現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダが車中泊需要に本気!? 「N-VAN」に次ぐキャンプビジネスへの取り組みとは

ここから本文です

ホンダが車中泊需要に本気!? 「N-VAN」に次ぐキャンプビジネスへの取り組みとは

掲載 更新 8
ホンダが車中泊需要に本気!? 「N-VAN」に次ぐキャンプビジネスへの取り組みとは

■画期的な4ナンバー車として登場した「N-VAN」

 2020年代に入って、さらに加速しているキャンパーブーム。そのなかで、改めてホンダ「N-VAN」の凄さを実感している人は多いのではないでしょうか。

【画像】ホンダ「フィット」が完全SUV化で超ワイルドに! 「フィットクロスターカスタム」を画像で見る(22枚)

 最大の強みは、シンプルな商用としてあるベース車「G」に加えて、多種多様な商用と乗用の選択肢を一気に増やした「+STYLE FUN」の存在です。

 4ナンバー車でここまで「仕事と暮らし」両面から提案しているメーカーは、ホンダだけだと感じます。

 トヨタ「ハイエース」や日産「NV350キャラバン」といった商用車を乗用化する動きは、ユーザー側の要望にメーカー側が一部応えているという印象が強いと思います。

 一方、N-VANは商品企画から、多彩なオプションパーツ開発を並行しておこない、さらにホンダが独自のウェブサイトでさまざまなライフスタイルを提案するという、トータルパッケージ戦略となっています。

 そうしたホンダのキャンパービジネスの実態について、さらに今後の事業拡大の可能性について、ホンダ本社(本田技研工業)とホンダ関連部品企業であるホンダアクセスに詳しく聞いてみました。

 まずは、ホンダのクルマ作りプロセスの特徴をお伝えしますと、ホンダが長年おこなってきた手法は、ホンダ本社が営業やマーケティングをおこない、その結果をもとに本田技術研究所に車両開発を発注するかたちです。

 これは、ホンダ創業者の本田宗一郎氏が考案したものです。

 ただし、昨今の世界的な自動車産業の変革を考慮した結果、2019年4月から二輪事業を、また2020年4月から四輪事業での量産開発を、本社と研究所を一体化させるという大規模な組織再編をおこないました。

 N-VAN開発はこの組織再編前に企画生産されていますが、N-VAN含めて現時点(2021年2月)は新体制のなかでキャンパー関連事業の開発が進められていくと思います。

 その上で、ホンダ側の回答としては「各機種の開発チームのなかに、ホンダアクセスの用品開発者もメンバーとして参加し、車両コンセプトに合わせた用品開発をおこなっています」という体制です。

 また、ホンダアクセス商品企画担当者もホンダ本社の商品企画担当と連携してプロモーションも含めた共同作業を進め、発売後の市場検証もおこない、次の企画に結びつける活動を続けています。

 とくにN-VANでは、商用と一般ユースの両面で多様な使用シーンを想定した多くの用品を企画しているため、ユーザーや販売店の反応を細かく分析しているとのことです。

 では、こうしたN-VANの一般ユースの広がりを踏まえて、車中泊、手軽なキャンプ、さらにさまざまな趣味に対応するトランスポーターという視点での、いわゆる「クルマのキャンパーブーム」をホンダはどう捉えているのでしょうか。それとも、これは一過性のブームでしょうか。

 これに対しては「一過性のブームというよりも、アウトドアアクティビティはひとつの趣味ジャンルとして都市部の住民を中心に定着してきたと思います。

 クルマのキャンパーや車中泊は、クルマを使った新しいライフスタイルのひとつとして市民権を得つつあります」との考えを示しました。

 加えて「近年多発する自然災害時の車中避難なども、(一連のキャンパーブーム)の背景になるのではないか?」とも指摘します。

 ちなみに、ホンダアクセスが自家用車を所有する20歳から69歳のドライバー1000人を対象として2020年9月におこなった独自調査では、車中泊の経験者は34%でした。

