初めてではないだろう。いずれにせよ、これは未来の技術の話である。
スマートタイヤセンサーは他の機能も備えている。こうしたアイデアに取り組んでいる他のタイヤメーカーと同様、コンチネンタルも自動運転車や、複数のドライバーが1台のクルマを共有するシェアード・フリートを見据えている。
タイヤに搭載されたセンサーは、車両全体の温度と空気圧のデータ収集に役立ち、それを分析すれば気象条件などに基づく危険予測に利用できる。
さらに先に目を向けると、高度な自動運転が実現した暁には、タイヤメーカーはコネクテッド・タイヤが重要な役割を果たすと考えている。
いつの日か自律走行するハイヤーが目的地とベース拠点を往復したり、運転手のいないロボットタクシーが人間の手を借りることなく道路を走り回ったりするようになれば、路面の状態(路面に水や氷がどの程度あるかなど)、空気圧、摩耗、損傷などを常に監視する必要がある。
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みんなのコメント
機械ってのは、構造が複雑になればなるほど、故障もしやすくなるし、寿命も短くなる。
タイヤの寿命はのびるが、自動車の寿命はどんどん縮んでゆく。