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“代役”の中山友貴/奥本隼士組が魅せた! グッドスマイル 初音ミク AMGが第3戦セパンで殊勲の3位表彰台

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“代役”の中山友貴/奥本隼士組が魅せた! グッドスマイル 初音ミク AMGが第3戦セパンで殊勲の3位表彰台

 6月28日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われたスーパーGT第3戦『SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025』の決勝レースで、終盤GT300クラスのレースを盛り上げたのは、今回代役参戦となった中山友貴/奥本隼士組グッドスマイル 初音ミク AMGだった。2024年チャンピオンのVENTENY Lamborghini GT3とのバトルを制し、嬉しい3位表彰台を獲得してみせた。

 スーパーGT屈指の人気チームであるGOODSMILE RACING & Team UKYOは、2011年からチームを支えてきた谷口信輝、そして2012年に加わった片岡龍也のコンビでスーパーGTを戦ってきた。迎えた2025年もふたりがグッドスマイル 初音ミク AMGのステアリングを握っているが、今季GOODSMILE RACING & Team UKYOは、ひさびさにGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ/インターコンチネンタルGTチャレンジのスパ24時間への挑戦を決めていた。

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 この日程はちょうどスーパーGT第3戦セパンと重なる日程であり、チームは小林可夢偉とともにスパ24時間に参戦する谷口と片岡に代わり、中山と奥本を起用することを2月のワンダーフェスティバルの中で発表していた。中山と奥本はスーパー耐久シリーズでTKRI松永建設AMG GT3をDAISUKE、片岡とともにドライブしており、メンテナンスもRSファインで同じ。これ以上の適役はいなかったが、中山は2022年以来のスーパーGT。また奥本はSUBARU BRZ R&D SPORTのリザーブを務めているものの、レースは初。テストでグッドスマイル 初音ミク AMGをドライブするなど準備を進め、このレースウイークに臨んでいた。

 6月27日に行われた公式予選では、Q1を奥本が突破。Q2では中山が8番手につける。迎えた6月28日の決勝では、中山が序盤から6番手争いに加わると、コース特性から苦しい戦いを強いられていたD'station Vantage GT3をオーバーテイク。早めのピットインでアンダーカット作戦を成功させると、交代した奥本がレース終盤には4番手に。VENTENY Lamborghini GT3の小暮卓史とのバトルを制し、デビュー戦での3位表彰台を勝ちとってみせた。

「レース前は『チームポイントをたくさん持って帰ってきてくれ』と言われていたのですが、こんなに持ち帰られると思っていませんでした。8番手から表彰台まで上がれるなんて、望みうる最高の結果になったと思います」と中山は喜びを語った。

「序盤ポジションを上げることができましたし、チームメイトの奥本選手もデビュー戦だったので、奥本選手が輝けるようなアシストができたことが何より良かったです。奥本選手は予選で本当はQ2にいきたかったと思うのですが、そこまでパフォーマンスを上げ切れていなかったですし、レースではセカンドスティントで『見せ場があるよ』と送り出したので、自分ができることはすべてやり切れたと思います」


●自費トレーニングも実った奥本「できる準備はすべてやってきた」

 後半スティントで会場のファンも大いに湧かせるバトルをみせた奥本も、興奮醒めやらぬ様子だった。「公式練習からロングランは調子が良かったので、何ひとつ不安もなかったですし、中山さんも序盤オーバーテイクもみせてくれました。そこで僕もメチャクチャ気合が入っていましたね」と奥本はレースを振り返った。

「不安はなかったのですが、デビューレースでGT500がうしろから来る迫力も公式練習までとは違って初めてで、最初は戸惑ったのですが、3位に上がることができたきっかけもGT500だったので、限られた時間のなかで自分自身、トラフィックの処理の仕方でチャンスをたぐり寄せることができたと思っています。本当に良かったです」と奥本。

 奥本はラジコン出身の異色の経歴の持ち主で、FIA-F4まではメーカーのスカラシップを受けていたものの、2024年にそのスカラシップがなくなると、自らR&D SPORTに“飛び込み”でリザーブの座を得るなど、自らチャンスを切り拓いてきた。そんな努力が、デビュー戦で華開いた。

「僕はメーカー系のドライバーではないので、未来を変えるためには結果でどうにかするしかないと思っています。スーパー耐久富士24時間の後、そのまま日帰りでセパンに来て練習しましたし、日々シミュレーターをやったりと、できる準備はすべてやりました。いつもは緊張したりしますけど、ひとつひとつ準備をしたおかげで今日はまったく緊張しなかったですし、絶対にいけると思っていました」

「もちろんこの結果に満足せず、これからももっと速くてうまくて、危ないシーンがないドライバーになっていきたいです。このレースで、僕はまたセパンは速くなったと思っています」

 攻めて掴んだ3位表彰台には、日本から応援したファン、そして現地に駆けつけたファンを大いに喜ばせた。もちろんスパ・フランコルシャンでこれから24時間レースを戦う谷口と片岡、そしてGOODSMILE RACING & Team UKYOのメンバーにも大きな刺激となるはずだ。

 ふたりは先述のとおり、スーパー耐久で片岡とはチームメイトであり、奥本は2024年にTGR GR86/BRZ Cupで谷口ともチームメイトだった。「今回、こうして代役として参戦させてもらう以上、中途半端な結果では絶対終われないと思っていましたし、今までお世話になったおふたりですからね。結果で恩返しするしかないですし、優勝ではなかったですが、こうして表彰台という結果で終われて良かったですね」と奥本は笑顔をみせた。

 また中山も「片岡さんからいろいろ学んでいる部分が大きいですし、スーパー耐久と同じメンテナンスでできている強みも活かせたと思います。チームにあたたかく迎えてくださって、ドライバーファーストなチームに加わるチャンスをもらえたこともありがたいです。GOODSMILE RACING & Team UKYOの皆さんに感謝したいですね」と語った。ふたりはTKRI松永建設AMG GT3で掴んだ富士24時間制覇に続く好結果となった。

「安藝さん(GOODSMILE RACING & Team UKYO安藝貴範代表)には動画でメッセージを送りましたよ!」と中山。スパ24時間でこれまで成し遂げられていない完走という結果を残すことができれば、GOODSMILE RACING & Team UKYOにとっては最高の週末になるはずだ。

[オートスポーツweb 2025年06月29日]

文:AUTOSPORT web
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