 そのなかで、車中泊をしたきっかけは「安く楽しめる」が32.6%、「時間にしばられない」が19%となった一方で、4%の人が「災害時非難で車中泊を経験した」と回答しています。

■多彩な情報発信としっかりとした情報分析

 ホンダのキャンパービジネス戦略をさらに深堀してみましょう。

 前述のように、ウェブサイトなどを使った緻密なマーケティングに特徴があります。主体となるのが、その名もズバリ「Hondaキャンプ」です。

 開始時期は2010年3月で、ウェブコンテンツとして開始し、各領域の専門家と相談しながら記事を追加し更新しています。

 そうしたなかで、商品軸以外でもユーザーとの接点を継続的に持てるということが非常に重要だという認識があり、「例えば、車種ページご訪問者に比べて、クルマへのご関心がそれほど高くない方や他のメーカーのクルマにお乗りの方も、これらのコンテンツに多くご来訪頂いております」という一般メディア化という側面があるといいます。

 Hondaキャンプ以外にも、「Honda釣りクラブ」「Honda Dog」そして「Honda GOLF」といった多彩なウェブコンテンツを運営しているのがホンダの他社と違う大きな特徴でしょう。

 実際の運用については、ホンダ車を使ったアウトドアの楽しみ方などソフト情報はホンダ本社が制作して情報発信しています。

 また、またユーザー向けのアウトドアイベントについては、現在では用品装着したホンダ車を展示して紹介するためホンダ本社と連携してホンダアクセスとして出展する場合が多いそうです。

 そうしたなか、先日バーチャルのみ開催となったオンラインオートサロン2021(バーチャル開催)出展車の狙いについては「ホンダが目指していること=お客さまの生活の可能性を拡げていくこと、です。

『もっとこういった使い方ができる』、『こんなところまで行ける』という点を、FIT e:HEV クロスター カスタムとN-VANカスタムで提案しました」といいます。

 両モデルとも量産の予定はないとのことですが、N-VANカスタムでは、「ホンダ特設ウェブサイト内でテーブルの図面を公開しており、ユーザー自身でのカスタムは制作可能です」というホンダ独自の提案を試みました。

 最後に、今後の事業の可能性について聞きました。なかでも気になるのがミニバン向けです。

 これについて「今後の機種で現時点において具体的に言及できるものはありませんが、すでに『フリード+』ではほぼ平らになる荷室部分を使った車中泊の提案はおこなっており、そのフィードバックも参考に、今後の開発過程でこのような用途またはそれに適したシートアレンジ・積載性・給電機能等が考慮される可能性はございます」ということで、ユーザーにとって期待が持てそうです。

 加えて、トヨタなどで近年始まった、販売店が企画する新車保証の範囲でのコンプリートカー・キャンパーで、ホンダはどうするのかが気になります。

 この点については「ホンダは工場出荷及び納車時点の車両状態をお客さまにとって最良のものとすべく事業に取り組んでおり、お客さまのこまかなニーズに対応すべく、純正アクセサリーを数多く展開しています。

 新車保証の範囲で考えると、これらの純正アクセサリーでカバーしていくことになります。(多くの社外品は新車保証対象外になるため)販売店でも、アウトドアを訴求ポイントとして使うことは多いですが、キャンパーとしてコンプリートカーという形でおこなっているところは現時点ではないと思います」という回答を得ました。

 ホンダのキャンパー事業、N-VANに加えて今後、ユーザーがあっと驚くようなベース車の登場に期待したいところです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

8件
  • 鍋に入りたがる猫みたいなものかな
  • 技研に発注という形だからみんなが色々言えたが 今後は意見交換よりスピード(効率)重視なのだな 効率の良さは色々なものをそぎ落として生まれる 会話の途切れた製品はどんなものになるのだろう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

136.5201.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.9409.0万円

中古車を検索
N-VANの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

136.5201.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.9409.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村